【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也さん、野党連携で共産党の年金マクロ経済スライド廃止「すべて一緒にする必要はない」と容認のかまえ

2019年10月31日 21時03分00秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]JR山手線など「新橋駅」ガード下から撮影した国会議事堂の夜景、東京都千代田区内幸町1丁目から、きょう令和元年2019年10月31日(木)、宮崎信行撮影。

 岡田克也さんは、「無所属フォーラム代表」の立場で、定例の記者会見を開き、14名以上の記者が参加しました。

 国会の混乱については、「安住淳国対委員長が強い決意を示したので、共同会派一丸となってがんばっていきたい」と語りました。共同会派で部会を開く機運も出てきているとしました。

 朝、河井克行法相が辞任し、先週の菅原一秀経産相と2週連続辞任になったことについて「大臣が辞めても、安倍内閣の支持率が下がらないのはいろいろな理由があると思うが、そろそろ限界が来ている」と願望を含めて強調しました。菅義偉官房長官と近い2人の辞任で「官邸内の権力流動化」が起きているのではないかとの憶測について、岡田さんは「河井さんは総理とも近かったはずだ」と多面的な見方を立てました。

 6月から参院選にかけて、共産党の志位和夫委員長が年金マクロ経済スライドを廃止し厚生年金特別会計の積立金を取り崩して基礎年金額を不変にすべきだとの政策を打ち出したことについて「党が違うのだから、すべてを一緒にする必要はないでしょう」と話しました。

 前日第2回会合を開いた中村喜四郎・岡田克也・野田佳彦・江田憲司4名主催の「政治塾」について、共同会派の衆議院1期生のみへの呼びかけから、1・2期生に拡大したとしました。「いい雰囲気になっている」「政治塾は私も勉強になる」と語り、「年内だけでなく、来年もやるかもしれない」と欲張りました。

 同じ時間帯に、れいわ新選組代表の山本太郎前参議院議員と無所属の馬淵澄夫衆議院議員が共催する消費税を見直す勉強会が開かれたことについて「馬淵さんは無所属だから何を言ってもいい」としながら、原則として「選挙に出るとしたらどこかの母体から出るのだから、それに従うのは常識だと思う」と語り、公約にしたがうべきだとの見地から難色を示しました。立憲民主党が「逢坂誠二政調会長・蓮舫参議院幹事長」の連名でしめつけととられかねない文書を出したとの指摘には、部会などと重なることはよくあるとし、自らの「政治塾の定例日は水曜日の午後5時10分だ」とアピールしました。自らの消費税率に関するスタンスは「想像の通りだ」と煙に巻き、自身は10%にこだわらない姿勢をにじませました。

 日曜日に100万票超えで初当選した上田清司・新参議院議員に寄せられる与野党双方からの秋波は「知事としてはうまく一線を画しながら自民党を利用してきたんだと思う」と語り、どちらにもくみしない、独立独歩の姿勢を上田さんがとるのではないかと期待を込めた信頼感を寄せました。

 前夜に枝野代表と福山哲郎幹事長が、小沢一郎さんと会ったことについては言及を控えながら、枝野代表が受け止めなかったとみられる新党構想について「選挙は一つの党でないとたたかえないでしょう。名簿が一つになるのは、一つの党でしょう」との原則を示しながら「時間がないから難しい」と述べ、枝野さんの姿勢に理解を示しました。いずれにせよ、岡田さんは自身の路線を受けいれられなかった先の参院選への不満から、次の衆院選に向けた合従連衡、候補者調整の動きからは距離をとり続けるかまえを維持しました。

 菅官房長官が3000円のパンケーキを食べたと批判されていることについては「個人が自分の給料の中でやるのはとやかく言うべきではない」と容認。質問通告などに関する行政府の共有文書が松井孝治・慶大教授に漏れた件については「民間に漏れたことは好ましくない」とし、質問内容が事前に高橋洋一さんらによってインターネット上で論じられたことについて懸念を示しました。

 30分間の記者懇談会で岡田さんは冒頭、首里城の正殿などの全焼について「極めて残念で驚いている。沖縄のみなさんの気持ちを思うと、適切に表現するのは難しい」とし「これからしっかりと再建に向けて努力しないといけない」と語りました。


枝野幸男立憲民主党代表が10月月例記者会見を急遽中止 国対発信力問われる事態に

2019年10月31日 14時30分00秒 | その他
 立憲民主党の枝野幸男代表は、きょう午後2時半から行う予定だった月例記者会見を急遽中止しました。
 立憲民主党は、午後2時に与野党国会対策委員会会談がセットされたとの追加日程発表とともに、記者会見の延期を発表しました。
 結果的に、この4時間前から、国会審議は衆参ともストップ。早朝に、河井克行法相の辞任と森雅子大臣の就任が発表されました。安住淳国会対策委員長就任後の強行路線で、代表自らの発信力と衆参情報集約力が問われる局面でした。
 安倍晋三内閣は、参院選に勝ったのに、大番頭の菅義偉官房長官の側近である菅原一秀、河井克行両氏が1週間で辞任ドミノとなり、政権内での流動化が始まりました。