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[写真左は民主党衆院議員・逢坂誠二さん、右は和歌山県印南町長・玄素彰人さん]
前編からの続きです。
玄素 当選前から、お金(マネー)の流れを知るということが町政の流れを知るということだと考えていたので、「1円以上決済」をすぐに役場に実施してもらいました。
そうすると、8割から9割が自分がイメージしていたとおりでした。が、ただ1割前後の未決裁書類の中には、「いやあこんなのほっておいたのかって!(いう歳出が含まれている)。もうビックリですよ」(笑)。
でも、「ああ、あの職員はあの人の親戚だからなあ」と考えると、だいたいどういうことかは分かってきます(苦笑)。
逢坂 選挙で歩いているから、だいたいのことは分かるよね(苦笑)。だから政権交代があるのはいいことなんだよね。
玄素 先日は、町会議員さんが「分かりやすい予算書のコピーだ」というのを手に持って、(職員に)「ほら見ろ、(印南町はこれから)こんな予算書をつくるんだぞ」と言って歩いていた議員さんがいましたけども。表紙を見たら「ニセコ町予算書」と書いてありました(笑)。
[活躍の場は広がっても「本籍地はいつも地方自治」]
[町長としての日常業務も板についてきた(紀伊民報)]
逢坂 それと、老婆心ながら(4年間という)時間は短いですよ。
玄素 はい。
逢坂 (町長就任直後の)今年度=平成20年度というのはある種、つぶしの期間ですよ。21年度からやっと魂が入った仕事ができるわけですよね。でも、21年度(予算)から町長がやりたいすべてのことが即実現するわけではないわけで。
そうなると、勝負は22年度(予算)にどれだけのことをやるかということだと思うんですよね。それで、たぶん、23年度は選挙の年でしょう?
玄素 はい。
逢坂 でも、選挙の年になってから、あれこれやるというのは、実力のない首長さんの常です。「選挙イヤーだからやっている」と言われます。「首長は2期、3期やらなければいけない」という人がいますが、だれもそのこと(再選)を保障してはくれないわけです。
あっという間ですよ。予算編成なんてできそうでいて、簡単にできないですよ。(税収難の)今の時代だから、町長には何ひとつ権限がないと思ったくらいがいいかもしれない。
玄素 はい。
逢坂 あれ、(印南町の)財政はどうなんですか?
玄素 和歌山県内では2番目か3番目かに良いんですよ。
逢坂 ああ、それは良かったですね。
玄素 ただし、過去の町長が生活インフラなどに投資していなかったっていう逆の意味で怖い面もあるんです。が、借金がかさんで(周辺自治体と)合併せざるを得ないという状況には今のところなっていません。
逢坂 〔身を乗り出すようにして〕 ああ、それは良かった。
玄素 内部改革で、2000万円から3000万円の経常経費の削減を就任後の3ヶ月で(検討を)やっているんですけど、(向こう)10年~15年間はまあ(合併しないでも財政的に)やっていけると考えています)。
万が一、合併の話が持ち上がっても(印南町としては)財政的に有利な状況で交渉できます。まあ、上から道州制の枠がはめられてくればどうなるかは分かりませんが。
逢坂 財政の調子が良いって言うのは、そりゃまあ、いいですなあ。
玄素 これまでは、ひも付き補助金といえばひも付き補助金なんですが、交付税償還のいいような事業を選択して、単独事業をほとんどやってなかったんですよ。(国・県の支出が多くて)町の支出が少ない事業を選択していたようなところがあってその辺は(財政抑制策としては)しっかりやっていたと思います。
逢坂 あと、職員の資質を上げるって言うのが非常に重要だよね。最終的には自分に返るだけでなく、将来の遺産として残りますからね。
玄素 何をすれば効果的なんでしょうか? 5000万円、1億円の経常経費の削減をやっていく中で、職員にお金に対する意識を持ってもらうことが大事だと思っています。
そこで、逢坂さんに教えて頂きたいことがあるんです。私は職員の研修制度にかかる予算は2倍~3倍にしてもいいと思っています。逢坂さんは職員研修はどのようにやられましたか?
逢坂 3つあって①座学②交流③実践です。
座学は地域づくり活性化センターで「悉皆研修(全員研修)」をルール化しました。
交流というのは、組織の中に異物を入れるというもの。同じ文化の中にいる人は外の世界の人を知らない。交流には「行く交流」と「入れる交流」がありますが、一番いやなのは海外の研修生を町に受け入れることです。これはめちゃくちゃ面倒ですよ。
たとえば、僕の頬の中のタンパク質をヘラでとって、他人の体に飛ばせば、タンパク質は拒絶する。タンパク質だって「自己」と「非自己」を分けるでしょう。
でも、それが新鮮で、やがて研修生を受け容れていく。そうすると、翌年には「なんだ今年は研修生いないの?」って言われるようになってくる。これは大変な変化ですよ。異物を入れると恒常的に異物を求めるようになってくる。
玄素 〔メモを取る手を休めずに〕はい。
逢坂 「実践」というのはプレゼンテーション能力ですね。怒られるという能力も必要かも。実践からモノを学ぶ。ただし年長の職員だけでなく、全世代がやらないと。何とかなるものですよ。研修計画書をつくった研修と、自主的に手を上げた職員が受けられる研修を上手く取り合わせれば、職員のパワーアップにつながります。
町長である自分が分かっていても相手に分かるとは限らない。だから私は時には、職員への指示は黒澤明の絵コンテのようにイラストも入れて具体的に紙に書いて渡してましたよ。そうすれば具体的に手取り足取りやっていける。そういう職員が周りに入ることが大事。
[参考資料=黒澤明の絵コンテ]伊万里市のホームページ(http://www.city.imari.saga.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1181119719720&SiteID=0&ParentGenre=1000000000134)から部分的にお借りしました。
玄素 そうやって足腰の強い自治体をつくっていくのは大変な苦労ですね。
逢坂 そうですね。
玄素 ・・・
逢坂 でも、まあ・・・なんとかなるもんですよ(笑)。
玄素 [ホッとした表情で]ぜひこれからも教えて下さい。
逢坂 もちろんです。さて函館行きの飛行機に乗らないといけないので、出ます。いつでも寄って下さい。
玄素 きょうは本当にありがとうございました!
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2007年10月24日付民主党代表、札幌から全国行脚スタート 候補擁立記者会見
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カテゴリ 最年少町長さんの誕生(2008年2月)←告示前から当選後までつぶさに記録しました!
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2月27日付【思い出写真館】
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