【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第209回臨時国会は閉会、旧統一教会と清和会批判強まる、岸田文雄首相は抜き打ち内閣改造へ

2022年08月05日 18時01分45秒 | 第209回臨時国会 令和4年2022年 院の構成
[写真]けさの読売新聞。

 第209回臨時国会は閉会しました。

 米国初の女性(再登板)の下院議長が傍聴。旧統一教会をめぐっては、故安倍晋三元首相・下村博文元文部科学大臣ら清和会との関係で明るみに出る事実に自民党内外が動揺。立憲民主党の馬淵澄夫、共産党の穀田恵二両国対委員長は「国対ヒアリング」を開き、杉田和博率いる「ボスの命すら守れないアホな官邸ポリス」に後ろからさされた、元文科省宗務課長を呼んで公開ヒアリングをしました。臭い壺に蓋をして幕引きを図りたいのか、岸田文雄首相は長崎から帰った来週10日(水曜日)に党役員人事・内閣改造を前倒す意向を固めたとのNHKニュース速報が入ってきました。

【衆議院外務委員会 きょう令和4年2022年8月5日(金)】
  会期末処理で、岡田克也委員らが出席して開かれました。松原仁さんらの「提案」である法案「特定人権侵害行為への対処に関する法律案」(208衆法60号)を継続することを議決し、本会議に上程しました。異論が少ないので、本会議ではこの法律タイトルは読み上げられていません。

【衆議院本会議 同日】
 
[画像]傍聴するナンシー・ペロシ下院議長ら、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 細田博之議長が、ペロシ下院議長が傍聴していると報告し、全員が右上にある本館3階の「外交官席」を見上げました。ペロシさんはとくだん手を振りような行為はありませんでした。日本国民としてはペロシさんが史上初の中国軍の弾道ミサイルを日本EEZに連れてきたとも見て取れますが、米日同盟がある限り、我々の世界が安全であることは自明の理ですから、安心感しかありません。

 清和会前会長の細田さんが安倍晋三さんの弔詞を読む皮肉。この4週間、私は清和会員の涙は猪口邦子さんしかテレビで見ておらず、選挙をゆがめた結果とはいえ、清和会会長が物理的に排除される事態になっても、何の悲哀も示さない現与党議員はこどもたちの教育に悪いと断定するしかありません。

 補正予算では石油元売りへの補助金が9月30日までしかついていませんが、これも閣議決定で予備費から支出できると思います。但し、新閣僚・新事務次官・自民部会長が概算要求を陣頭指揮できる期間が3週間もあるので、敗者復活戦も兼ねた第2次補正予算案の編成・審議を近く岸田さんが表明することはあると思います。

 一方、立憲民主党は旧統一教会で幹部が対立しています。きのう一部メディアが「野党合同国対ヒアリング復活」と報じ、SNSで歓迎されました。が、先週から報道コードが揺れており、きのうの幹事長本部と政調部会の合同の役所ヒアリングは、冒頭は頭撮りができて、その後はペン取材がフルオープンという珍しい格好となりました。そして、きょうは元文部科学事務次官を招き、馬淵、穀田両委員長のもと、田村智子さん、山下芳生さん、宮本岳志さんら共産議員が立憲控室を訪れて「合同ヒアリング」をして、立憲本部公式でもライブ配信されました。が、これからどうするかは立憲の幹部でまだ決まっていません。「提案路線」から脱却するか泉健太代表はていねいにボトムアップで意見を吸い上げているようです。

【参議院本会議 同日】
 尾辻秀久新議長が喪服で登場。元日本遺族会会長だけに言葉の力があるのか、弔詞も参議院の方が印象に残りました。

 「参議院は、憲政史上最も長きにわたり内閣総理大臣の職責をつとめ、我が国民主政治の発展に力を尽くされました、衆議院議員、従一位、大勲位、安倍晋三君の弔逝に対し謹んで哀悼の意を表し恭しく弔詞を捧げます」。

 ところで、尾辻さんが自民党参議院議員会長就任から議長就任まで15年間あいた理由は、自民党総裁選で野田聖子さんの推薦人になろうとして、安倍官邸にはがされた、という出来事があったようです。そうなると、美文の弔意も岸信介から始まる清和会と、田中角栄さんら国土交通・厚生労働重視の自民党保守本流との内紛の始まりのようにも感じられます。

 やや長い暗闘が始まります。日本人が政権交代ある政治を根絶やしにするような投票行動をしてきたことの因果応報です。

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