
[写真]BSフジテレビに出演した連合の古賀伸明会長
日本の労働者階級に燦然と輝く友愛(fratanity)の星、「連合」。
先日、3月2日(火)夜のBSフジ「プライムニューズ」に連合の古賀伸明会長が出演していました。この番組はたっぷり2時間にわたり、春闘と参院選について古賀さんの素顔を引き出していて、とても良い番組だったと思います。
備忘録を兼ねて、メモした内容をブログに書きとめます。2時間ということでかなりのボリュームなので、古賀さんの発言だけを書きます。小見出しは私が付けました。
古賀連合会長発言録(3月2日、BSフジ「プライムニュース」)
【2010年春闘】
連合が統一ベースアップ(ベア)要求を断念したことにより、経団連が定期昇給(定昇)も切り込んでしまおうという動きが一部の業種にあるようだ。
春闘のあり方について、「食うや食わず、欧米に追いつき追い越せの時代」の春期生活闘争とは、あり方が変わってくるのは当然だ。(しかし、春闘は)連合がナショナルセンターとして、
産業別、単位労組(単組)ごとに時間をかけて要求をつくっていく過程は大事
なこと(なのでこれからも春闘は必要)だ。
派遣労働者については派遣元と派遣先の両方の企業への目配せが必要だ。ただし、それ以上に、パートタイム労働者の方が人数が多い。
連合構成員(加盟労組の組合員総数)は670万~680人いるが、パートタイム労働者はそのうちの50万~60万人を占める。この2~3年間に増えた。
非正規の処遇が下がるということは、正社員の労働条件が下がることにつながるので、非正規雇用への取り組みをしっかりやっていく。
【“与党”の立場の労働組合】
私たちは生活者、働く者、タックスペイヤー(納税者)の環境を守る団体だ。忘れてはならないのは、労働組合と政党とは別物であることだ。
高度成長時代には、企業内だけの労使交渉で解決できた。低成長の時代には、社会保障をはじめとして国の政策に左右される部分が増える。
労使交渉と政策実現をクルマの両輪のようにして、連合は進んで行く。
【連合の政治方針】
連合の発足以来の政治方針は、
いつでも政権交代可能な二大政党をめざしている と断言できる。
ただ、700万労働者が一色なわけではない。連合は、
これまでの「要求型」→「協議実現型」
「他責型」→「自責型」に変わっていく。今までに比べると、われわれ連合といまの政権与党は圧倒的に政策は近い。
【鳩山内閣】
昨夏の政権交代は、憲政史上初めてといってよい政権交代だった。滑り出しは、政治主導や脱官僚依存、政務3役が走り回る姿をみて、国民は「これで政治は変わる」と思った。(半年経って、うまく行かない面もあるが)そこは私たちは民主党の応援団として、もう少し推移を見守りたい。
【小沢事件】
政治とカネは極めて重要な問題だ。小沢さんの問題は政権の支持率や参院選に影響を及ぼすだろう。
(今後の政治日程や政局では、)様々なパターンが出てくるだろうが、適宜適切に対応して欲しいと思う。
【北教組事件】
北教組に関しては、構成組織の一つとして、(連合としても)おわびする。選挙に関してはここ数年間、法令遵守(コンプライアンス)を徹底的に組織の末端まで、浸透させている。
私たちの政治活動は自由だ。7月の参院選は非常に大きな意義付けがある。単組や地方組織では政治団体を設けて、きちっと会計報告をしている(が、北教組は政治団体を持たず異質だった)。
(北教組事件をきっかけに連合批判が高まるという指摘は)全く的外れだ。連合は企業・団体献金の禁止に賛成だ。現在は(労組が設けた)政治団体から(国政に関する)政治団体にお金が渡ることは違法ではない。
【小沢幹事長の辞任論】
小沢さんについて、選挙にかける情熱は群を抜いている。力量にかんしてはコメントしない。(参院選前の)幹事長の交代について、党の判断であって、連合が口を挟むべきではない。たとえば、民主党が連合の人事に介入して、「古賀を会長から変えろ」と言うことはできない。それが連合と民主党の関係だ。
(小沢辞任論に関しては、)いろいろあったが、党の判断を尊重するのが、(連合の)今のスタンスだ。
【小沢さんの選挙手腕】
小沢一郎さんというのは(イメージと現実に)落差がある。2007年の参院選で全国をまわったが、テレビでは強面で、口も利かないような印象があるが、地方連合会の構成員が小沢さんに実際会うと好感度が上がる。
さきほどコメントしなかったが、小沢さんの「手腕」とは、連合をうまく使うところだ(笑)。たとえば、「川上」から「川下」へ、だれも聴衆のいないところで演説をするが、マスコミがついて回るから票になる。選挙区の事情もよく知っている。
【これからの日本】
「持続可能な社会」と「コミュニティの再生」がキーワードだ。
経済において、「需要と供給」、「内需と外需」を対立項において議論するのはおかしいと思う。税制に関しては、内部留保に課税するという発想ではなく、全体の税体系を見直さなければいけない。
文責・宮崎信行
(古賀発言録は以上でおしまい)
私は8年間、新聞労連系列の日経労組の組合員でしたが、あろうことか、労働者階級の諸君が、労働運動を卑下し、自らの権利を捨てる実態に言葉を失いました。私が職場で「今春闘では、ストライキを設定すべきだ」と主張すると、「日本経済新聞がストをしたら、(取材先企業の)経営者からバカにされちゃうよ」とバカにされました。結局ストはありませんでした。が、その翌年、子会社社長ら3人が東京地検特捜部に逮捕され、「子会社の管理もできない日経さん」と(取材先の)経営者からバカにされたようです。
さて、10年連続で平均賃金が下落した昨今になって、ようやく労働者諸君も、労働運動の重要性に気付き出したようで、「いまさら遅い」と言いたいところですが、労働者階級の諸君の先の見通しが甘いことは産業革命以来、洋の東西、時の今昔を問わない悲しき実態で、今後も資本主義社会では永続していくことになるでしょう。
連合のことをもっと知りたい。ところが、日本の場合、連合に関する新聞報道のブレがあります。なぜなら、およそすべての新聞記者は連合組織員ではないからです。なぜかというと、新聞労連が連合非加盟だからです。
そのためか、春闘の「ヤマ場」の「ヤマ」とは「炭鉱」のことなのに、朝日新聞ですら「×山場」という語源と違う用語を使うことがあります。
僕も今年1月1日のブログに「2010年は連合を勉強する」としながら、実はまったく足での取材はしていません。今回の古賀さんのTV出演は実に面白かった。本人がTVに出て、発言してくれることはありがたいことだし、もっともっとメディアに露出して欲しいと思います。参院選までに、何とか時間をとって、総評会館、友愛会館などにも足を伸ばしてみようと思っています。
日本の労働者階級に燦然と輝く友愛(fratanity)の星、「連合」。
先日、3月2日(火)夜のBSフジ「プライムニューズ」に連合の古賀伸明会長が出演していました。この番組はたっぷり2時間にわたり、春闘と参院選について古賀さんの素顔を引き出していて、とても良い番組だったと思います。
備忘録を兼ねて、メモした内容をブログに書きとめます。2時間ということでかなりのボリュームなので、古賀さんの発言だけを書きます。小見出しは私が付けました。
古賀連合会長発言録(3月2日、BSフジ「プライムニュース」)
【2010年春闘】
連合が統一ベースアップ(ベア)要求を断念したことにより、経団連が定期昇給(定昇)も切り込んでしまおうという動きが一部の業種にあるようだ。
春闘のあり方について、「食うや食わず、欧米に追いつき追い越せの時代」の春期生活闘争とは、あり方が変わってくるのは当然だ。(しかし、春闘は)連合がナショナルセンターとして、
産業別、単位労組(単組)ごとに時間をかけて要求をつくっていく過程は大事
なこと(なのでこれからも春闘は必要)だ。
派遣労働者については派遣元と派遣先の両方の企業への目配せが必要だ。ただし、それ以上に、パートタイム労働者の方が人数が多い。
連合構成員(加盟労組の組合員総数)は670万~680人いるが、パートタイム労働者はそのうちの50万~60万人を占める。この2~3年間に増えた。
非正規の処遇が下がるということは、正社員の労働条件が下がることにつながるので、非正規雇用への取り組みをしっかりやっていく。
【“与党”の立場の労働組合】
私たちは生活者、働く者、タックスペイヤー(納税者)の環境を守る団体だ。忘れてはならないのは、労働組合と政党とは別物であることだ。
高度成長時代には、企業内だけの労使交渉で解決できた。低成長の時代には、社会保障をはじめとして国の政策に左右される部分が増える。
労使交渉と政策実現をクルマの両輪のようにして、連合は進んで行く。
【連合の政治方針】
連合の発足以来の政治方針は、
いつでも政権交代可能な二大政党をめざしている と断言できる。
ただ、700万労働者が一色なわけではない。連合は、
これまでの「要求型」→「協議実現型」
「他責型」→「自責型」に変わっていく。今までに比べると、われわれ連合といまの政権与党は圧倒的に政策は近い。
【鳩山内閣】
昨夏の政権交代は、憲政史上初めてといってよい政権交代だった。滑り出しは、政治主導や脱官僚依存、政務3役が走り回る姿をみて、国民は「これで政治は変わる」と思った。(半年経って、うまく行かない面もあるが)そこは私たちは民主党の応援団として、もう少し推移を見守りたい。
【小沢事件】
政治とカネは極めて重要な問題だ。小沢さんの問題は政権の支持率や参院選に影響を及ぼすだろう。
(今後の政治日程や政局では、)様々なパターンが出てくるだろうが、適宜適切に対応して欲しいと思う。
【北教組事件】
北教組に関しては、構成組織の一つとして、(連合としても)おわびする。選挙に関してはここ数年間、法令遵守(コンプライアンス)を徹底的に組織の末端まで、浸透させている。
私たちの政治活動は自由だ。7月の参院選は非常に大きな意義付けがある。単組や地方組織では政治団体を設けて、きちっと会計報告をしている(が、北教組は政治団体を持たず異質だった)。
(北教組事件をきっかけに連合批判が高まるという指摘は)全く的外れだ。連合は企業・団体献金の禁止に賛成だ。現在は(労組が設けた)政治団体から(国政に関する)政治団体にお金が渡ることは違法ではない。
【小沢幹事長の辞任論】
小沢さんについて、選挙にかける情熱は群を抜いている。力量にかんしてはコメントしない。(参院選前の)幹事長の交代について、党の判断であって、連合が口を挟むべきではない。たとえば、民主党が連合の人事に介入して、「古賀を会長から変えろ」と言うことはできない。それが連合と民主党の関係だ。
(小沢辞任論に関しては、)いろいろあったが、党の判断を尊重するのが、(連合の)今のスタンスだ。
【小沢さんの選挙手腕】
小沢一郎さんというのは(イメージと現実に)落差がある。2007年の参院選で全国をまわったが、テレビでは強面で、口も利かないような印象があるが、地方連合会の構成員が小沢さんに実際会うと好感度が上がる。
さきほどコメントしなかったが、小沢さんの「手腕」とは、連合をうまく使うところだ(笑)。たとえば、「川上」から「川下」へ、だれも聴衆のいないところで演説をするが、マスコミがついて回るから票になる。選挙区の事情もよく知っている。
【これからの日本】
「持続可能な社会」と「コミュニティの再生」がキーワードだ。
経済において、「需要と供給」、「内需と外需」を対立項において議論するのはおかしいと思う。税制に関しては、内部留保に課税するという発想ではなく、全体の税体系を見直さなければいけない。
文責・宮崎信行
(古賀発言録は以上でおしまい)
私は8年間、新聞労連系列の日経労組の組合員でしたが、あろうことか、労働者階級の諸君が、労働運動を卑下し、自らの権利を捨てる実態に言葉を失いました。私が職場で「今春闘では、ストライキを設定すべきだ」と主張すると、「日本経済新聞がストをしたら、(取材先企業の)経営者からバカにされちゃうよ」とバカにされました。結局ストはありませんでした。が、その翌年、子会社社長ら3人が東京地検特捜部に逮捕され、「子会社の管理もできない日経さん」と(取材先の)経営者からバカにされたようです。
さて、10年連続で平均賃金が下落した昨今になって、ようやく労働者諸君も、労働運動の重要性に気付き出したようで、「いまさら遅い」と言いたいところですが、労働者階級の諸君の先の見通しが甘いことは産業革命以来、洋の東西、時の今昔を問わない悲しき実態で、今後も資本主義社会では永続していくことになるでしょう。
連合のことをもっと知りたい。ところが、日本の場合、連合に関する新聞報道のブレがあります。なぜなら、およそすべての新聞記者は連合組織員ではないからです。なぜかというと、新聞労連が連合非加盟だからです。
そのためか、春闘の「ヤマ場」の「ヤマ」とは「炭鉱」のことなのに、朝日新聞ですら「×山場」という語源と違う用語を使うことがあります。
僕も今年1月1日のブログに「2010年は連合を勉強する」としながら、実はまったく足での取材はしていません。今回の古賀さんのTV出演は実に面白かった。本人がTVに出て、発言してくれることはありがたいことだし、もっともっとメディアに露出して欲しいと思います。参院選までに、何とか時間をとって、総評会館、友愛会館などにも足を伸ばしてみようと思っています。
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