ある大手の洋楽器の楽器屋さんから光舜松脂を扱いたいと、お申し出がありました。!!
考えられなかったことなのです!
たかが、細々と作っている二胡屋にこんな話が舞い込むとは思いもしなかったです。
それも、何とか協力したいという、通常ではありえない条件を認めていただきました。
なにしろ数は作れない、納期も一定ではない、そんなメーカーは普通相手にされないです。
その上原料の松脂は時価なのです、今のところ上がり続けています。
私はこの光舜松脂はいずれは世界のヴァイオリン業界に細々とながらも定着してほしいと思っています。
それは、擦弦楽器の良い音を最初に音にするのが松脂だからと考えているからです。
松脂がないと弓毛は弦を振動させられません。
昔は天然熟成の松脂を拾ってきて弓毛に塗っていたのでしょう。
しかし、世界中にヨーロッパ音楽が広がるとともに、ヴァイオリンなども年間数十万台制作されるようになってきました。
でも、松脂がないとヴァイオリンは鳴らないのです。
ヴァイオリンが世界に広まるとともに、拾ってくるだけでは松脂は需要に追い付かなくなってきたのでしょうね。
そこで現行の簡易な松脂が販売されるようになってきたのだと思います。
各メーカーはそれぞれ工夫して松脂の原液に、カーボンを入れたり糖分を入れたりオイルを入れたり、もしかするとなるべく昔の天然松脂に近い物あるいはそれ以上の物と研究したのだとおもいます。
しかし、何かを加えることでは天然松脂の純度の高いとんでもなく細かい粒子が引き出す音にはかないません。
天然に数十年熟成されることで反対に何かを加えるよりは純度が上がっていくからです。
天然熟成の松脂の音は生音でもかなり違いは分かりますが、録音してみるとその差はさらにはっきりと表れます。
そして、身近で聞くよりも、ホールで弾くとその差はさらに現れてきます。
光舜松脂は天然に熟成された松脂の様々なパターンを今のところ0,1,K20と3つの安定したパターンに作り上げました。
今更に次の物も作り出そうとはしています。
それは00と名前を付けたものですが、まだ完全な形ができるのに偶然の要素が多く難航しています。
安定して作れるようになりましたら、これは光舜堂と弦堂さんだけでの発売になるとかんがえています。
しかし、大変ありがたいことです、こんな商業主義全盛の時代に、光舜松脂の優れたところを認めてそれを広げるために協力したいというお申し出があるとは思いもしなかったです。
月末にはどこの店舗で扱ってくれるのかもはっきりするはずです。
当然その店舗ではお試しもできるようになります。
またその時にはお知らせいたします。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ