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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

長年の政治運動実る、行政書士法の排除規定に罰則 「食料安定法」でコメ自由化の羽田次郎「古古古米を大臣は試食すべきだ」

2025年05月29日 19時03分29秒 | 第217通常会 2025年1月召集
[写真]北東信のコメ水田の前に立つ筆者、この水田の所有・耕作は違う家の方、おととしの5月4日撮影。

 今週が終わると、第217回通常国会は残り3週間となります。衆議院の本会議は、連休明け後の5月8日・9日、15日・16日、22日・23日と、「木曜日有りで金曜日無し」が続きました。大型法案の審議入りがスムーズにできたあかしともいえます。逆に、今週の29日・30日は「木曜日無しで金曜日有り」となりました。2つ上がり法案がありますが、「年金法改正案」(217閣法59号)の緊急上程をにらんだものですが、その日程には国民民主党などが反発しています。

【衆議院総務委員会 きょう令和7年2025年5月29日(木)】
 「行政書士法改正案」(217衆法 号)が全会一致で起草されました。

 弁護士法でいう「非弁」にあたる、行政書士でない者に対する「排除規定」に罰則を書き加えるなどの内容です。

 内容は、(1)現行の目的規定を改め、行政書士の使命を明らかにする規定を設ける(2)デジタル社会の進展を踏まえた対応を行政書士の職責として規定する(3)特定行政書士は官公署に提出する書類に係る許認可等に関する不服申し立ての手続きについて代理等をすることができる(4)行政書士または行政書士法人でない者による業務の制限規定に「報酬を得て」との文言を加える(5)行政書士または行政書士法人でない者による業務の制限違反等に対する、罰則および行政書士法人による義務違反に対する罰則について、罰則規定を整備するーーことになっています。施行は来年1月1日から。

 行政書士政治連盟は、デジタル庁発足の翌月にあった前々回の第49回衆院選では、とくに熱心な選挙運動にかかわっていました。「制限規定」は「排除」でないのかもしれませんが、かなり労務単価は切りあがることになるのではないでしょうか。あすの本会議で衆議院を通過し、参議院へ。総務委は審議待ちゼロなので、会期内の成立は確実。

●衆議院憲法審査会は幹事懇談会のみで、開催されませんでした。
●衆議院の経済産業、環境、安全保障の各委員会も理事懇談会を開きました。議院運営委員会は、本会議がありませんが、理事会は開催されました。

【衆・沖縄北方特別委】
 所信に対する質疑。

【参・第一種常任委員会】
 ●法務委員会では、「譲渡担保整備及び所有権留保契約に関する2法律案」(217閣法43及び44号)が政府原案通りに可決すべきだと全会一致で決めました。あすの本会議に上程され、成立のはこび。●財務金融委では「保険業法改正案」(217閣法37号)を全会一致で政府原案通りに可決すべきだと決めました。●国土交通委「航空法改正案」(217閣法55号)を賛成多数で政府原案通りに可決すべきだと決めました。
 ●厚生労働委は、カスハラ・就活セクハラなど「労働施策総合推進法及び女性活躍推進法改正案」(217閣法50号)と石橋通宏さんらの「対案」(217参法7号)の採決をにらんだ審議となりましたが、採決は先送りとなり散会しました。
 ●内閣委「日本学術会議法案」(217閣法36号)の法案審査。火曜日午後1時からの参考人質疑の開催も決めました。●文教科学委「給特法改正案」(217閣法9号衆議院修正の法案審査で、参考人質疑を決めました。今後、総理入り質疑もあります。
 ●環境委ですが、「環境影響評価法改正案」(217閣法51号)がつるされているようで、開催されませんでした。

【参議院農林水産委】
 あすの本会議で「食品流通法案」(217閣法45号)のつるしがおりることになっています。その前に、きのうの小泉新農相の所信的あいさつに対する質疑がありました。

 食糧管理法による政府のコメの全量買い入れは自民党の栃木の渡辺美智雄(みっちゃん)、北海道の中川一郎(いっちゃん)、福島の湊徹郎(てっちゃん)の「3ちゃん艦隊」による米価審議会と食糧庁の毎年の公定価格切り上げをめぐる攻防で、彼らの政治力となりました。米価審議会は港区の「三田共用会議所」というところでやっていたようですが、霞が関の農林水産省にも「用務のない方は敷地内に入らないでくださいという看板=写真撮影・宮崎信行=が立っており名残を残しています。また、米価審議会会長は慶應義塾の職員でありながら、中目黒の幹部国家公務員住宅をあてがわれていたようです。

[写真]農林水産省、9年前撮影、この看板は現存。

 「コメの自由化」をめざして、現行の「食糧安定法」にさせたのが、2度農相をやった長野の羽田孜、山形の加藤紘一両氏ら「総合農政族」による改革で食糧庁も廃止されました。ちなみに、羽田、加藤両氏は、議員宿舎が隣室で、羽田次郎参議院議員と加藤鮎子元こども家庭庁大臣は、幼馴染の関係となります。この話を、私が篠原孝さんに話したら、彼はたたき上げですから、複雑そうにしていました。篠原さんは毎回農林水産委員を希望しながら、安住淳さんのいじめで所属できず、野田「次の内閣」のネクスト環境大臣をつとめています。また、政治改革特別委は、常に希望が通り所属し続けています。

 7月20日投票とみられる長野県区は定数1の激戦となっています。現職の立憲・羽田さんは前日も東京・長野を一往復して質問をつくりました。

 羽田さんは「きのう、全国農業会議があって農業委員会の会長の皆さん集まられて私も地元の皆さんとお目にかかりましたが、やっぱり古古古米(令和3年産米)となると、米の炊き方ですとか、用途も考えないと普通の炊き方ではとても食べられないという話でした」と語り、小泉進次郎大臣自ら試食をしたり、調理方法を省が示したりすべきだとの認識を示しました。 農相は「調理方法はそこまでまだ今考えておりませんが、行政よりも民間のスピード感や知恵の方が遥かに多様だと思います」と述べました。

 ちなみに、長野などの地域の営農者の一世帯・事業者の年収は、京都以西の本州・四国の営農者のそれの1・8倍ほどになります。ところが、九州のそれは、長野などの地域よりも高くなります。これは、九州は畜産が盛んだからです。その九州の森山裕幹事長らが連続して農相のポストをとってきたことで、米作への知見が弱くなっていたことは間違いなく、自民党の失政です。行政より民間のスピード感を信じるミナト・神奈川の大臣のもとに今後どうなるでしょうか。私個人としては、古古古米などただでもいらないというのが本音です、ブレンドの技術はわからないですけど。

●あすの衆議院法務委員会で「選択的夫婦別姓法案」(217衆法29号)が審議入りする見通しで、立憲案、維新案、国民案の3案が趣旨説明され、散会するもよう。

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