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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

もはや労働貴族ではない!連合が9産別候補をホームページで統一、「働き方国会」の即戦力だ!

2013年07月04日 20時12分55秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

[写真]第23回参院選で出陣した9産別の各民主党公認全国比例候補、連合フェイスブックページから。

 もはや労働貴族でありません。

 連合(日本労働組合総連合会)は、構成組織の9つの産別(産業別労働組合)が擁立した第23回参議院議員通常選挙の全国比例候補者(すべて民主党公認)の全員の出陣のようすを1枚にまとめた写真をフェイスブックに載せたり、9人の情報を1ページに集約したホームページを立ち上げたりしました。

 これまで民主党内にも、産別候補の選挙運動は産別に任せっきりにする雰囲気がありました。しかし、組合員の民主党離れが進んでおり、インターネット選挙運動解禁にともない、情報を統一させた物と見られます。まさに連合の連合たるゆえんです。 

 

 日本の労働運動の発祥である繊維産業の労働組合「全繊」の流れをくみ、100万人を超える組合員がいるUAゼンセンの川合孝典・参議院議員。ホームページのインタビューでは、「政治家をめざしたきっかけ」は「突然、白羽の矢が当たりました。」とのこと(苦笑)。イオン労働組合、産経新聞労働組合も参加している「UAゼンセン」では、非正規雇用者の組織化が進んでいます。正社員が非正規雇用者の仕事ぶりをしっかりとチェックするシステム。その情報は、川合さんを通じて国会に届けることができます。

 
 自治労の相原久美子さん。6年間はトップ当選。1期目ながら、参議院内閣委員長です。先の通常国会で、森まさこ男女共同参画相が、蓮舫・元大臣から厳しい質問に興奮してしまい、どういうわけか「出産」という言葉と「流産」という言葉を取り違えて答弁し続ける混乱がありましたが、相原内閣委員長は、「大臣、大臣、質問に答えてください」としっかりと両者をフォローしていました。参議院議員のあるべき姿です。あの広い北海道をまとめる力もあります。

 
 自動車総連の磯崎哲史さん。(崎の「大」は「山」)。新人です。連合ホームページでは「(座右の銘は)辛いときこそ笑顔を絶やさない」「(政治家をめざしたきっかけは)これからも、私たちは今の職場で働き続けられるのだろうか」との心配。日産労連から12年ぶりに参議院への代表。ゴーン・ショックを知っている磯崎さんの言葉の重みに期待したい。

 
 家電メーカー労組など電機連合の石上俊雄さんも新人です。国会でやりたいことは、「まずは、雇用の安定に繋がることに取り組んでいきたいと思います」。


 日教組の神本美恵子さんは3選をめざします。与党で政務三役も務めました。



 轟木利治・参院議員は基幹労連ですが、今回候補者をたてないJAM(ジャム)も応援しています。ものづくりの現場の代表です。構造的に、労働災害も多い業種ですが、労働者の魂の叫びを、静かに木訥に、国会に届けられる候補者です。


 JP労組の定光克之さんは新人です。3年前に続いての擁立で、JP労組の統一(旧全逓と旧全郵政)も完成でしょう。連合ホームページによると、「郵政の民営・分社化で実感しましたが、地域社会の疲弊はひどい状況です。」とのことです。


 情報労連の吉川沙織参院議員。2期目に実現したいことは「誰もが政治に思いを託して頂ける環境の実現、望めば誰もが夢と希望、誇りを持って働くことの出来る環境整備、健全な情報通信産業の発展。」と盛りだくさんですが、まあ手堅く出来る人でしょう。


 電力総連からは新人の浜野喜文さん。毎回優秀な成績で国会に代表を送り届けている電力総連です。今こそ、正念場です。

 こうして、連合の9産別候補は、すべて民主党の公認候補です。

 民主党は第23回参院選で、「与党・自民党のバックアップ政党はどこか?」という問いに答えなければなりません。それは民主党であって、断じて共産党ではありません。「非自民・反共産」の政権担当能力のあるバックアップ政党として足腰を鍛えないといけません。

 この「非自民・反共産」とは、連合の初代会長、山岸章さんが打ち出した概念で、細川連立内閣はその考え方によって、「非自民・反共産」の各党の連立によって実現した政権交代です。





[画像]1989年の連合統一大会と、あいさつする山岸章・初代会長、「友愛会から連合へ 日本労働運動の100年」から、友愛労働歴史館で販売。

 平成元年の連合統一大会であいさつする山岸章さん。

 この「非自民反共産」という比較的シンプルな旗印の下に、「民主中道勢力の結集」を図ったのが、民主党です。そのため民主党は「寄り合い所帯」であるとの指摘はその通りです。また、その過程で、公明党が外に漏れてしまうハプニングもありました。

 そして、山岸さんは社会党員だったのですが、社会党大会に出席しようとして、ベルリンの壁崩壊を理解できていない社会党員に背広を破られてしまったことがありました。それでも、山岸さんは自分の信念を貫きました。平成25年。連合は、自民党からも、民主党からもデートに誘われる人気者になりました。山岸さんの背広をびりびりにした社会党は完全消滅しました。わずかな違いが存亡を決するとはこのことです。

 9産別の候補者がいる政党が、民主党以外にいるでしょうか。ありません。

 そして、それこそが、民主党が唯一自民党に取って代わって政権を担当する時期もある、二大政党である、根っこの根っこなんです。

 一部衆院側、マスコミ、あるいは連合傘下産別組合員のなかに、連合を軽んじる雰囲気がありますが、それはたこが自分の足を食うようなものです。民主党を育てる、「育民」(イクミン)をやっていきましょう。

 山岸さんの「非自民反共産」という原点をしっかり見つめ直すことが大事です。正直、「反共産」を再び強調しなければならないのは情けないのですが、現状として「非自民反共産」をしっかりと説明しなければなりません。

 秋以降の国会は「働き方」がテーマになるでしょう。それぞれの産別ごとに事情は千差万別ですが、だからこそ、その声がダイレクトに民主党の政策に反映できます。自民党にそれができるでしょうか。「24時間365日働け」と自著に記した候補者がいる自民党は労働者の敵です。

 組織の中の人でなければ、産別候補の名前を全国比例に書いてはいけない、応援してもいけない、などという憲法・法律は日本にはありません。

 固有名詞が多く、分かりにくい産別候補ですが、自分とその家族をすべての基本にして、先入観を取り払って、検討してください。


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