[画像]野党時代の仙谷由人さん、馬淵澄夫さん(NHK映像、BS11映像をキャプチャーさせていただいたものを加工させていただきました)
やたら国会中継が多かった今国会で割を食った感がある大相撲の「一年納めの九州場所」。白鵬の連勝ストップしたは残念ですが、むしろその次にしっかり勝ち、連敗しなかったことが素晴らしいと思います。年下でも尊敬できる人物っていっぱいいます。2010年の千秋楽、きっちりと仕上げてほしいものです。内閣総理大臣杯はだれが渡すのでしょうか。
2010年11月26日(金)の参・本会議で仙谷由人・内閣官房長官と、馬淵澄夫・国交相が問責決議を受けました。
これについて27日付日経新聞3面では、2人の有識者(政治学者)の極めて興味深く説得力があるコメントが載りましたので、紹介します。
東大教授の北岡伸一さんが「議院内閣制は衆院での優越を認めているように衆院で物事を決定する。法的拘束力がない参院での問責決議に政権が左右されるべきではない」。 国会法(議会法)の専門家である、大山礼子さん(駒澤大学教授)は、「政府・与党は問責決議を無視しても構わない」「衆院の内閣不信任には内閣は解散で応じることができるが、参院の問責決議には対抗手段がない。『ねじれ』の下では野党がその気になれば全閣僚を問責できる。そのたびに閣僚が辞任していては内閣は立ちゆかない」としています。
私は両教授の意見に賛成だし、とくに大山さんの「その気になれば全閣僚を問責でき、閣僚が辞任したら内閣は立ちゆかない」という言葉にタイヘン大きな説得力を感じる。この辺は日本国憲法を頂点とする公法体系にすきまがあり、憲法改正は現実的でない以上は、このあたりは“不文憲法”として、新しい先例をつくっていくことをためらうべきではないと思う。
菅直人・民主党内閣の歴史的使命は政権交代ある政治の先例をつくっていくことにあります。
そう言う意味では、27日、菅さんは「支持率が1%になっても辞めない」という頼もしい限りの発言をしました。私が菅さんが総理にふさわしいと思っている最大の理由は精神力が強いということです。第46回衆院選での国民の審判があるまで、菅さんが辞めることは許されません。2012年9月の代表選は話し合いということになるでしょう。それに統計学が分かっている人なら、3択(支持する、支持しない、分からない)の質問である支持率調査で、1%という数字が出ることはあり得ない、というクールヘッドを菅さんは持っているようです。
この総理の発言は、民主党反主流派の鳩山由紀夫さんに対して発したものです。鳩山さんは昨年の臨時国会では自民党議員に対して「自民党を飛び出す覚悟で頑張ってほしい」と、二大政党デモクラシーを否定する(理解していない)答弁をしました。そのとき国対委員長だった山岡賢次さんは、会合で「民主党政権は30年続く」というこれも二大政党制を否定する(ないしは卑しい)発言をしたと報じられました。この鳩山・山岡コンビは30日(火)に反主流派の集会を設けていますが、これに参加した1年生議員は良くて当選3回止まりの人材でしかないと断言できます。
さて、最終盤国会ですが、ぜひ、衆参委員会で「日韓図書協定」を承認(→批准へ)してほしいです。100年前の日韓併合条約で、日本は、朝鮮王朝儀軌を合法的に入手しました。だから返還する法的義務はありませんが、外交とはソフトパワーも必要です。日韓併合100周年である2010年はあと1ヶ月間しかありません。次の100年のために、1ヶ月しか待てません。何が何でも通してほしい。
それから、2011年3月24日の知事選告示から統一地方選が始まることを考えると、この会期末に、一般法案も衆院を通過しているものは、成立まで持っていかないと、予算だけやって統一地方選になだれ込むことになってしまいます。来春の実りのために、しっかりと残り1週間、粘り腰が必要です。
そして、最後に、衆・決算行政監視委員長の大村秀章さん、参・決算委員長の鶴保庸介さんは自民党、民主党に関係なく、平成20年度決算を衆参本会議で是認(承認)できるよう死にものぐるいでやってほしいと思います。本来なら、半年前の通常国会中に終えておかねばならないプロセスです。不条理に感じることも両自民党出身委員長にはあるでしょうが、すでに先週、平成21年度決算書が配布されています。まずは根本からしっかりと。責任野党自民党の真価が問われますし、民主党国対も最大限の配慮をすべきです。
ことし最後のしめくくり。しっかりと総仕上げしましょう。
時事ドットコム:仙谷長官と馬淵国交相の問責案の提出理由要旨
仙谷長官と馬淵国交相の問責案の提出理由要旨
仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相に対する問責決議案の提案理由の要旨はそれぞれ次の通り。
【仙谷官房長官】
国難というべき事態が続いており、内閣の要で実質的に取り仕切っている仙谷長官が中枢に居座ったままでは現状打開は望むべくもない。中国漁船衝突事件でビデオが一海上保安官の手で流出した責任は重大。自衛隊を「暴力装置」と表現することは、憲法9条をはじめとする憲法の精神を理解していない。仙谷長官の傲岸不遜(ごうがんふそん)な発言、失策の数々には批判が集中している。一刻も早く、職を辞すことが国益への損失を抑えることにつながる。
【馬淵国交相】
中国漁船衝突事件の映像は、公開を拒否する国会答弁をしながら、長期間、広島県の海上保安大学校のパソコンに保管され、海上保安官なら誰でもアクセス可能だった。今回のネット流出は撮影した海上保安庁からであり、同庁の情報管理体制の不備は明らかだ。一方、八ツ場ダムについては、「今後、中止の方向性には一切、言及しない」と発言して混乱を与えている。住民の生活、将来の人生設計を翻弄(ほんろう)させた発言は無責任だ。(2010/11/26-22:41)
「支持率1%でも辞めぬ」首相、鳩山氏に : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
やたら国会中継が多かった今国会で割を食った感がある大相撲の「一年納めの九州場所」。白鵬の連勝ストップしたは残念ですが、むしろその次にしっかり勝ち、連敗しなかったことが素晴らしいと思います。年下でも尊敬できる人物っていっぱいいます。2010年の千秋楽、きっちりと仕上げてほしいものです。内閣総理大臣杯はだれが渡すのでしょうか。
2010年11月26日(金)の参・本会議で仙谷由人・内閣官房長官と、馬淵澄夫・国交相が問責決議を受けました。
これについて27日付日経新聞3面では、2人の有識者(政治学者)の極めて興味深く説得力があるコメントが載りましたので、紹介します。
東大教授の北岡伸一さんが「議院内閣制は衆院での優越を認めているように衆院で物事を決定する。法的拘束力がない参院での問責決議に政権が左右されるべきではない」。 国会法(議会法)の専門家である、大山礼子さん(駒澤大学教授)は、「政府・与党は問責決議を無視しても構わない」「衆院の内閣不信任には内閣は解散で応じることができるが、参院の問責決議には対抗手段がない。『ねじれ』の下では野党がその気になれば全閣僚を問責できる。そのたびに閣僚が辞任していては内閣は立ちゆかない」としています。
私は両教授の意見に賛成だし、とくに大山さんの「その気になれば全閣僚を問責でき、閣僚が辞任したら内閣は立ちゆかない」という言葉にタイヘン大きな説得力を感じる。この辺は日本国憲法を頂点とする公法体系にすきまがあり、憲法改正は現実的でない以上は、このあたりは“不文憲法”として、新しい先例をつくっていくことをためらうべきではないと思う。
菅直人・民主党内閣の歴史的使命は政権交代ある政治の先例をつくっていくことにあります。
そう言う意味では、27日、菅さんは「支持率が1%になっても辞めない」という頼もしい限りの発言をしました。私が菅さんが総理にふさわしいと思っている最大の理由は精神力が強いということです。第46回衆院選での国民の審判があるまで、菅さんが辞めることは許されません。2012年9月の代表選は話し合いということになるでしょう。それに統計学が分かっている人なら、3択(支持する、支持しない、分からない)の質問である支持率調査で、1%という数字が出ることはあり得ない、というクールヘッドを菅さんは持っているようです。
この総理の発言は、民主党反主流派の鳩山由紀夫さんに対して発したものです。鳩山さんは昨年の臨時国会では自民党議員に対して「自民党を飛び出す覚悟で頑張ってほしい」と、二大政党デモクラシーを否定する(理解していない)答弁をしました。そのとき国対委員長だった山岡賢次さんは、会合で「民主党政権は30年続く」というこれも二大政党制を否定する(ないしは卑しい)発言をしたと報じられました。この鳩山・山岡コンビは30日(火)に反主流派の集会を設けていますが、これに参加した1年生議員は良くて当選3回止まりの人材でしかないと断言できます。
さて、最終盤国会ですが、ぜひ、衆参委員会で「日韓図書協定」を承認(→批准へ)してほしいです。100年前の日韓併合条約で、日本は、朝鮮王朝儀軌を合法的に入手しました。だから返還する法的義務はありませんが、外交とはソフトパワーも必要です。日韓併合100周年である2010年はあと1ヶ月間しかありません。次の100年のために、1ヶ月しか待てません。何が何でも通してほしい。
それから、2011年3月24日の知事選告示から統一地方選が始まることを考えると、この会期末に、一般法案も衆院を通過しているものは、成立まで持っていかないと、予算だけやって統一地方選になだれ込むことになってしまいます。来春の実りのために、しっかりと残り1週間、粘り腰が必要です。
そして、最後に、衆・決算行政監視委員長の大村秀章さん、参・決算委員長の鶴保庸介さんは自民党、民主党に関係なく、平成20年度決算を衆参本会議で是認(承認)できるよう死にものぐるいでやってほしいと思います。本来なら、半年前の通常国会中に終えておかねばならないプロセスです。不条理に感じることも両自民党出身委員長にはあるでしょうが、すでに先週、平成21年度決算書が配布されています。まずは根本からしっかりと。責任野党自民党の真価が問われますし、民主党国対も最大限の配慮をすべきです。
ことし最後のしめくくり。しっかりと総仕上げしましょう。
時事ドットコム:仙谷長官と馬淵国交相の問責案の提出理由要旨
仙谷長官と馬淵国交相の問責案の提出理由要旨
仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相に対する問責決議案の提案理由の要旨はそれぞれ次の通り。
【仙谷官房長官】
国難というべき事態が続いており、内閣の要で実質的に取り仕切っている仙谷長官が中枢に居座ったままでは現状打開は望むべくもない。中国漁船衝突事件でビデオが一海上保安官の手で流出した責任は重大。自衛隊を「暴力装置」と表現することは、憲法9条をはじめとする憲法の精神を理解していない。仙谷長官の傲岸不遜(ごうがんふそん)な発言、失策の数々には批判が集中している。一刻も早く、職を辞すことが国益への損失を抑えることにつながる。
【馬淵国交相】
中国漁船衝突事件の映像は、公開を拒否する国会答弁をしながら、長期間、広島県の海上保安大学校のパソコンに保管され、海上保安官なら誰でもアクセス可能だった。今回のネット流出は撮影した海上保安庁からであり、同庁の情報管理体制の不備は明らかだ。一方、八ツ場ダムについては、「今後、中止の方向性には一切、言及しない」と発言して混乱を与えている。住民の生活、将来の人生設計を翻弄(ほんろう)させた発言は無責任だ。(2010/11/26-22:41)
「支持率1%でも辞めぬ」首相、鳩山氏に : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
菅首相は27日昼、都内の中華料理店で鳩山前首相と会食し、仙谷官房長官と馬淵国土交通相に対する問責決議の可決を受け、党内情勢などについて意見交換した。関係者によると、首相は最近の内閣支持率低下に関し、「支持率が1%になっても辞めない」と述べ、今後の政権運営に強い意欲を示した。
(2010年11月27日17時36分 読売新聞)
時事ドットコム:野党に審議協力求める=岡田民主幹事長
民主党の岡田克也幹事長は27日、三重県川越町で記者会見し、仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の問責決議可決を受け、自民党が今後の国会審議を欠席する構えを見せていることについて「審議拒否はやめて、一本でも多く(法案を)成立させることに協力してほしい」と呼び掛けた。
また、枝野幸男幹事長代理は山口県周南市で、記者団に「問責決議には法的拘束力がなく、2人とも衆院で信任されたばかりなので、直接の影響があってはおかしい」と語り、審議拒否の動きを批判。「党、内閣結束して一歩一歩実績を積み重ねることで、この状況を脱出するために努力したい」と述べた。(2010/11/27-19:17)
時事ドットコム:野党に審議協力求める=岡田民主幹事長
民主党の岡田克也幹事長は27日、三重県川越町で記者会見し、仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国土交通相の問責決議可決を受け、自民党が今後の国会審議を欠席する構えを見せていることについて「審議拒否はやめて、一本でも多く(法案を)成立させることに協力してほしい」と呼び掛けた。
また、枝野幸男幹事長代理は山口県周南市で、記者団に「問責決議には法的拘束力がなく、2人とも衆院で信任されたばかりなので、直接の影響があってはおかしい」と語り、審議拒否の動きを批判。「党、内閣結束して一歩一歩実績を積み重ねることで、この状況を脱出するために努力したい」と述べた。(2010/11/27-19:17)