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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

新進党解党からきょうで四半世紀、新事実発覚、集団的自衛権は小沢グループ「合憲」岡田克也「違憲」で北側一雄氏「解釈改憲」

2022年12月27日 08時12分43秒 | 小沢一郎氏による解党ビジネス
[写真]岡田克也衆議院議員、8年前の2014年、埼玉・所沢で宮崎信行撮影。

 新進党解党からきょうで四半世紀となりました。

 奈良市民が前夜に発砲音を聞きながら誰も通報せず、翌日の安倍晋三首相暗殺につながりましたが、25年前の今ごろの日本国民も奈良市民のような傍観者でした。

 新進党に関する新しい事実がこのほど発覚しました。

 新進党で坂口力外相、岡田克也、東祥三両ネクスト副大臣のうち、小沢一郎グループの東さんが集団的自衛権は合憲だと主張し、当時すでに保守系若手を代表する存在だった岡田さんが違憲だと主張し、「党憲法調査会」が紛糾。このときの議論を見ていた北側一雄さんが「刑法36条急迫不正の侵害事実があれば合憲だという閣議決定での解釈改憲」の手法をその18年後に採用していたことが分かりました。

 阪神大震災後の新進党参院選対象に危機感を持った野中広務・亀井静香両自民党衆議院議員による「地下鉄サリン事件をおこしたオウム真理教と同じ宗教法人である創価学会がリードする新進党」という大げさなネガティブキャンペーンに世論は大山鳴動。1970年だからおよそ20年間テレビ新聞で「創価学会」の固有名詞は報道されていませんでした。

 が、新進党のセンセイ方は多少高をくくっていたのでしょう。政策論争に没頭。1996年の通常国会では「住専に税金を使うな」で政府予算修正。さらに日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインを前に野党の考えを発表するために憲法論争になりました。

 外務部会で、東さんは小沢党首の代弁者として「日本国憲法と国連憲章はよく似ている。国連決議に基づく多国籍軍の活動での武力行使に違憲判決が無い以上、集団的自衛権は合憲だ」という趣旨の主張を展開しました。

 岡田さんは「なぜ憲法が武力行使に慎重なのかという本質論を踏まえるべきだ。それは先の戦争に対する深刻な反省だ。9条の解釈で集団的自衛権まで認めるのは解釈論の限界を超え、9条の完全な空洞化を招く。有事の際の米軍への後方支援は、国連決議があればかなりの範囲で行えるのではないか」との論旨を展開。

 その後、憲法調査会で山口那津男さんは「集団的自衛権の行使については必ずしも多数意見になっていない」などと反論。

 創価学会出身で小沢グループの東さん、現公明党代表の山口さんも割れていたことになります。

 ところで、ここで重大な歴史の皮肉があります。「鳩船新党」改め「鳩菅新党」と呼ばれた1996年民主党は「護憲の野党第1・2党が必要だ」が最大の結党の精神ですが、小沢党首は「合憲だ」と言っており、憲法改正は主張していません。自公民でPKO協力法を「普通の国」論で仕上げた剛腕が、憲法改正を主張するわけがなく、法的に24年間続き3年間総理もやった1996年民主党は、誤解から結党された政党ということになります。なんとも政治の不条理を感じます。

 創価学会の固有名詞は、2000年ごろから読売新聞社長の渡辺恒雄記者と創価学会の交渉で新聞で使えるようになりました。ですから25年ほど新聞からは消えていたことになります。

 そうすると、統一教会も25年ほどの「不在」があったわけですが、「自民党イコール統一教会だ」というネガティブキャンペーンに国民が大山鳴動する気配はありません。私は日本人が進歩したとは思いませんが、香港、台湾に次ぐ大学進学率を誇る日本ですから、隠されていた情報が明るみになる「ディスカバー」への恐怖心は薄らいできたのかもしれません。

 新進党解党25年。民主党下野10年。心の慰めは、希望の党騒ぎは5年以上前なので、民主下野の10年の中では古い方の5年に入ります。政権交代ある政治の復権はまだ10年以上はかかりそうですが、政策論争とそれをしのぐピーアール能力があれば、立憲民主党衆議院単独過半数政権の樹立は十分に可能だと思います。

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