[写真]宮下一郎農相、4年前の2019年2月、長野県長野市で宮崎信行撮影。
農林水産省は、今月2023年9月11日に「食料・農業・農村基本法」の改正の審議会が最終とりまとめを出し、野村農相(当時)が受け取りました。来年1月の通常国会に法案が出ますが、異例の早い日程で、森山裕・自民党総務会長らの自民党内チームが、事前審査でもむことをねらっているとみられます。
法案提出よりも以前のことし中に、政府与党が予算付けで既成事実化するメニューもあるかもしれません。
最終とりまとめは、次のような文章が入りました。
最終とりまとめは「不測時に国民が最低限度必要とする食料について議論した上で、食料安全保障のリスクに応じ、備蓄の放出、買い占めの防止等の初期的な対応に加え、増産指示や流通規制、調達の指示、究極的には食料の配給等、様々な措置が考え得るところであるが、現在、不測時の対応の根拠となる「国民生活安定緊急措置法」や「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(食糧法)等で十分な対応を講じられるのか、必要な義務的措置やそれに関連する財政的な措置等の必要性等について、再度検証を行うべきである」と書き込まれました。
このため、来年の通常国会には、基本法改正案と別に、「国民生活安定緊急措置法及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」を改正する法案または、食糧安全保障新法案が提出されることが、ほぼ確実視されることになりました。
九州・畜産族農相が続きました。内閣改造で、長野県選出では、羽田孜農相、若林正俊農相に続くおそらく3人目、宮下一郎農相が誕生しました。「南信」からは史上初の農相である可能性が高いです。が、衆議院北陸信越ブロック5県で唯一同県だけ「コメ」が県別出荷額首位ではなく(3位)、宮下さんの長野5区は、殖産興業の発展の地であり、人口に占める第1次産業従事者の割合は10%未満のようです。
省の増産要請に応じたら助成金がJAを通じて振り込まれるしくみはありますが、「増産命令」となると、太平洋戦争時の国内の芋をほうふつとすることにもなります。宮下農相のお父さんは、どちらかといえば明治維新で辛酸をなめた地域が多い長野県ではおそらく唯一の陸軍士官学校に入学した(終戦で東大法学部→大蔵省)経験がある国会議員経験者であり、農業者から異例の高支持となっている「2013年からの自民党の増収農政」が曲がり角を迎えるかもしれません。
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
インターネット版官報
Ⓒ2023年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。
農林水産省は、今月2023年9月11日に「食料・農業・農村基本法」の改正の審議会が最終とりまとめを出し、野村農相(当時)が受け取りました。来年1月の通常国会に法案が出ますが、異例の早い日程で、森山裕・自民党総務会長らの自民党内チームが、事前審査でもむことをねらっているとみられます。
法案提出よりも以前のことし中に、政府与党が予算付けで既成事実化するメニューもあるかもしれません。
最終とりまとめは、次のような文章が入りました。
最終とりまとめは「不測時に国民が最低限度必要とする食料について議論した上で、食料安全保障のリスクに応じ、備蓄の放出、買い占めの防止等の初期的な対応に加え、増産指示や流通規制、調達の指示、究極的には食料の配給等、様々な措置が考え得るところであるが、現在、不測時の対応の根拠となる「国民生活安定緊急措置法」や「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(食糧法)等で十分な対応を講じられるのか、必要な義務的措置やそれに関連する財政的な措置等の必要性等について、再度検証を行うべきである」と書き込まれました。
このため、来年の通常国会には、基本法改正案と別に、「国民生活安定緊急措置法及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」を改正する法案または、食糧安全保障新法案が提出されることが、ほぼ確実視されることになりました。
九州・畜産族農相が続きました。内閣改造で、長野県選出では、羽田孜農相、若林正俊農相に続くおそらく3人目、宮下一郎農相が誕生しました。「南信」からは史上初の農相である可能性が高いです。が、衆議院北陸信越ブロック5県で唯一同県だけ「コメ」が県別出荷額首位ではなく(3位)、宮下さんの長野5区は、殖産興業の発展の地であり、人口に占める第1次産業従事者の割合は10%未満のようです。
省の増産要請に応じたら助成金がJAを通じて振り込まれるしくみはありますが、「増産命令」となると、太平洋戦争時の国内の芋をほうふつとすることにもなります。宮下農相のお父さんは、どちらかといえば明治維新で辛酸をなめた地域が多い長野県ではおそらく唯一の陸軍士官学校に入学した(終戦で東大法学部→大蔵省)経験がある国会議員経験者であり、農業者から異例の高支持となっている「2013年からの自民党の増収農政」が曲がり角を迎えるかもしれません。
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