講演会が終わり、最後に質問コーナーがあった。
気の利いた質問が思いつかなかった。唯一聞きたかったのは、「惠子」という漢字表記が
昔は「恵子」だったのが変わったことだった。
しかし、フリーの質問とはいえ、講演内容にそぐわないので手を挙げなかった。
時間もすでにオーバーしている。
最後に司会者の挨拶の時に「著書を購入した人に竹宮先生がサインします」と言われた。
私は、もしやと思い、本を持参して来ていた。ここで購入の本でなければだめなのか、
司会者に聞くために壇上に上がった。
特に否定はされなかった。人が殺到し始めたので「こちらにお並び下さい」とあわてていた。
質問のために前方に来ていたので列の前の方に並ぶことが出来た。
順番が来て、サインを書いて頂いた。
そして、「握手して下さい」と私は言った。
私の前の学生がサインだけで素っ気なく行きすぎるのを残念に思っていたので。
にっこりして竹宮恵子先生は握手してくれた。
最高のひとときだった。
竹宮惠子先生、ありがとうございました。
会場 友愛館Agoraを後にした。
「空がすき」が好きだった。
あっちこっち破れて傷んでいる。
竹宮先生の本も他の本ももう一度読み返さないだろうと思って処分した本がある。
しかし、「空がすき」「ファラオの墓」「風と木の詩」は残していた。
こんな本も書棚にある。
竹宮惠子先生が萩尾望都先生に嫉妬(こういう表現が合っているのかわからないのだが)していたとの告白には驚いた。苦しくなって、大泉サロンを出て行ったのだ。(著書より推察)
当時の大泉サロンには様々な作家が出入りしていた。
佐藤史生さん、坂田靖子さん、他多数。(本を読んで下さいね)
萩尾望都さんの「ポーの一族」も手放さずに書棚にある。
京都精華大学が京都のどのあたりにあるのかも知らず、国際会館って聞いたことがあるなぁ、だった。
京都の地下鉄に乗り、スクールバスに乗ってはるばる来たかいがあった。
頂いてきたチラシや広報誌。
大学構内は新緑に包まれていた。
自由の空気に触れた気がした。
月がすべての出来事を見ていた。
時間が流れた。
もしかしたら、ジルベールとセルジュが二人で昼寝していそうな黄緑の木を見つけた。
学生たちは二人を見ても普通にあるいている。ふたりはそこに溶け込んでいるのだ。