恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

小説を検索しやすくするためインデックスを作りました

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インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。

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茶倉譲二 続編第八話~その2

2015-11-25 08:00:28 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第八話~その2

〈譲二〉

重たい気持ちを持て余しながら、やっとクロフネに帰ってきた。



賑やかな声を上げながら、店から出てくるお客さんが数名。

自然に会釈する。

向こうは俺がこの店のマスターであることを知ってか知らずか、笑顔で会釈を返してくれた。


(そっか…。お客さんたちも楽しく過ごしてくれたんだな)


店の看板を見上げる。


(すまないけど……しばらく休んでいてくれよな…。必ず帰ってくるから…)


カラカラ~ン♪

元気よくドアを開け、努めて明るい声で言う。


譲二「みんな、ただいま」

百花「マスター!」


百花ちゃんが輝くような笑顔で駆け寄って来た。


譲二「百花ちゃん…ただいま」

百花「おかえりなさい…」


2人で見つめ合う。



(あ~あ、2人っきりなら思い切り抱きしめるのに…)


その3へつづく


茶倉譲二 続編第八話~その1

2015-11-24 07:41:02 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第八話~その1

〈譲二〉

茶堂院グループの吸収合併の詳細を聞くために、実家に泊まりこんで二日目。

話し合いの合間に、時間を作ってクロフネに電話した。

♪~
コールがやたら長く感じられる。

やっと受話器が外され、百花ちゃんの明るい声がした。

俺は勢いこんで喋り出した。


譲二「百花ちゃん! 何もされてない! ?」


百花ちゃんの戸惑った声が俺の名を呼ぶ。


譲二「リっちゃんからラブラブな写真届くし」

譲二「百花ちゃん、メール返してくれないし…俺、すごい心配して…」

百花『ご、ごめんなさい! 携帯、確認し忘れてて…』


単なる確認のし忘れか…。

瞬間、脱力した。

ハハ、そうだよね。

こんな短期間に何かあるはず無いよね…。

百花ちゃんに限って。


譲二「いや…こっちこそ、ごめん…取り乱しちゃって…」

百花『あの…そちらはどうですか…?』

譲二「とりあえず大まかな事情は聞けたから、もうすぐ帰るよ」

譲二「店はどう? みんな大変じゃない?」


耳を澄ますと、携帯を通してクロフネで働くみんなの声が聞こえてくる。

昨日もそうだったけど、俺がいなくてもみんな楽しそうにやってるみたいだ。

いつもより賑やかだけど、これがクロフネの日常だ。

今までは俺もあの中にいた。

そして、ずっとあの中にいるんだと疑うことなく思っていた。


譲二「…元気みたいだね」

百花『ふふっ! なんだか大騒ぎですけど…』

百花『でもあい子さんも気にしてずっといてくれてるし、心強いです』

譲二「そっか…じゃあできるだけ急いで帰るから、よろしくね」

百花『はい』


百花ちゃんが受話器を置こうとする気配がしたので、慌てて名前を呼んだ。


百花『はい、なんでしょう?』


もう、その当たり前の日常には戻れないと思うにつけ、彼女に気持ちを伝えずにはいられなかった。


譲二「大好きだよ」

百花『えっ…』

譲二「じゃあね」


そっと電話を切った。

今までみたいに一緒にはいられないけど。

離れていても、何があっても、百花ちゃんを好きな気持ちには変わらない。

実家を手伝うことにしたと、辛い決心を伝える前に、彼女にその気持ちだけは伝えておきたかった。


その2へつづく


ハルくんの独り言(本編15話)~その5

2015-11-20 08:15:45 | 吉祥寺恋色デイズ 種村春樹

ハルくんルート本編をハルくん目線から妄想してみた。
o(〃^▽^〃)o

ハルくんの独り言(本編15話)~その4へ


☆☆☆☆☆
種村春樹
身長:177cm 体重:60kg 血液型:A型 特技:勉強・空手 性格:明るいしっかりもの。 優しくて明るい爽やか少年。小さなころからしっかりもので泣いているとお花をくれた思い出がある。
4月25日生まれ

☆☆☆☆☆
ハルくんの独り言(本編15話)~その5

どうしたら佐々木に笑ってもらえるんだろう?

自分の心の中を探る。


何かとてつもなく大事なことを忘れている気がする。


あと少しで思い出せそうなのに思い出せないこと…。

だけどそれはとても大事なことだ。

☆☆☆☆☆


俺は逃げ出した佐々木を探しながら、自分の頭の中も必死で探っていた。


そしていつしか足は、前に佐々木とストラップの話をした土手に向かっていた。


向こうに小さな人影が見える。

佐々木だ!


どんなに小さくても絶対に見間違えたりはしない。



必死で走っていく。


春樹「はぁはぁっ…ここにいた…」

佐々木「ハルくん…」

春樹「佐々木、走るの早すぎ! 探すのどれだけ大変だと思って…」


佐々木を見つけたのがあまりに嬉しくて。

その佐々木目がけて走るのに一生懸命で、その横に別な人物がいるのに気付いてなかった。


春樹「わ! 一護! ごめん! 2人でいるなんて思わなくて…」

一護「どんだけ、俺の存在感薄いんだよ」

春樹「悪い、邪魔だったな」

一護「…邪魔なのは俺の方だわ。俺、もう行く。ハル、お前ももうちょいしっかりしろよ」

春樹「俺?」

百花「一護くん。きっと、一護くんがいなかったら私。ダメになってた。ほんとにありがとう」

一護「…うっせ」


一護は肩をすくめると、一人で帰って行った。



俺は佐々木に聞いてみた。


春樹「…なあ、佐々木。俺が忘れたのって…とんでもなく大事なことじゃない?」

百花「ハルくん…」


佐々木はやっぱり悲しそうな目で俺をみつめてる。

その目は俺の問いを肯定していた。


(やっぱり、そうなんだ!)


とんでもなく大切なこと、絶対忘れちゃいけないこと…。

必死で考えてみる。

頭にかかったあのもやを取り除けば…そしたら…。

だけど…。

(あともう少しなのに…なんで、思い出せないんだろ…)


春樹「ごめん、あと少しで思い出せそうなのに…」

百花「ハルくん、焦っちゃダメだよ」


佐々木は精一杯の笑顔でそう励ましてくれた。

だけどその笑顔は、とっても辛そうだ。

とても、見てられない。


春樹「けど…佐々木、辛そうだよ」

百花「そんなことないよ! もう、泣かないって決めたし!」

佐々木は言う。

百花「思い出せないなら、新しい想い出、作ればいいんだもん」


佐々木の健気な笑顔が眩しい。

(ごめん、佐々木、俺のせいで…)


百花「あ! もちろん、諦めようってことじゃないよ? ちょっとしたことで、思い出すかもしれないし!」

春樹「ちょっとしたこと?」

百花「うん、例えば…」


佐々木は頭を傾けてそっと考えこんだ。

そして、何かを思いついたようにその顔は輝いた。

百花「ハルくん、四つ葉! 四つ葉のクローバー探そう!!」

春樹「四つ葉? どうしたんだよ、急に…」

百花「四つ葉の花言葉は『幸福』でしょ? ハルくんの記憶、戻してくれるように願掛けしよう!」


どうして佐々木が急に元気になったのかは分からない。

だけど、その佐々木の声には、明るい希望の響きがあった。


春樹「わかった…一緒に探そう!」


俺たちは子供の頃にそうしたように、クローバーの茂みを覗き込みながら、四つ葉を探し始めた。


ハルくんの独り言(本編15話)~その5〜おわり

 

ハルくんの独り言(本編最終話)子供時代の思い出~その1へ

 

 


ハルくんの独り言(本編15話)~その4

2015-11-19 08:15:02 | 吉祥寺恋色デイズ 種村春樹

ハルくんルート本編をハルくん目線から妄想してみた。
o(〃^▽^〃)o

ハルくんの独り言(本編15話)~その3へ


☆☆☆☆☆
種村春樹
身長:177cm 体重:60kg 血液型:A型 特技:勉強・空手 性格:明るいしっかりもの。 優しくて明るい爽やか少年。小さなころからしっかりもので泣いているとお花をくれた思い出がある。
4月25日生まれ

☆☆☆☆☆
ハルくんの独り言(本編15話)~その4

やがて、結婚式も終わりそうになった。

佐々木に促されて教会の外に出る。



道々、結婚式の感想を話しながら歩いた。

佐々木は小さなため息といっしょに呟いた。


百花「いいなー…」

春樹「え?」


佐々木は頬を赤らめて言い訳をした。


百花「少し羨ましくなって…」

春樹「だから、うっかり呟いちゃったんだ?」

百花「だって、あの花嫁さん、すごく綺麗じゃない?あんな風になれたらいいなーって」

春樹「なーんだ、そういうことか! それなら、きっと佐々木の方が、綺麗な花嫁さんになると思うよ」


佐々木があのウェディングドレスを来た姿を思い浮かべてみる。

うん、佐々木だったら、今日の花嫁さんより何十倍も綺麗だ。


春樹「真っ白なドレス、絶対に似合うし!」


俺の言葉を聞いた佐々木が、また、ぼんやりしている。


春樹「佐々木? どうかした?」

百花「ううん、何でもない!」


佐々木はいつも「何でもない」っていうけど…。

そんな時の佐々木は本当に辛そうなんだ…。

何でそんなに辛そうなんだろう。

子供の頃、佐々木は何でも俺に相談してくれてたっけ。

今だって、俺が記憶喪失になんかなってなかったら……、そしたら、佐々木に相談してもらえたんだろうか?



春樹「そんな顔、するなよ…。今の俺には言えないこと?」

百花「え?」


佐々木が驚いたように俺をみつめる。

また……何かまずいことを言っただろうか?


春樹「あ、いや、違うんだ…。一護達から、佐々木とはもっと仲良くなってたって言われてさ…。
もしかして記憶なくす前だったら、ちゃんと相談してもらえたんじゃないかなって思って」

百花「どういうこと?」

春樹「佐々木、俺に言いたいこと、あるだろ? ちゃんと言ってくれていいよ」

百花「べ、別にそんな風に思ったことなんて…」

春樹「じゃあ、何でそんなつらそうな顔するんだよ!」

春樹「佐々木が戻ってきたこと、忘れててもさ…俺は…佐々木の幼なじみだろ?」


(俺たち、仲良かったよな…。俺もっと佐々木に信頼されたいよ)

ふと、佐々木を心配して、一生懸命慰める一護の姿が目に浮かんだ。

(そうだった。今は俺より一護との方が仲がいいのかもしれない)


春樹「そりゃ…佐々木には、一護がいるわけだし、別に俺じゃなくてもいいかもしれないけど…それでも、寂しいっつーか…」


俺を見つめる佐々木の瞳からじんわりと涙が溢れてきた。


(あ、俺そんなつもりじゃ…)


一生懸命あやまったけど、佐々木は「ごめんなさい」というと俺の制止を振りきって、走って行ってしまった。


ショックですぐに佐々木を追いかけることが出来なかった。



俺は、何で佐々木をいつも泣かせるようなことを言ってしまうんだろう?

俺は佐々木の力になりたいのに…どうしたら佐々木に笑ってもらえるんだろう?

どうしたら?


その5へつづく