
[写真]防災服姿で審議に臨む野田佳彦・財務大臣と、中小企業など金融円滑化法延長案(亀井法)の可決で一礼する自見庄三郎・金融担当大臣=2011年3月22日午後8時15分ごろ、衆院財務金融委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ・トリミング
衆議院は22日の本会議で、地方交付税法などの改正案(177閣法5号)、家畜伝染病予防法改正案(177閣30号)を可決し、参院に送りました。
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参院予算委員会は、一般的質疑を1週間ぶりに再開。
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野田佳彦財務大臣と自見庄三郎金融担当大臣が出席した、衆院財務金融委員会も午後3時半~午後8時20分過ぎまで、177通常国会では恒例となった居残り授業を開催しました。
財金委は午後8時15分過ぎ、関税定率法一部改正案(177閣7号)、中小企業などへの金融円滑化法延長案(亀井リスケ法、177閣3号)、そして、IMF加盟法(国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律等の一部を改正する法律案、177閣8号)の3法案を可決しました。「亀井法」延長案は全会一致で、引き続き、法案名は「中小企業など」ですが、むしろ「零細企業」「住宅オーナー」がフルに活用したい法律として延長されそうです。例え、リスケジュール(融資条件の変更、とくに返済期限の繰り延べ)をしてでも、ナントカ資金繰りをよくすることが、すべての経済活動の根本です。このうち、亀井法は全会一致でした。次の衆院本会議にかかります。なんとか成果は出ています。
政権交代前から財金委の理事を務める野党理事は「日切れ法案3本を同時に審議する3階建てで、短時間に審議するのは、異例で、(委員会運びの)前例(先例)にすべきではない」としながらも、「震災時なので、やむを得ない」としました。「備えあれば憂い無し」といいます。3月にずれ込んでから、連日の居残り授業で、予算関連法案を審議するという情けない事態は、これは与党も野党も関係なく、「国会」として褒められたことではありません。例えば、与党は、「参院開会前の朝練(~午前10時)」、「参院昼休みの補習(午後0時過ぎ~午後1時前)」、「休日特訓」も野党に呼びかけたとしていますが、もう、ここは与党だろうが、野党だろうが、反省すべきだし、その上で、立ち止まらずに歳入関連法案(所得税法など改正案、赤字国債発行の臨時特例法案)をやっていかなければいけません」。
今国会では、衆・予算委での「子ども手当の月1・6万円→月2・6万円のマニフェスト変更の経緯」に続き、衆・財金委でも大活躍している公明党の竹内譲さんが、「みなさんもあんまり見たことないでしょう」として、IMF・世銀グループの一つである、「国際開発協会(IDA)」のバランスシート(BS、貸借対照表)について質問しました。IDAは、我が国の東海道新幹線建設の費用を貸してくれた、日本人にとって頭が上がらない国際金融機関です。竹内さんも最近、気になって読んでみた、という風情でした。竹内さんの質疑からすると、IDAには我が国は2兆円程度の出資金があるようだ、という趣旨の質問だったと思います。この辺のIMF・世銀グループへの出資金はどうなっているのでしょうか。日本は外為特会あるいは財投特会からIMFへ10兆円以上を貸し付けていると思うのですが、どうなのでしょうか。
財務大臣の野田さんは、先週の審議でも歳入費目をそらんじたら2兆円ずれていたなど、ここに来て、「にわか財政通」の仮面が取れつつあります。きょうの質問も竹内さん自身、「質問通告していなかったので申し訳ない」と断った上でのこととは言え、相変わらずすぐに答えられませんでした。東京では冷たい雨が降るなか、「IMF」という言葉が何となく身近なものになりつつある気配を感じた、震災時の財務金融委員会でした。復興のエンジンは財政です。野田さんも、「平成の高橋是清だ」という心構えでしっかりやってほしいと思います。正直、野田さんより財政通はかなり民主党内にはいます。名前を挙げろと言われれば、挙げられます。しかし、財務大臣というか、大蔵大臣となると、他省をおさえつける「格」というものが必要です。当面、野田さんにやってもらうしかありません。野田さんが泰然自若として、平然と落ち着いていることは頼もしいと思います。
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