松脂は植物です。

こんな硬い塊になっていますが、本来は木の内部に液体として流れてます。
その油分だけを取り出して固形部分が様々人の日常でも使わて手います。
一番親しみのあるのは紙の滲み止め、そして画像などを印刷紙の光る表面ですね。
さて、擦弦楽器用のロジン。
光舜堂の場合は単に溶かして固めたのではなく熟成させています。
植物は熟成すると、お酒にもなりワインにもなります。
それらを更に加熱蒸留すると、焼酎やブランデーなどにも変わります。
メープルシロップなどでも、木から採取したばかりでは大した甘さにはなりませんが、それを加熱して熟成してメープルシロップになります。
漆などもそのままではなくクロメという加熱作業によって水分を飛ばしたりして純度を上げます。
植物から採れるものには様々なものが含まれていて加熱などで純度を上げる必要があります。
松脂は使いたいのはその粒子です。
それが弓の毛に付着して弦を振動させます。
均一で細かければ細かいほど弦は綺麗に一定に振動します。
その、大本になるのが「基」と呼んでいるもので、これがすべての光舜松脂の原料となります。

天然で数十年地中で熟成されたものは、木から採っただけのものが様々な物質と混ざり合った状態で採取されます。
ゴミや木の粉などは取り除けますが熟成の過程で結晶の違うものは取り除けず様々な硬さや形が混ざっています。
ですからでしょうね、採取した地方それぞれで違う音色になったりもします。
ですから、同じ一つの形と硬さに作られた「基」は他の松脂では引き出せないほどの倍音を引き出せます。
ただそれには温度管理が難しいですね。
夏場の暑い時期ですと硬い音の「基」が出来てしまいます。
この暑い時期だからこそできる「煌」きもあります。
漆などもクロメの作業は加熱と言っても40℃以下で行います。
ですから夏場の天日で行ったりしていました。
60℃以上になると漆は固まらなくなってしまいます。
光舜松脂「基」もこの時期ですと1月くらいで大変良いものが出来ます。
冬場はかなり温度管理はしていてもやはり1カ月半くらいは掛かってしまうのです。
不思議ですね!
木や花の目が続々と花開くこの時期、松脂も元の植物の要素が現れるのでしょうか。
松脂工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ