恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

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茶倉譲二 続編第八話~その1

2015-11-24 07:41:02 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第八話~その1

〈譲二〉

茶堂院グループの吸収合併の詳細を聞くために、実家に泊まりこんで二日目。

話し合いの合間に、時間を作ってクロフネに電話した。

♪~
コールがやたら長く感じられる。

やっと受話器が外され、百花ちゃんの明るい声がした。

俺は勢いこんで喋り出した。


譲二「百花ちゃん! 何もされてない! ?」


百花ちゃんの戸惑った声が俺の名を呼ぶ。


譲二「リっちゃんからラブラブな写真届くし」

譲二「百花ちゃん、メール返してくれないし…俺、すごい心配して…」

百花『ご、ごめんなさい! 携帯、確認し忘れてて…』


単なる確認のし忘れか…。

瞬間、脱力した。

ハハ、そうだよね。

こんな短期間に何かあるはず無いよね…。

百花ちゃんに限って。


譲二「いや…こっちこそ、ごめん…取り乱しちゃって…」

百花『あの…そちらはどうですか…?』

譲二「とりあえず大まかな事情は聞けたから、もうすぐ帰るよ」

譲二「店はどう? みんな大変じゃない?」


耳を澄ますと、携帯を通してクロフネで働くみんなの声が聞こえてくる。

昨日もそうだったけど、俺がいなくてもみんな楽しそうにやってるみたいだ。

いつもより賑やかだけど、これがクロフネの日常だ。

今までは俺もあの中にいた。

そして、ずっとあの中にいるんだと疑うことなく思っていた。


譲二「…元気みたいだね」

百花『ふふっ! なんだか大騒ぎですけど…』

百花『でもあい子さんも気にしてずっといてくれてるし、心強いです』

譲二「そっか…じゃあできるだけ急いで帰るから、よろしくね」

百花『はい』


百花ちゃんが受話器を置こうとする気配がしたので、慌てて名前を呼んだ。


百花『はい、なんでしょう?』


もう、その当たり前の日常には戻れないと思うにつけ、彼女に気持ちを伝えずにはいられなかった。


譲二「大好きだよ」

百花『えっ…』

譲二「じゃあね」


そっと電話を切った。

今までみたいに一緒にはいられないけど。

離れていても、何があっても、百花ちゃんを好きな気持ちには変わらない。

実家を手伝うことにしたと、辛い決心を伝える前に、彼女にその気持ちだけは伝えておきたかった。


その2へつづく