【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

日テレ「バンキシャ」が玄素彰人・和歌山県印南町長(37)の幼保一体化で「認定こども園」を報じる

2011年04月06日 20時07分11秒 | ルポ)最年少町長さんの誕生(2008年2月)



[画像]玄素彰人・和歌山県日高郡印南町長、2011年2月20日(日)放送の日本テレビ・読売テレビの「真相報道バンキシャ」より。


 月日は百代(はくたい)の過客(かゎかゎく)にして、行き交う(ゆきこお)年もまた、旅人なり。

 東北、おくのほそ道(奥の細道)に旅立つ、芭蕉は、東京・下町の深川でこう詠みました。

 カテゴリー「ルポ)最年少町長さんの誕生」も2年半ぶりの更新となりました。

 さる2011年2月20日(日曜日)の全国ネットはちょっとした「印南町(いなみちょう)デー」でした。

 お昼のNHKのど自慢は、和歌山県西牟婁郡白浜町会場から全国ネット。鐘3つの合格者5人のうち、第1号は印南町民の方でした。

 

[画像]2011年2月20日放送のNHKのど自慢は和歌山県白浜町の体育館から。NHK松本アナウンサーの名司会で、鐘3つ第1号は印南町の「井上さん」でした。

 元々白浜町というのは、ちっぽけな小生にとっては極めて縁が深い国鉄白浜駅(現在のJR西日本白浜駅)からひらけた行楽地であり、かつ、合格第1号が、印南町民の方ということで、このコンビネーションは大変うれしくて、番組終了後に、玄ちゃん、じゃなかった、玄素町長に電話してみました。「おめでとうございます」と半ばふざけ気味に言ったら、「え?」。「のど自慢!」というと、「あっ今日たしか白浜町じゃないか?」とさすがに町長はすばやく気付きました。町長は、県都・和歌山市に出張して、駅伝大会の来賓だということですが、電話しているさいちゅうに、表彰式で使われるおめでたい音楽(♪チャーチャーラ チャーラー チャラチャラチャッチャッチャッー)が外から流れてきて、運の巡り合わせを感じました。そしたら、玄素さんからは「こないだ、日テレの“バンキシャ”の取材を受けていて、きょうの放送で出るかもしれないし、出ないかもしれない」ということで、午後6時からの日本テレビ・よみうりテレビの「真相報道バンキシャ」を見てみました。

 
[画像]真相報道バンキシャ、2011年2月20日放送分、日本テレビ放送網さんの映像からキャプチャさせていただきました。

 この日の「バンキシャ」は放送回数400回記念とのこと。生き馬の目を抜く放送業界で、日曜夜という競争の激しい時間帯で、8年間続いていると言うことで、おめでとうございます。

 さて、この日はアタマの痛い、待機児童の問題ということで、「幼保一元化」や「認定こども園」が話題になりました。以下、当日の放送の画像です。
 
















 番組はまず大阪府知事の橋下徹さん(41)の取り組みを紹介した後、取材班は和歌山県・印南町に渡ります。このエピソードの詳細は、このエントリーの後ろに付けた、日高新報さんや、朝日新聞などの記事を先に目を通して頂ければ分かりますが、バンキシャが印南町に2つある幼稚園、4つある保育所を次々に訪ねると、園長さんは口々に「(2011年3月31日で)閉園になります」と。これは一体どうしたことか、という風情で、バンキシャが町役場の町長室に押しかけると、玄素町長が、すべての町立幼稚園・保育園を廃止して、4月からは、「認定こども園」をスタートすると説明します。

 ここで、詳しい方は、「認定こども園というのは、民設民営ではないの?」と思うでしょう、その通りです。和歌山市に本部がある法人が民設民営で「認定こども園」をスタートするのですが、これは、元々遊休地だった町有地に誘致した格好になります。その町有地が貸与なのか、売却なのか、スタートアップ段階での上屋の固定資産、法人損益への課税はどうなるのか、僕は知りませんし、ジャーナリストとしても、友人である町長にそういう内容を取材したくありません。やはり自治体の中では圧倒的な権限を持つ町長ですから、友人とはいえ、疑われるような付き合いはしてはいけないと自覚しています。ただ、実は、この「認定こども園」に関しては、一つ笑い話があります。認定こども園制度の活用について、玄素町長は就任直後から目を付けていて、所管の文部科学省に話を聞きに行っています。しかし、このときは、文科省は「町長、認定こども園というのは、民設民営だから、自治体は関係ありませ~ん!!」と門前払いされてしまいました。町長の東京出張自体が空振りになりかねず、たまたま私が国会周辺に取材に出かけている時に電話がかかってきて、一緒にコーヒーを飲みながら、国政について情報交換したり、知り合いの国会議員室に遊びに行ったりしました。だから、この門前払いを知っているわけです。印南町では、町長の支持者が「おい、ゲンソ、東京では宮崎君にちゃんと会ってるのか?」と好意的におっしゃってくださる方が多くいらっしゃるそうですから、このエピソードを初めて披露しました。

 3年前は、【最年少首長】34歳・玄素さん、和歌山県印南町長に当選と喜んでいたわけですが、その後、次々と玄素さんより若い首長が誕生しました。小生が旧知で大学2級下の吉田雄人さんも中核市である横須賀市長になり、「密約調査結果」に関して岡田克也外相の訪問を受けたこともありました。正直、若ければいいというわけではないと思いますが、月日は百代の過客のごとく、気付いたときにはあっと言ういうまに去っていきます。

 僕にとっては、5回目のフルタイムでの選挙戦にして、最も壮絶なきつさだった2008年2月の「最年少首長さんの誕生」選挙でしたが、このときは、選挙を闘いながら、選挙事務所から、「仮に当選した最年少首長になりますから、ぜひご取材下さい」とすべての報道機関に電話でお願いしていました。そうすると、かならず「情勢はどうなんですか?」と聞かれるので、「有力だと思いますが、選挙ですから最後まで分かりません」と答え続けたわけですが、最終的には116票差の勝利で、我ながらよくこのような二刀流、連立方程式を成功させた物だと思います。ただ、116票差と言っても、私はこの選挙は「玄素の圧勝」だったと思います。さて、そちらの2つめの目標は、やはり自治体ということで、時事通信の「官庁速報」「カンソク」に玄素印南町長のインタビューが載りましたというのが、全国的にイチバン話題を呼び、「1月にあの巨大自治体の大阪府で、大組織の支援があったとはいえ、弱冠38歳の橋下徹さんが知事になったら、2月には人口1万人未満の印南町で34歳の無所属の元町議が前任町長から後継指名を受けた前教育長(64)との一騎打ちに勝った」ということで、かなり波紋を呼んだようです。

 この「官庁速報(カンソク)」で、新・町長にインタビューをして、記事にしてくださった、時事通信和歌山支局の江藤綾香記者は、元々の所属だった東京本社政治部に帰り、現在は、総理番を含めた政府中枢の取材をしています。

 
 
[画像]菅直人首相との話し合いのために首相公邸に出入りする総理の客人にぶら下がり代表取材をする、江藤綾香・時事通信記者(黄色い服の女性)。2010年秋、NHKニュースから。

 この映像では、首相公邸前に2人の記者しかいませんから、公邸などの警備などの都合から、共同通信社と時事通信社の「ナショナル・フラッグ・ワイヤー」2社の記者が全報道機関を代表して取材する「共同・時事方式」という取材形式だと思います。時事通信記者はえらいのです。

 そして、野党時代に「【夢の対談】新旧最年少首長、改革のバトンをつなごう(前編)



というかっこうで、対談してもらった“現役最年少首長の先輩”の野党1年生議員だった逢坂誠二さんも、政権交代後、首相補佐官を経て、現在は総務大臣政務官として走り回る日々。こうしてみると、3年経って、のんべんだらりんしているのは、僕だけですね、がんばらなくちゃ、まあそのうち僕の出番もでしょう。行き交う年もまた旅人なり。

 「逢坂・玄素対談」の後編にある逢坂さんの「でも、選挙の年になってから、あれこれやるというのは、実力のない首長さんの常です。「選挙イヤーだからやっている」と言われます。「首長は2期、3期やらなければいけない」という人がいますが、だれもそのこと(再選)を保証してはくれないわけで」という言葉はまさに至言だと思います。この言葉は、首長経験者でなければゼッタイに出てこない言葉だと思いますね、「だれもそのこと(再選)を保証してはくれない」。そう言う中では、やはり首長とは孤独だし、裸の王様になるリスクを常にはらんでいる。そう言う中で、前に進んでいく精神力というのは、どこから出てくるのだろうか。その答えは現時点では、僕はまだ言葉で表現できないけど、とにもかくにも、前に進み続けなければいけないんだ。それだけは断言できます。この辺の基礎自治体の首長の心持ちというのも、もう少し、岡田克也さんなんかも分かってくれればいいのになあ、と思っています。せっかく河村たかしさんが基礎自治体の首長になっているんですし。

あす、2011年4月7日(木)、認定こども園の「いなみこども園」は、第1回目の入園式を迎えます。行き交う人もまた旅人なり。


[写真]宮崎信行(筆者)と玄素彰人さん、1995年ごろ、新進党東京第11総支部内で。

 僕もがんばらないとね。

  ◇ 

 和歌山県日高郡印南町の玄素彰人町長(37)は2011年3月14日、印南町議会(藤本良昭議長、堀口晴生副議長)の平成23年(2011年)第1回定例会の一般質問で、西山徹議員の質問に答え、2012年1月ないし2月に施行される次期町長選に「町民はじめ関係各位の協力で200以上の事業と事業改善ができたが、さらにそれらの政策を発展、また経過を見守る意味でも次期町政を担当させていただきたい」と述べ、再選出馬する意向を表明しました。

 同町長選への出馬表明は、玄素さんが初めて。

 自らが組んだ平成23年度予算(2011年4月1日~翌年3月31日)をしっかり、きっちり最後まで執行する、との考えに基づきます。町長は「この3カ月で、区長連絡協議会はじめ各区や団体から多くの出馬要請をいただいた。このことは3年間の行政運営に評価いただいたものと考えており、そのほか諸条件も整いつつあります」「自治体行政を取り巻く環境は非常に厳しいが、不撓不屈の精神で立ち向かいたい」と述べました。紀州新報さん、日高新報さん、紀伊民報さんの地元3紙が伝えました。紀伊民報さんは「現在のところ、対立候補を立てる動きは表面化していない」、日高新報さんは「いまのところ対抗馬のうわさは出ていない」と報じていますが、まだまだ、どうなるか分かりません。油断大敵です。

玄素町長が立候補表明 印南町長選 - AGARA紀伊民報

 和歌山県印南町の玄素彰人町長(37)は14日、町議会3月定例会の一般質問で、来年早々に行われる町長選挙について、立候補する考えを表明した。西山徹議員(無)の質問に答えた。

 玄素町長は出馬表明の理由について「町区長連絡協議会をはじめ、各区や団体からの出馬要請をいただくことが多くなってきた。次期町政を担当しようと決意する上で非常に心強く感じるとともに、3年間の行政運営に対して評価をいただいているものと考えている。諸条件も整いつつあり、町長選に立候補したい」と述べた。選挙で掲げる公約については「後援会や町民の皆さんの意向などを聞かせてもらいながら、しかるべき時期に公表させていただきたい」と話した。
 同町選挙管理委員会によると、町長の任期は来年2月23日までで、選挙は1月か2月を予定しているという。現在のところ、対立候補を立てる動きは表面化していない。

印南の玄素町長 次期町長選出馬を表明 日高新報

 印南町の玄素彰人町長(37)は14日に開かれた3月議会一般質問の中で、来年2月23日任期満了に伴う次期首長選について、「立候補したいと考えている」と正式に出馬を表明した。いまのところ対抗馬のうわさは出ていない。

 西山徹議員の「次期町長選への出馬の意向」に対する答弁。玄素町長は「町民はじめ関係各位の協力で200以上の事業と事業改善ができたが、さらにそれらの政策を発展、また経過を見守る意味でも次期町政を担当させていただきたい」と意欲。「この3カ月で、区長連絡協議会はじめ各区や団体から多くの出馬要請をいただいた。このことは3年間の行政運営に評価いただいたものと考えており、そのほか諸条件も整いつつある」として、出馬を表明した。最後に「自治体行政を取り巻く環境は非常に厳しいが、不撓(ふとう)不屈の精神で立ち向かいたい」と決意を示し、公約については「後援会や町民の皆さんの意向を聞かせてもらい、公表したい」と話した。

 3年前の町長選では、玄素町長が新人同士の対決を3394票対3278票と、116票差で制した。

いなみこども園の園舎お披露目 - 日高新報

 4月に新しく開園する印南町の認定子ども園 「いなみこども園」 の完成した園舎が13日、 入園する園児や保護者にお披露目され、 木の香りとぬくもりあふれる真新しい施設が好評をだった。

 同園で開かれた入園説明会に出席した保護者と園児が、 園舎内を自由に見学した。 教室や遊戯室、 廊下の床には紀州材がふんだんに使われ、 玄関に入った保護者は「いい香りがする」とにっこり。園庭側はすべてガラス張りで、日の光がいっぱい差し込み、室内の明るさや暖かさを体感していた。 子どもたちも大はしゃぎで、うれしそうに走り回る姿がみられた。 印南から参加した浜本安庸さん(43)は、「木のぬくもりがあっていい印象。 緑の芝生が生えそろえばまた雰囲気が変わるでしょうし、 子どもたちが喜んでいるのが何より」 と笑顔で話していた。

 説明会は昼と夜の2回開かれ、 合わせて240人が参加。 運営する和歌山市の社会福祉法人しょうぶ保育園の木村正直理事長や町教育委員会らが園生活について説明したほか、 新しい職員の紹介もあった。 保護者からは制服や持ち物についての質問が相次いでいた。 教育委員会では 「施設を見てもらって好評だったし、 新しいスタッフに安心してもらえたと思っています」 とし、 4月7日の入園・開園式に向けて準備を整えていくとしている。

 ◇

[朝日新聞・2010年6月18日付 大阪地方版/和歌山 31ページから引用はじめ]

県内初、民設民営こども園 印南町立の5幼保統合、来春開園目指す /和歌山県
2010.06.17 大阪地方版/和歌山 31頁 和歌山3 写図有 (全600字)  

   印南町内にある五つの町立幼稚園・保育所を同町山口の町有地に統合、一元化する認定こども園の起工式が15日、現地であった。建設、運営するのは和歌山市の社会福祉法人「しょうぶ保育園」(木村正直理事長)。町教委によると、民設民営方式の認定こども園は県内初という。来年4月の開園を目指している。

 町内には公立の幼稚園が2カ所、保育所は3カ所あるが、老朽化で耐震性に不安を抱える施設が出ていることなどから、町は幼保一元化を進めることを決定。民間の方が施設の建設費や運営費を抑えられるとして設置・運営する法人を募集していた。

 町内の教育関係者や保護者らでつくる選定委員会の審査の結果、しょうぶ保育園が選ばれた。同保育園は1974年の設立。和歌山市吉礼で保育所を運営し、6月1日現在、0~6歳の子ども154人が利用している。

 施設は鉄骨平屋建て、延べ床面積約1600平方メートル。0~5歳児の各保育室や屋内遊戯場などがある。園庭は芝生を植え、大型遊具や砂場などを備える予定。施設の名称は今後、公募する考え。

 約8600平方メートルの敷地は町が無償提供。建設費は基本的に半分が県の基金、4分の1を町が補助する。また運営費の半分程度を町が補助する予定。

 起工式には、印南町やしょうぶ保育園などの関係者約40人が出席し、安全を祈願した。着工は7月の見通し。(紀伊民報) [引用おわり]



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