【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

日本初のネクスト首相、田辺誠さん帰天 政構研で政権交代ある二大政党政治に礎 羽田孜内閣で筋通す

2015年07月03日 09時22分58秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして

[写真]田邊誠・初代ネクスト首相、衆議院永年在職議員、社会福祉法人恵風会ウェブサイトから。

 日本で初めて「ネクスト・キャビネット(NC)」をつくり、シャドウ首相に就任した、田辺誠元衆議院議員がゆうべ2015年7月2日夜、前橋市で、帰天されたことが報じられました。

 93歳。前橋市市出身。

 心より哀悼の意を表します。

 明治36年(1903年)に創設された、キリスト教系養老施設「社会福祉法人恵風会」を経営する親の下、生まれ、群馬県議を経て、衆議院議員に。

  第29回衆院選で初当選し、第31回~第40回まで、通算11期。衆議院永年在職議員。

 最大野党に属し、政権交代ある二大政党政治のため、「政権構想研究会(政構研)」を結成。

 国際観、時代観にすぐれ、冷戦崩壊を見越し、「日本社会党」の名刺の裏に「Social Democratic Party of Japan」と最初に入れ、政権を目指しました。

 考え方の違う、「社会主義協会」所属の土井たか子党首を支えました。

 平成元年の参院選で改選第1党を勝ち取り、この日以来、参議院はハングパーラメント(宙ぶらりん議会)が続いています。

 土井党首の辞任により、最大野党党首(The opposition leader)に就任。英国議会に範をとり、「シャドウ・キャビネット(現在のネクスト・キャビネット)」を日本で初めてつくり、日本初のネクスト首相に就任しました。現在は岡田克也さんがつとめています。

 後任の山花貞夫さんネクスト首相が第40回衆院選で、ついに政権交代。リアル首相は細川護熙さんに譲り、山花リアル政治改革担当大臣らが入閣しました。

 一方、同じ党の群馬県連のライバル、山口鶴男衆議院議員は、自民党と裏でつながり、羽田孜内閣を裏切り、村山富市内閣をつくり民意を転覆させ、山口鶴男国務大臣・総務庁長官に収まります。一方の田辺さんは信義を守り、入閣せず、その期で衆議院を去りました。

 引退後は、恵風会理事長を終身つとめました。そのかたわら、民主党群馬県連顧問をつとめ、2009年の再政権交代の精神的支柱となりました。

 私自身、人となりを存じ上げる立場にありませんが、「大臣ごっこ」と自民党やマスコミに揶揄されながらも、1993年、2009年、2012年の政権交代ある政治を作り上げた立役者です。

 衷心より哀悼の意を表します。

 以上



最新の画像もっと見る

コメントを投稿