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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

史上初の両院協議会傍聴記です 

2009年01月27日 23時59分19秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

 (このエントリーの投稿日時は2009年1月30日午後2時です)

 「両院協議会傍聴記」です。とはいえ、両院協議会は非公開ですので、出席者からの聞き取りから再現します。

 1月26日、参院は(補正)予算案を否決。民主党提出の修正案を可決しました。憲政(参院)史上初めてです。

 これに先立ち政府原案を可決していた衆院側(自民党)と両院協議会が開かれました。

 1月26日、27日の2日間にわたった両院協議会ですが、ひたすら「民主党の審議引き延ばし」と報じられました。両院協議会で衆参10人ずつ合計20人が徹底審議しているのに、「審議拒否」とは変な話です。

 これは記者が待たされて体力・気力がつらいし、紙面のメニューも組めないからイライラして、民主党を攻撃していたのです。自分自身も経験があるから分かります。

 第①ラウンド「一般会計に関する両院協議会」はくじ引きで、参院側の北澤さんが議長に。第②ラウンド第2日目は慣例に基づき衆院側に。

 そして、この後、第③ラウンドとして「政府関係機関予算に関する両院協議会」で再度、くじ引き。さてどちらがくじ引きに勝ったのかというと、衆院(自民党)。これを見た2人の若い女性TV記者がガッツポーズをしていました。早く終わるからです。これがマスコミの実態です。

 北澤議長は両院協議会で、「ここで交渉が決裂して、憲法の規定で衆院の議決が国会の議決になるのではなく、この協議会で(衆参の)成案を得ましょう」と話しました。衆院自民党はひたすら早く成立させたいという態度が見え見えだったようですが、途中からは双方に「成案を得たい」という機運が出てきたことは「特筆すべきだ」(北澤さん)。

 ねじれ国会の下、通算5回目の出席となった参院社民党の近藤正道議員は、最後に議長の許可を得て「通算5回目の出席になるが、きょうは驚きました。これまでは政府案を追認するセレモニーでした。今回は接点を見いだせなかったが、次の総選挙を経て、本当の意味での両院協議会ができるのではないでしょうか」と発言しました。

 副議長の石井一さんは「自民党国対委員長の大島さんが『(民主党は)予算を人質にしている』と発言したが、これは憲法を蹂躙する発言だ。鳩山総務相も同様の発言をしたらしい。両院協議会は議員や大臣を呼び出せることになっているんだから、大島議員、鳩山総務相を呼び出したっていい」と牽制しました。

 ピンさんは「散会してから、自民党議員が『あれは正論でした』と言い出した」と苦笑い。

 さて、1月28日の参院本会議で北澤さんが同僚議員に報告したのが次の動画。ところが、自民党は初めからヤジ。これはおかしな話で、参院としては、協議会の結果を聞くのはこれが初めてなのです。


北澤俊美・両院協議会議長の報告を聞こうとしない自民党&マスコミ
 

北澤俊美両院協議会議長の報告をヤジる自民党 2009年1月28日参院本会議
 

 報道を鵜呑みにして、民主党の国会日程引き延ばしときめつけた自民党議員。党利党略もあるでしょうが、待機して疲れたことから来るヤジでしょう。

 しかし、デモクラシーには時間がかかるのは世界の常識。自由民権運動が始まってから、帝国議会が119年前にできるまでどれだけの時間(および血)がかかったのか参院自民党はご存じないのか? 国会中央広間1階に鎮座まします板垣退助さんに教えてもらったら、どうですか。

 マスコミも問題です。「両院協議会を記者に公開し、TVカメラも入れて欲しい」と申し入れたのでしょうか? 国会の交渉がこじれるというのは、新聞にとってはネタが増えるありがたいことですよ。私が社員記者をしていた10年前は、議事堂の地べたに座って文庫本を貪り読みながら会議が終わるのを待っていました。『坂の上の雲』全8巻は国会の廊下で読了しました。最近は立ったまま、ケータイをピコピコ、パソコンをカチャカチャ。衆参事務局職員、政党職員、衛視さん、SPさんら裏方さんと会話する記者もいないようです。
 
 今回の両院協議会を振り返っての感想です。

 北澤さんは「常任委員会は常設なのに、両院協議会は衆参が不一致になったとたんに立ち上がる。常設にして、党幹部や国対委員をメンバーにしておくという案もあるのではないか」。

 ピンさんは「議決は多数決となっている。しかし、くじ引きで議長になると、その院のメンバーは9人になる。だから、途中で採決動議を出されると、9対10で決まってしまう」という構造的な問題を指摘しました。

 北澤さんは「これから政権交代ある政治になると、二院制によるねじれがまま起きるだろう。ねじれ国会としての高い知見を持つべきだという考え方が両院から多く出た。新しい扉が開けた」と総括しました。

 ピンさんは「私たちが問題にしていたのは、予算というよりも定額給付金だったのに、衆院側はひたすら予算を早くあげようとしていた。(2005年選挙の)衆院の議決は(2007年選挙の参院とちがい)民意と離れている。自民党の連中もその辺は分かったと思う」と成果を感じました。

 とはいえ、北澤さんもさすがにくたびれたようで、民主党参院議員総会室で、「まあ衆院選で政権交代するから、両院協議会はしばらくないですね」と言って、ピンさんから「(選挙が終わる前から)のんびりしたこと言ってんじゃないよ!」とたしなめられていました(^^;)

 その上でピンさんは「今回は補正予算だから視界を見渡してほどほどでやめたが、本予算ではただでは済まないぞ!」。

麻生解散先延ばし&兵糧攻めで、「政権交代」は楽ではないとつくづく感じます。でもこれは「政治を国民に取り戻す」チャンスでもあります。
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