【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【閣法】「食糧増産命令法案」が「基本法案」から切り出して通常国会提出か「食料・農業・農村基本法改正案」は早々に農水省が有識者の最終とりまとめを決定

2023年09月27日 23時44分52秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]宮下一郎農相、4年前の2019年2月、長野県長野市で宮崎信行撮影。

 農林水産省は、今月2023年9月11日に「食料・農業・農村基本法」の改正の審議会が最終とりまとめを出し、野村農相(当時)が受け取りました。来年1月の通常国会に法案が出ますが、異例の早い日程で、森山裕・自民党総務会長らの自民党内チームが、事前審査でもむことをねらっているとみられます。

 法案提出よりも以前のことし中に、政府与党が予算付けで既成事実化するメニューもあるかもしれません。

 最終とりまとめは、次のような文章が入りました。

 最終とりまとめは「不測時に国民が最低限度必要とする食料について議論した上で、食料安全保障のリスクに応じ、備蓄の放出、買い占めの防止等の初期的な対応に加え、増産指示や流通規制、調達の指示、究極的には食料の配給等、様々な措置が考え得るところであるが、現在、不測時の対応の根拠となる「国民生活安定緊急措置法」や「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(食糧法)等で十分な対応を講じられるのか、必要な義務的措置やそれに関連する財政的な措置等の必要性等について、再度検証を行うべきである」と書き込まれました。

 このため、来年の通常国会には、基本法改正案と別に、「国民生活安定緊急措置法及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」を改正する法案または、食糧安全保障新法案が提出されることが、ほぼ確実視されることになりました。

 九州・畜産族農相が続きました。内閣改造で、長野県選出では、羽田孜農相、若林正俊農相に続くおそらく3人目、宮下一郎農相が誕生しました。「南信」からは史上初の農相である可能性が高いです。が、衆議院北陸信越ブロック5県で唯一同県だけ「コメ」が県別出荷額首位ではなく(3位)、宮下さんの長野5区は、殖産興業の発展の地であり、人口に占める第1次産業従事者の割合は10%未満のようです。

 省の増産要請に応じたら助成金がJAを通じて振り込まれるしくみはありますが、「増産命令」となると、太平洋戦争時の国内の芋をほうふつとすることにもなります。宮下農相のお父さんは、どちらかといえば明治維新で辛酸をなめた地域が多い長野県ではおそらく唯一の陸軍士官学校に入学した(終戦で東大法学部→大蔵省)経験がある国会議員経験者であり、農業者から異例の高支持となっている「2013年からの自民党の増収農政」が曲がり角を迎えるかもしれません。

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【閣法先送り】「日本版DBS法案」は次の臨時国会から来年に先送りへ、加藤鮎子大臣の「政治とカネ」

2023年09月27日 23時19分58秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]財布から現金を取り出す、加藤鮎子・こども家庭庁担当大臣、4年前の2019年、宮崎信行撮影。

 前大臣が第212回臨時国会(召集日まったく不明)への提出を断定に近いかたちで述べていた「日本版DBS法案」が、加藤鮎子大臣の「政治とカネ」の追求を避けるために、来年に先送りになりそうです。
 加藤さんはきのう(2023年9月26日)の定例閣議後記者会見で、「提出断念等々を書かれた記事報道については承知をしておりますけれども、現在ご指摘の法案のスケジュール等については定まったものがございません」と述べました。

 女性記者から「党内からは大臣が就任直後に政治とカネの問題で対応に追われていて、日本版DBSの調整がそれによって進まなかったのではないかと指摘する声がありますが、ご本人としてどのように受け止めますでしょうか」とつっこまれた加藤さんは「繰り返しになりますけれども、現在その法案のスケジュールと定まったものがございません。ということを繰り返し申し上げたいと思います」と防戦一方となりました。

 保育士の求職者が、性犯罪歴がないことの証明書を提出する制度で、「DBS」はそれをつかさどる行政機構・組織のことを意味しているようです。先々月26日の「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」では「早期の法案提出を目指して検討を加速する」とありました。

 加藤大臣は、筆者も入閣前から気づいていた母への月家賃15万円、パーティー券収入の間違った政治資金収支報告書への記載、未成年者も被害者となった破産業者社長との夫妻での親しい写真などの不適切な事案が続出。筆者が「日本一金に汚い政治家」と認識していた、故・加藤紘一官房長官の「親譲り」となっています。加藤の乱では、森喜朗首相の比ではない加藤氏のカネの汚さを知らない有権者が多く、私は閉口していました。

 また、女性閣僚が5人いることから、加藤鮎子(政治とカネ)、土屋品子(秘書問題)、自見はなこ(不倫略奪婚)の3大臣が集中砲火を浴びつつ、上川陽子、高市早苗の2大臣は安泰というかたちで、マスコミ・野党が「女性差別批判」をさけることが地合いとなっていきそうです。

 以上です。

首相、維新と「万博心中」決意か、経団連会長の証言「岸田さんの 鬼気迫る表情を見ましたのは私も100回以上官邸の会議に出席しておりますが初めて」」

2023年09月27日 23時04分16秒 | 第50回衆院選(2024年10月27日)
[写真]馬場さんは去年2022年5月、岸田さんはおととし2021年10月、ともに大阪府堺市内で、宮崎信行撮影。

 日本維新の会が主導しましたが、岸田自民も「維新・自民万博心中」でもするかのような状況になってきたようです。

 第1次補正予算案(指示日・提出日未定)で、再来年の「2025年大阪・関西万博」の開催費用が増額補正されるとの観測が高まっています。

 「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」の十倉雅和会長は、ちょうど1週間前、2023年9月20日の「共同通信きさらぎ会」で経団連会長の立場で講演しました。質疑応答で神戸新聞記者からの問いに答えて、「岸田さんの 鬼気迫る表情を見ましたのは私も100回以上官邸の会議に出席しておりますが初めてだった」と証言しました。

 先月4日または31日の「大阪・関西万博に関する関係者会合」のことだと思われます。

 十倉さんは次のように発言しました。この部分が文字になるのは、当ニュースサイトが初めてと思われます。

 十倉さんは「現在の 万博の 厳しい状況をみんなでよく認識しようと、なんとかして仕上げるということで、先般、官邸において岸田総理のリーダーシップで関係者会合が立ち上がりました。私も出席いたしました。岸田さんの 鬼気迫る表情を見ましたのは私も100回以上官邸の会議に出席しておりますが 初めてであります。経産省をはじめ国交省、外務省これ総動員で官邸も日本国のこれプロジェクト 万博でありますから総力を上げて海外の折衝にあたりますし、(パビリオンの)建設支援もやっていくと。(貿易)保険の適用も積極的に行うということで進んでおります。今やもう、そのどう言いますか、危機とかそういう状態ではなくて皆さん、まなじりを決して、不退転の覚悟でこれを成し遂げるという意気込みで、地方、政府、協会内も石にかじりついても再来年の4月13日に、これを成し遂げてまいります」

 と語りました。


[写真]十倉雅和さん、先週2023年9月20日、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急で、宮崎信行撮影。

 維新の馬場伸幸代表の求心力が問われる事態に、岸田さんは、菅義偉前首相からの申し送り事項もあるのか、第50回衆院選を前に維新に貸しをつくるのが得策だと考えているのか。

 いずれにせよ、維新、岸田自民、経団連・関経連など万博協会と企業による「一蓮托生」のムードが出てきました。

 立憲民主党の岡田克也幹事長はきのう(2023年9月26日)の記者会見で、次のように語りました。

 岡田さんは「これは、ことしの1月に安住国対委員長と私は維新に請われて現場に行きました。視察をした後、そこには副知事もおられましたし、協会関係者、幹部もおられました。私はあえて聞いたのです。いろいろ説明いただいたが、それは結構だが、予算の範囲内でできますね、と。「できます」と明確に答えられました。それがまだ1月のことですから、これだけ多額の増額が必要だというのは、あのときのことは一体何だったのだろうかという思いがしてならないわけです。誰が負担すべきかといえば、それはやはりまずは額を本当にそれだけたくさん必要とするのかどうかと。かつてはパビリオンの屋根の形を見直すとかいうことで圧縮したこともありましたよね。いろいろな工夫をする中で何とか予算の範囲内でできないのかということを、まずは努力すべきだと思います。それは維新が日頃強調されていることにもつながることではないかと思います。その上で、どうしてもそれではできないということになったときに、私は基本的にはやはり国ではなく大阪、それから大阪を中心とする経済界、そこが負担するのが本来ではないかと。国民にまで負担をお願いするということであれば、きちっと説明してもらいたいと思います」

 と語り、釘をさしました。

 筆者は、「国際科学技術博覧会」「神戸ポートアイランド博覧会」「横浜博覧会」の3つに行ったことがあります。しかし、「日立館」「三菱館」にせよ、別々に映画館をつくって、映画を見るような感覚でした。常磐線万博臨時駅で体育座りしたり広場で大型スクリーンのズームインカメラに映るように走り回ったり、コスモクロック21観覧車に乗った記憶しか、正直ありません。「つまらない」との声もたびたび聞きました。

 「宇宙食の試食」は振り返れば当然ですが、まずかったです。「宇宙ペンを入館者全員にもれなく差し上げます」は特殊な万年筆にすぎませんでした。1970年大阪万博の「月の石」がありましたが、2023年の人類は「宇宙へのあこがれ」が薄い。建設に関しては、2021年の東京オリンピック会場はペンキ職人が都内から掛け持ちで毎夕通い、前日やり残したところからやりましたが、大阪市内で仕事をしてから掛け持ちで夢洲に移動するのは、いくら高速が開通済みとしても、無料シャトルバスを超えた対応が必要のように思います。

 現在、「維新が3票のばせば自民が2票、立憲が1票減る」という方程式が見えつつあり、第50回衆院選(再来年2025年10月以前)で、維新・岸田自民「万博心中」がボディーブローのように利いて、両党の47都道府県の得票率の伸び悩むことも予想されます。

 以上です。

野党6党1会派が「臨時国会を早期に召集することを強く求める合意文書」を提出

2023年09月27日 22時04分08秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
 日本には政党が10あり、与党が2党、野党が8党ですが、このうち衆議院に議席がある野党6党と1会派(有志の会)の国対委員長がきょう2023年9月27日、会談しました。ここで「臨時国会を早急に召集することを強く求める合意文書」に、7人の国対委員長がサインしました。報道によると、維新と国民が憲法53条に基づく召集要求書は拒んだようです。

 立憲の国対委員長が、自民の国対委員長に提出しました。

このエントリーの本文記事は以上です。
【会話をお控えください】異次元の量的金融緩和がたどりついた現在、常識の土壌の崩壊で日本語での会話が通じなくてストレスを感じています。私・宮崎信行は、高卒の両親が実業で成功をおさめ、山手線沿線地主になった後から生まれており、人間の立場で相対評価されたり、疑問形で話しかけられたりした経験に乏しいです。表向きの言葉遣いは丁寧ですが、裏では、言葉の暴力で財産虞犯者を威嚇するようしつけられたので粗暴な面もあります。日本雑誌協会の役員を出している社の媒体のインタビューは受けていますが、講演、勉強会講師などの依頼はお断りします。記者会見場、議員会館パブリックスペース、街頭演説会場でのお声掛けやファンレターの送付もとっさに反応できませんからお控えください。歳費ゼロの宮崎信行に国民と分かりやすく会話する責務はありません。
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元代表の立花孝志元参議院議員が民事再生法を申請したと弁護士村岡氏、債務総額は11億円との観測も、「政治家女子48党」(大津あやか代表)の政党交付金の財源は完全にデカップリング

2023年09月27日 18時00分49秒 | その他
 大津綾香(大津あやか)=非議員=代表が率いている2019年からの政党「政治家女子48党」について、元代表で創設者の立花孝志・元参議院議員が「11億円ではないか」(報道など)ともされる債務の返済が滞っていることについて「債権者説明会」がきょう2023年9月27日開かれ、「弁護士の村岡氏」が「民事再生法の手続きを既に申請した」と語りました。

 政治家女子48党の政党交付金の財源は完全に恒久的にデカップリング(無関係だと明らかになり切り離)されたとみてよさそうです。

 村岡氏は「大津代表から代表権を取り戻すために、1年から2年以上かかるかもしれない」とし、4000万円の最大債権者の個人の代理人に村岡氏がついたとして「民事再生法を申請した」と述べました。

 立花氏は、斎藤参議院議員とともに座り、「お金のことなので、人を傷つけたわけではなく、ちょっと返済を待ってほしい」とし、11億円を返済できると強弁しました。

 今後、裁判所が民事再生計画をつくりますが、政党交付金を使った「玉突き返済」を除けば、11億円ともされる債務の返済は極めて難航するとみられます。

 中央選挙管理会・総務省は、今月「名称変更届は、権限のある代表者によって提出されたものであることへの疑義が解消されない 」(【中央選挙管理会】「政治家女子48党」は「代表者に疑義」、今後創設者債務不履行などの懸念から10政党体制に変化も - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記)と決定し、大津党首の「政治家女子48党」が継続していると指摘。立花さんは追い込まれていました。

 立花さんは選挙デビューの時からの知り合いで、2009年8月下旬、大阪16区の民主党公認候補(当選、現・立憲民主党国対副委員長)の選挙事務所で青いポロシャツを着た立花さんと遭遇。「NHK問題は知っていますが、立花さん全国に講演に行っているのですか」とたずねたところ、講演依頼は全くないとのことで、今後の生活をどうするのか案じました。

 その後は、ダイナミックな活躍でしたが私や大阪16区議員は、立花さん個人・政治家・政党・政治団体とは完全な無関係ですから、はるか遠くかなたから、風雲児・立花さんのご健康を草葉の陰からお祈りします。

 以上です。