イタリア女優のソフィア・ローレンさんが30年ぶりに来日。
記者会見を開いたところ、質疑応答でイタリア人記者1人しか手を挙げなかったため、怒って打ち切りになったようです。
素材が足りないことにあせった日本人報道陣は主催者に詰め寄ったそうです。
私も社員記者時代、似たようなシーンは見てきました。
誰も手を挙げないという重い空気に耐えきれず、やむを得ず、記事化のつもりがない私が、おつきあいで適当に質問したことなど数え切れません。半年に1度ほど当番が回ってくる「幹事社」の月でしたら、“総括質問”は、なかば義務みたいなもんです。
TVクルーは取材に行ったら、ある程度の時間カメラを回さないといけません。とくに裁判冒頭の代表撮影は2分前後やるのでになり、息が詰まりそうになります。
長時間だらだらとワイドショーを見続ける視聴者をないがしろにできないのが、今のTV各社の経営状態だと察します。ひたすら映像素材をとりにいくよう命令するデスクと、指示に従い下調べせずに現場に出向く記者、カメラマン、カメラ助手。
日本の報道の現場では、なんともありがちなニュースに感じました。
そんな中で、単独インタビューに成功した東京中日スポーツさんの記事。
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ソフィア・ローレン30年ぶり来日 本紙独占取材で銀幕復帰明かす2008年3月7日付東京中日スポーツ
イタリアが誇る大女優ソフィア・ローレン(73)が6日、東京・銀座にリニューアルオープンした高級ジュエリーブランド「ダミアーニ」のブティックのオープニングセレモニーに出席した。式典後、本紙は30年ぶりに来日したローレンの単独インタビューに成功。ご機嫌ムードで約6年ぶりの銀幕復帰への構想を明かしたが、その後都内で開かれた記者会見では、イタリア人記者からの想定外の質問に動揺したのか、以後の質問をシャットアウトして帰ってしまい、取材陣がア然となるハプニングが起こった。
(略)
セレモニーや本紙のインタビューでは、ご機嫌だったローレンが、その後、東京・六本木のリッツ・カールトン東京で開かれた会見では対照的な姿をみせた。
ローレンはまず、司会者からの代表質問に笑顔で応答。続く質疑応答で最初に質問したイタリアのテレビ局記者から
(略)
ところがその直後、ローレンの不快を察知したダミアーニ側が「ほかに質問がないようなので」と一方的に質問を打ち切り、写真撮影の時間に。ローレンの会見はわずか10分ほどで終了してしまった。報道陣は、一瞬あ然。その後、「公式インタビューの時間をつくってほしい」との要望が伝えられても、ローレンは「ノー、ノー!!」と拒んで会場を後にした。
(略)
詰め寄る取材陣に対し、同席したダミアーニ社副社長のジョルジョ・ダミアーニ氏は、関係者を通じて「想定外な質問をされて、動揺してしまったようだ。それに、本人はこれほどフォーマルな会見だとは思っていなかったらしく、取材陣の多さにびっくりしてしまったことも要因だ」と説明したが、この日出席した取材陣は100人程度。世界的大女優にしては、決して大騒ぎするほどの人数ではないのだが…。
<記者の目>
(略)
気むずかしい人じゃないかと、緊張しながら自己紹介すると、ローレンは丁重に握手を求めてきた。短い取材時間だったが、最後には「とってもいい質問だったわよ」とリップサービスまでしてくれたのだった。
あれほど上機嫌だった彼女が、会見で怒った本当の理由は何だったのか。後に聞いた話では、ローレンは「あのイタリア人以外に、誰も手を挙げてなかったじゃないの。質問がないなら答える必要がない」とも言っていたそうだ。
日本の記者会見では、最初に質問するのを遠慮する人が多く、同時にたくさんの手が挙がることが少ない。自分もしかりだ。ローレンにとって想定外だったのは、イタリア人記者の質問内容だけでなく、日本人の積極性のなさにプライドを傷つけられたのかもしれない。 (江川悠)
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