2月7日、河北新報の「河北春秋」のコラムです。
あの言葉がなければ、こんなに反発が広がることもなかったろう。「値上げは義務というか権利でもある」と記者会見で昨年末、東京電力の社長が口にした………
▼そこで電力会社はさまざまな費用をひっくるめて、電力料金を決めてきた。この方法だと会社が赤字になる心配が全くない。ぬるま湯だ。長年漬かっていると、思考経路が常識から離れていくのは当然か
▼社長会見は原発事故の不手際を謝罪し、心ならずも値上げを利用者に願う場だったはずだ。ところが権利を口にする。その姿勢に危機管理のありようの一端が見えそうだ。つまりは危機意識を欠く
▼値上げには大口利用者の東京都が激しく反発している。中小企業も怒りを抑え切れない。経済産業省の有識者会議も先週、報告書案を固めた。電力各社の値上げに歯止めをかける内容だ………