
[写真]武田信玄像、当家蔵、筆者撮影。
共同通信の世論調査(14日~16日)によると、選挙区で41・3%、比例区で38・7%が投票先を決めていないようです。
産経新聞・フジテレビ終盤情勢では、東京選挙区(定数5、20名立候補)で「有権者5割以上」が投票する候補者はおろか、政党すら決まっていないそうです。
ただ第22回参院選に関する明るい選挙推進協会の事後調査(リンク先、PDF http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2012/07/22sangaiyo.pdf)によると、前回のこの時期もほぼ4割強が投票先を決めていません。事後調査に回答者に限った投票率は79・3%だったので、それを補正すると、投票者のうち、きょうと同じ「残り5日間(投票日含む)」の段階で35%は決めていませんでした。そして、投票者の8・7%は、「当日」に投票先を決めています。
[画像]3年前の参院選で投票先を決めた日、明るい選挙推進協会、第22回参院選調査結果から。
自民党員は、向こう3年間、あるいは政権運営を持続的にやっていく方法を考えなければなりません。しかし、政権交代ある政治で、民主党側の衆参議員に閣僚経験者が増えたことから、逆に自民党では入閣待望組が渋滞する状況になっています。
参議院自民党では、当選3回18年務めた鈴木政二さん、谷川秀善さん、松村龍二さんが閣僚経験のないまま不出馬、引退します。とくに、国会対策に汗をかいた鈴木さんが閣僚経験なく引退するとは驚きです。
第23回参院選に出馬している自民党の現職でも仮に当選すれば4期生の橋本聖子さん、世耕弘成さん、武見敬三さんが未入閣です。
仮に当選すれば3期生になる有村治子さん、大江康弘さん、愛知治郎さん、伊達忠一さん、松山政司さん、吉田博美さんらも閣僚予備軍になります。3年先輩になる非改選3期生は7名いますが、岩城光英さん、脇雅史さんらだれも入閣していません。
衆院経験者では、仮に当選すれば、現職の衛藤せい一さん、衆院元職の木村義雄さん、金子善次郎さん、あるいは非改選の金子原二郎さんが閣僚待望組にひしめいてきます。
で、それに先立ち、自民党員にわかってほしいのは、衆院の現状です。
連続当選8回生の山口俊一さんはいまだ財務副大臣。宮地和明さんも8期生です。
衆院7期生では、坂本剛二さん、山本公一さんの2名が未入閣。
衆院6期生では、河野太郎さん、平沢勝栄さん、山本幸三さんら16名が未入閣です。
衆院5期生では、小渕元国務相(現財務副大臣)、新藤総務大臣、小野寺防衛大臣が入閣しているのに、22名が未入閣。
衆院8期生と言えば、民主党では岡田さんが副総理、外相を経験しましたが、同じく連続当選8回の山口さんは党の要請で比例転出した経験もあるのに未入閣で、財務副大臣です。5月14日の衆院本会議で「それでは、お許しをいただきまして、私の方から答弁をさせていただきたいと思います」と異例の副大臣答弁を果たしました。周りが気をつかっているようです。財務省の大臣は首相経験者、相方の副大臣は閣僚経験者です。が、意地悪く言えば、当選5回39歳の小渕副大臣と同格におしとどめられているという見方もでき、本人がもっても周囲にひずみができるかもしれません。
6期生の「河野太郎・平沢勝栄・山本幸三」トリオは、自民党の強さの象徴です。が、この3人を同時に入閣させるとすると、どういう配置がありえるでしょうか、ありません。1人ずつ1年間ずつ閣僚を経験させるために、内閣改造を繰り返すのでしょうか。 6期には、木村太郎さん、小此木八郎さんら首相側近グループもいて、バランスは難しい。
つまり、大量に「自民党国会議員経験者」をつくってしまうと、3年間で内閣改造を繰り返しても、全員は入閣させらない状況になります。大臣になりたくない議員もいるでしょう。しかし、「大臣になりたくない」のなら、何が目的で国会議員になろうとしたのでしょうか。各種団体の利益の用心棒になるためでしょうか。
一方、複数区で当落を争っている民主党公認候補は、いずれも大臣未経験者です。それでいて、ほぼ全員が副大臣・政務官経験者です。年齢も若い。そして、6年前は野党だったので、野党の間に大臣になりたいと言い出す候補者は後援者はいません。
自民党員は、自民党政権を少なくとも3年間、持続可能なものにするのならば、ここで敵に塩を送る。比例区は民主党公認候補に投票する。そうすると、閣僚待望者、副大臣待望者、政務官待望者を多少選別して置いた方が自民党政権は長持ちすることにつながります。やはり、皇居に参内すると、並び順や、服装コード、大先輩の勲章などをみていると、大臣・副大臣や、国会の委員長になりたくなるものなんですよ。
しかも、自民党の閣僚待望組はすでに60歳を超えている人が多いです。参院大勝なら安倍内閣は内閣改造圧力に立ち往生するでしょう。安倍晋太郎さんを若死に追いやったそういった自民党内のストレスは、民主党に分担させてしまう。 敵に塩を送ることで、上杉家は、五大老になりました。米八俵の精神とは、自民党をあまり勝たせないことです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます