goo blog サービス終了のお知らせ 

ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

◎岡田幹事長が「米国債は売らない」と断言

2009年08月05日 00時38分26秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代



 民主党幹事長の岡田克也さんは4日放送のBS11「インサイドアウト」に出演しました。このなかで、

 「米国債を売るという選択は当面ない」と断言。

 「ずっと持ち続けるという前提」だと話しました。

 「当面」と付け加えたのは政策判断の手足を縛られないためであって、事実上100%ないという意味合いにとっていい、と僕は思いました。

 米国債について、
 「含み損もある(から売れないという側面もある)が、」としながら、それも含めて、内外金利差による運用益も期待できるとの認識を示しました。

 外為特会(外貨準備高)はおよそ100兆円で、その8割以上が米国債とみられます

 財務省所管の外為特会(外国為替資金特別会計)と財投特会(財政投融資特別会計)は「毎年コンスタントに運用益が出ている」とし、“埋蔵金”として、子ども手当などの財源に活用する考えを示しました。財投特会は運用利殖金収入というのが4兆2500億円ありますが、僕は財投特会に関しては不勉強です。

 外為特会の運用益3兆3000億円は、ストックではなく、フローのお金ですから、毎年、必ず出てきます。外貨準備高を取り崩さなくても、毎年、毎年、3兆3000億円がドンドン出てきます(^_^)v

 平成21年度特別会計書の171ページ~173ページによると、財務省は今年度3兆3000億円近くの運用益(利子収入)を見込んでいます。外為特会すなわち外準の8割以上はドル建て米国債だとされています。

 ちなみに、この米国債のほとんどは市場で流通している30年物とは違い、アメリカ財務省と日本財務省間の帳簿上のやりとりだけで、証券は存在しないようなんです。自民党54年長期政権が伏魔殿に隠した、ベールに包まれた存在です。

 とはいえ、外準取り崩し、すなわち米国債大量売却は金融市場を混乱させます。また、日本とアメリカは同盟国でありながらも、対等な関係ではなく、米国が上、日本が下の立場であることも現実として認めるべきでしょう。

 外為特会の予算書を見ると、歳入(収入)が3兆4197億円ありながら、歳出(支出)は1兆6431億円しか計上されていません。

 実に人を馬鹿にした“帳簿”です。民間企業がこんな申告をしたら、同じ財務省敷地内にある国税庁が飛んできます。この外為特会の歳入と歳出の差額(1兆7000億円)はどこに消えているのでしょう? 仮に政権交代したら、民主党大臣が乗り込んで、金庫を開け、情報の把握につとめないといけません。

 ◇

 岡田さんは同番組で、全国10カ所で開いているマニフェスト説明会での意見について、「謙虚に耳を傾けて」、最終版マニフェスト(8月18日公示日以降に配布可能)に反映させる考えを示しました。が、マニフェストが大きく変化することはないとしました。

 ◇

 岡田さんは「官僚はけしからんが、族議員はもっとけしからん」、「大臣よりも族議員の方が影響力があり、中には元首相もいる」と述べ、脱官僚よりも族議員を退治する必要性も指摘しました。鳩山政権の政権構想の原則2「政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ」です。族議員の退治で、「官僚はホッとするんじゃないですか」としました。小沢一郎さんらがスローガンとして訴えている“霞が関解体”について、民主党幹部の一人として、霞が関操縦のバランスをとった発言でしょう。

 岡田さんは最近の例として、石破農相が減反選択制を主張しながら話が消えたのは、農林族議員のせいだと指摘しました。麻生首相が「幼保一元化」を唱えたのに頓挫したのも文教族の影響力があるとの認識を示しました。

 麻生首相は文教族議員ですが、文教族のドンは森喜朗元首相(石川2区)です。自民党政治は、首相よりえらい族議員が決めていると批判したのだと、僕は感じました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自公の嫌がらせは各種団体会... | トップ | 石川2区・田中美絵子さんの... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。