
[写真]とくだん関係ありませんが、写真は、参議院の事務局などが入る、参議院第二別館、東京都千代田区永田町、2015年、筆者・宮崎信行撮影。
【参議院予算委員会 平成29年2017年1月30日(月)】
補正予算案(平成28年度第3次補正予算案)の趣旨説明が行われ、ただちに、総括質疑がありました。開催中に自民党、民進党の国会対策委員長が、あすの本会議成立で合意しました。
昨日から今日にかけて発表された世論調査で軒並み政党支持率を下げた、民進党の蓮舫代表。本会議に続き、委員会でもトップバッターになりました。
蓮舫さんは、自民党憲法改正草案や法案の提出状況についてただしました。
大塚耕平さんは、第1~3次安倍内閣の外国への支援表明の総額について答弁を要求。岸田外相は「足し上げると、54・3兆円だ」としました。安倍総理はあわてた表情で答弁席に向かい、「一般会計からの歳出は2・8兆円だ。さきほどの数字には、国連で難民支援の支払いをするとプレッジして(支援の約束を表明して)、その後に、ヨルダンで同国分の支援をプレッジした分が重複している。民間資金も含まれている」としました。私は、ODAや円借款に、財政投融資がどのくらい含まれているのか気になるところです。
大塚耕平さんは、高橋是清蔵相の財政(タカハシコレキヨノミクス)について質問。現在の日本銀行が持つ日本国債を、無利子永久債に交換する構想について、麻生財務相は「無利子永久債にすると、国債の信頼が下がり、金利が上がるかもしれない」との懸念を示しました。
続いて、自民党の片山さつきさんが自動車産業の支援を受ける立場から、トランプ新大統領が自由貿易協定などで為替操作国に是正を求める構想を示していることに言及し、「第二のプラザ合意のようになる。日米交渉の最重要課題は為替だ」と語りました。
大塚さんから片山さんにかけて、日銀出身から財務省出身へと、たまたま、続きました。私はやはり両人とも、出身母体の影響というのはあるのだな、と感じました。
自民党の中泉松司さんが飛びぬけて大きな拍手のなか登場し、「きょうは、蓮舫代表、論局の福山哲郎議員、片山政調会長代理の後に私のような者でいいのかな」と思うと語り、「大丈夫」との同僚の声を浴びました。中泉さんは「私たち平成25年(2013年の第23回参院選)初当選組は参院選を、国益のためにたたかう、と語って当選した者が多い。ただ、TPPに関しては、主食用米などでしっかりと交渉できていて、国会承認も取り付けていただけに、発効しないのは、残念に感じる」と語りました。
中泉さんは午後4時過ぎに登場し、「早速ハプニングです。雪害について質問したいのに、菅官房長官がいません」と、内閣記者会の定例午後4時の記者会見のために官邸に行ったことに当惑。菅長官が戻ったところで、「雪害について、秋田県出身の菅長官に聞きたい」としました。
中泉さんは、秋田県選出の37歳。昨夏の参院選では、東北地方で、自民党は秋田選挙区(現職の石井浩郎さんが再選)だけ当選しました。その危機感から、次で改選の中泉さんが登場し、「東北、東北」を連呼し、「秋田県出身の官房長官」に質問したようです。参議院自民党は独自の選挙対策本部を持っていますが、その配慮から、2年半後を見据えて中泉さんにテレビ入りで質問させたわけですし、そこで、「秋田出身の官房長官に質問」となったわけですが、参院選に関してはいかんせん、吉と出るか凶と出るか分かりません。ただ一つ言えるのは「東北は全員民進党」というような気持ち悪い選挙結果でなく「一人は自民党」という選挙結果をつくった東北は、日本人らしくないけど、日本のことをよく考えている人たちだと感じます。
山本一太委員長が「残余の質疑はあす行うこととし、午前9時から開会するものとして、本日は散会します」と宣言しました。
【衆議院】
審議はありませんでした。
この記事の本文は以上です。
(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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