[写真]動員の日当が払われた岸田文雄首相と国光あやの衆議院議員の演説会、2021年10月26日、宮崎信行撮影。
【衆議院本会議 きょう令和3年2021年12月8日(水)】 岩屋毅さんの永年在職表彰がありました。初当選は細田博之議長と同じだとし、単独で演説できるのは落選のおかげだと初めて感じたとしました。傍聴席の奥さんにも感謝。政治改革トリオは岡田克也さんが初出馬からすべて当選、岩屋さんが7年遅れ、簗瀬進さんの議席はないということになりました。岩屋さんは「冷戦崩壊」が政権交代ある二大政党勢力の必要性につながったとしました。軽武装の日本が「冷戦崩壊」の平和の配当を受け取れるかの議論がありましたが、それ以降日本経済は低迷しており、国内冷戦と日本政治はリンクしていなかったのかも。
泉健太さんが代表質問に立ちました。「立憲民主党の代表になりました。現在47歳であり、就職氷河期、ロスジェネ世代、気候変動世代だと立ち上がった」と述べました。「岸田文雄首相(自民党総裁)から17歳年下、志位和夫共産党委員長から20歳年下だが、同じ誕生日だ」としました。
茨城6区などの日当問題について初めて取り上げました。泉さんは政治改革について「先日公開された政治資金収支報告書を見ると、自民党所属議員の収入はダントツであり、派閥の資金力に愕然とする」としました。固有名詞は避けつつ「選挙演説の日当が支払われていた」と断定し「陣営から支援団体に動員を要請して団体が構成員に日当を払って人を集める」ことは「違法ではないかもしれない」との解釈を交えつつも、「こういうことはやめようと各党各会派が呼びかけるべきではないか」としました。 首相は答弁で「選挙に関わる者はすべて法令を守るべきだ」としつつ「各党各会派で議論する問題だ」とかわしました。
泉さんが過労死等防止法の議員立法の成果も念頭に「勤務間インターバルを設けるなどブラック企業をなくすために、新しい資本主義でなく、優しい資本主義を定義すべきだ」とうながしました。泉さんは演説を「17項目の政策提案をした。政策立案政党になる」と宣言しました。
自民党は、甘利明さんがわずか1か月で幹事長を辞め、茂木敏充さんが幹事長となり平成研究会会長となりました。栃木出身者では枝野幸男さんに代わり茂木さんが一気に首相の座に近づきました。茂木さんは「分配というと、経営者から吸い上げて労働者に回すというゼロサムゲームを思うが、我々の分配は違います。神の見えざる手に任せていてはうまくいかないマーケットを官が手を加えることで、アクティブプレーヤーを増やす」との見解を語りました。
立憲民主党2人目は西村ちなみ幹事長が登壇。リベラル色が濃厚な演説となりました。西村さんは、名古屋入管の不適切な管理で亡くなったウィシュマさん遺族の手紙を読んだかと質問。首相は答弁で「亡くなられた方の手紙は読みました。必要な処分をする。ビデオと文書の開示は私からも法務省からの報告を受けたい」と前向きな答弁をしました。
首相はこのほか、労働基準監督官の増員について「確保を図りたい」として検討の余地を示しました。

[写真]立憲民主党の泉健太代表、西村ちなみ幹事長、きのう、宮崎信行撮影。壁に枝野幸男前代表のポスターをはがした跡が残っている。
西村さんは質問で「首相は外相当時、オバマ大統領の広島初訪問にも尽力した。核兵器禁止条約の締約国会合のオブザーバー参加を求めたい」としました。首相は「核兵器禁止条約は核兵器のない世界への出口といえる条約だが、核兵器保有国が参加しておらず、核兵器保有国に関与させることが求められている」とし、保有国であり、我が国の唯一の同盟国であるアメリカとの同盟を重視するのが現実的だとの見解を強調しました。
リベラル色の強い質問を続けた西村さんは「久しぶりの宏池会リベラル政権だ」との認識を示しつつ、憲法改正について、「安倍晋三元首相らに配慮しているのか」と問いました。首相は「現行憲法が今のままでふさわしいか検討する」ことが国会議員に求められている都市、「憲法改正に取り組むのは私の本意だ」と述べました。
辺野古新基地建設について首相は「安全保障上、機動性がある沖縄に米海兵隊があることは日米両国の抑止力になる。普天間の危険性除去を考えると辺野古移設が唯一の選択肢だ」と強調しました。
西村さんは新潟5区での泉田裕彦さんが自民党県議の星野さんから地方議員に現金を配ったり、経常経費を払ったりすべきだとの「裏金の要求」をツイッターや東京議員会館での記者会見を踏まえて、「新潟県の事案」として質問しました。この答弁で、首相は一つ前の「普天間・辺野古」に引きずられたようで、「沖縄の事案」と誤答弁。気づかずに登壇したところ、木原誠二官房副長官が指摘し、海江田万里衆議院副議長にたずねて、答弁を訂正しました。他の閣僚はとくに反応せず、木原さんと首相の距離は近く、首相も「沖縄と申し上げてしまったようです」と木原さんに言われたらすぐに訂正するという風情でした。宏池会という小派閥で長く辛酸をなめたことから、結束の強さを示しました。選挙を経ないで、資金力に勝る自民党公認議員内での疑似政権交代の時代がしばらく続くことになりそうです。
【参議院 きょう】 参議院はありません。
●あすの予定 衆参両院の本会議で代表質問があります。
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