このところ、急にお客様から、手持ちの古い家具があるのだけれど、
或いは古い材料持っているのだけれど、また或いはネットでこんな材料仕入れたのだけれどと言う話が舞い込みます。
その材料で二胡を作って欲しいとのことです。
中には相当真剣に、家具の画像など送ってくれる方もいらっしゃいます。
花梨であったり、黒檀であったりします。
画像だけですから、私もとんでもない間違いをします。
これはどうも本紫檀(黒い酸枝木を日本では本紫檀と呼んでいたようです)ではないかと、木場に持ち込んだら。
これは、紫タガヤサンと一発で言われました。
「良い木だよ」とも言われましたが、「これ製材したくないよ」とも。
何でですか?
「この木はね、石灰噛んでるんだよ」
確かに裏の芯の方を見ると、白いラインが見えます。チークや黒檀などにも、この白いラインは見かけます。
本紫檀にも入っているそうです。
木の生えていた土地に石灰分が多く、その石灰が木の中に残るのです。
「バンドソウ刃を替えたばかりだから、もう少し切れなくなってからやっておいてあげるよ」
お願いしてその日は帰り、一週間ほどして取りに行くと、もう殆ど使えない位細かい罅だらけ、かろうじて二胡一台と言うところでしょうか。
またある時には、都内のお客様からメールをいただいて、ご先祖様が、何時かこれで良い家具作ろうと思っていたコウキ紫檀が有るんだけれど、とのこと。
東京をまたいで東の外れまで行って見せて頂きました。
これも残念ながら、コウキ紫檀ではありませんでした。何しろ幅が30センチもあるような板です。
「これはコウキではないですね」
「そんなことはない、私はずーとコウキだと言われてきたんだから、貴方の間違いでしょう」
「いえコウキは、こんなに太いのは無いのです、丸太にしても直径で20センチもあればもう大変な良材です」
とお伝えしたのですが、その木は私の見たところ、どうもチンチャンのようです。
「チンチャンでもとても良い楽器になるのですよ」とお伝えしたのですが、随分がっかりされていたようです。
その後しばらくして、もう一度その方からメールが来て、木場に持ち込んで調べてみたのだそうです。
やはりチンチャンでした。
古い材と言うのは、その乾燥状態で随分木の状態も違います。
丸太や角材で見るのと板にしてみるのとでは大変代わります。どのような状態で乾燥させていたかというのがとても大きいことなのです。
先日も、コウキ出たよ、とのこと喜び勇んで木場に行きました、なかなか太い材料で、直径で15センチあるでしょう。
小口を見てもかなりしっかりしていそうです。
木場の親父さんも
「これなら十分取れるのじゃない?」
二人でニコニコとさっそく製材、とにかく長さに揃えます。
何と中は大きな洞、殆ど内部が腐っていました。
コレどこに置いてあったの?
「いやー、コウキだと思っていなくて、前の持ち主が、どうも外に立てかけてあったらしいよ」
何と言うもったいないことでしょう。
比較的二胡に作れそうなのは、やはり家具として仕立てられたものでしょうね。
以前いただいたお話で、さっそく神奈川の有るお宅に見せてもらいに行きました。
真黒でした。
「多分黒檀だとは思うのですが、何しろ真っ黒で重くて、今は座卓は使わないです。でも捨てるには惜しいです」
と言うおはなしでした。
「天板に罅は入っていますか」とお伺いしたところ。
「そうなんです。こんなひび割れたものはもういらないと子供達も言う物ですから、でも二胡なら作れるかもしれないと、、、黒くて重いから、、、、、本物ではないかもしれないのですが、、、」と言うお話です。
これはもしかしたら本物と、思いながらお伺いして、やっぱりという感じでした。
黒檀は罅が入るのが普通ですよ、ここまでひび割れれば、二胡につくった後壊れにくいから余計良いでしょう。
それなりに家の中で大切に保管されていたでしょうから、そしてもちろん良く乾いています。
90センチぐらいの座卓でしたら上手くすれば二胡を、4台以上とれそうな物も有ります。
家具にするくらいですから良い木目ですし。
ただこの時気をつけなければいけないのは、家具にするというのは木目を見せるために板目で採った場合が多いのです。
ですから、以前お話しいただいたことが有った木の場合、折角の良い本紫檀の板が、板目だったのです。
これだと、後から動きますから、胴は作りきれません。
お客様に話して、二胡の胴を作っても動いてしまうかもしれませんよ。
「その時には直せるのですか」
「もちろん直せます、それに、少し時間をかけて私の工房で人工乾燥すれば、例え板目でもなんとかなるかもしれません」
「どのくらい乾かせばよいのですか」
製材して、それから日陰で3年、そして人工乾燥で、半年、ですかね。
お客様「絶句」
或いは古い材料持っているのだけれど、また或いはネットでこんな材料仕入れたのだけれどと言う話が舞い込みます。
その材料で二胡を作って欲しいとのことです。
中には相当真剣に、家具の画像など送ってくれる方もいらっしゃいます。
花梨であったり、黒檀であったりします。
画像だけですから、私もとんでもない間違いをします。
これはどうも本紫檀(黒い酸枝木を日本では本紫檀と呼んでいたようです)ではないかと、木場に持ち込んだら。
これは、紫タガヤサンと一発で言われました。
「良い木だよ」とも言われましたが、「これ製材したくないよ」とも。
何でですか?
「この木はね、石灰噛んでるんだよ」
確かに裏の芯の方を見ると、白いラインが見えます。チークや黒檀などにも、この白いラインは見かけます。
本紫檀にも入っているそうです。
木の生えていた土地に石灰分が多く、その石灰が木の中に残るのです。
「バンドソウ刃を替えたばかりだから、もう少し切れなくなってからやっておいてあげるよ」
お願いしてその日は帰り、一週間ほどして取りに行くと、もう殆ど使えない位細かい罅だらけ、かろうじて二胡一台と言うところでしょうか。
またある時には、都内のお客様からメールをいただいて、ご先祖様が、何時かこれで良い家具作ろうと思っていたコウキ紫檀が有るんだけれど、とのこと。
東京をまたいで東の外れまで行って見せて頂きました。
これも残念ながら、コウキ紫檀ではありませんでした。何しろ幅が30センチもあるような板です。
「これはコウキではないですね」
「そんなことはない、私はずーとコウキだと言われてきたんだから、貴方の間違いでしょう」
「いえコウキは、こんなに太いのは無いのです、丸太にしても直径で20センチもあればもう大変な良材です」
とお伝えしたのですが、その木は私の見たところ、どうもチンチャンのようです。
「チンチャンでもとても良い楽器になるのですよ」とお伝えしたのですが、随分がっかりされていたようです。
その後しばらくして、もう一度その方からメールが来て、木場に持ち込んで調べてみたのだそうです。
やはりチンチャンでした。
古い材と言うのは、その乾燥状態で随分木の状態も違います。
丸太や角材で見るのと板にしてみるのとでは大変代わります。どのような状態で乾燥させていたかというのがとても大きいことなのです。
先日も、コウキ出たよ、とのこと喜び勇んで木場に行きました、なかなか太い材料で、直径で15センチあるでしょう。
小口を見てもかなりしっかりしていそうです。
木場の親父さんも
「これなら十分取れるのじゃない?」
二人でニコニコとさっそく製材、とにかく長さに揃えます。
何と中は大きな洞、殆ど内部が腐っていました。
コレどこに置いてあったの?
「いやー、コウキだと思っていなくて、前の持ち主が、どうも外に立てかけてあったらしいよ」
何と言うもったいないことでしょう。
比較的二胡に作れそうなのは、やはり家具として仕立てられたものでしょうね。
以前いただいたお話で、さっそく神奈川の有るお宅に見せてもらいに行きました。
真黒でした。
「多分黒檀だとは思うのですが、何しろ真っ黒で重くて、今は座卓は使わないです。でも捨てるには惜しいです」
と言うおはなしでした。
「天板に罅は入っていますか」とお伺いしたところ。
「そうなんです。こんなひび割れたものはもういらないと子供達も言う物ですから、でも二胡なら作れるかもしれないと、、、黒くて重いから、、、、、本物ではないかもしれないのですが、、、」と言うお話です。
これはもしかしたら本物と、思いながらお伺いして、やっぱりという感じでした。
黒檀は罅が入るのが普通ですよ、ここまでひび割れれば、二胡につくった後壊れにくいから余計良いでしょう。
それなりに家の中で大切に保管されていたでしょうから、そしてもちろん良く乾いています。
90センチぐらいの座卓でしたら上手くすれば二胡を、4台以上とれそうな物も有ります。
家具にするくらいですから良い木目ですし。
ただこの時気をつけなければいけないのは、家具にするというのは木目を見せるために板目で採った場合が多いのです。
ですから、以前お話しいただいたことが有った木の場合、折角の良い本紫檀の板が、板目だったのです。
これだと、後から動きますから、胴は作りきれません。
お客様に話して、二胡の胴を作っても動いてしまうかもしれませんよ。
「その時には直せるのですか」
「もちろん直せます、それに、少し時間をかけて私の工房で人工乾燥すれば、例え板目でもなんとかなるかもしれません」
「どのくらい乾かせばよいのですか」
製材して、それから日陰で3年、そして人工乾燥で、半年、ですかね。
お客様「絶句」