けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

その5:木造船

2012-03-03 22:12:34 | 浜あるき
仮の造船所で、仕事してます。しびれます。
磯船は、安定のいい木造を愛する漁師さんが、まだけっこういるそうです。
下の写真のような船を作っています。
大工道具はすべて流されたので、もらい物のこんなカンナを使っています。

その6:いるかいないか

2012-03-03 22:11:51 | 浜あるき
三陸には、こういう漁と食の文化がありました。
北海道の積丹で「岩手の漁船が毎年6月に来てるよ」と、聞いていました。
でも、昨年は来なかったそうです。
今回岩手で、その漁師さんたちが津波で亡くなったことを知りました。

碑は津波で流され、傷だらけになっていますが、
地域のひとがちゃんと起こして、祀ったようです。
以前とは違う場所に建っていますが、供養の信心に変わりはないのですね。

元漁師さんにお話を聞いてきましたが、保存してあった漁具は津波ですべて失ったそうです。
こういう話題は差し障りのあるこのご時世。あらゆることが残念です。

その7:宮崎のカツオ船御用達、飲み屋さん

2012-03-03 22:11:03 | 浜あるき
仮設の復興飲食店街がいくつもできています。
気仙沼の町中にあるそのうちのひとつ。
2階の飲み屋「より道」は、宮崎のカツオ船のたまり場。
開店と同時に各船が入れた焼酎のボトルが見事!
さすが全国のカツオ船が集まる気仙沼。魚の町の雰囲気を味わえるいいお店です。

    

この時期、カツオは南の海にいます。
宮崎で水揚げされた、この時期らしいあっさり味のカツオの刺身も美味かったが、
気仙沼の冬の味覚「どんこ」は、驚きの絶品!! 外は雪だったしな~。
和名はエゾイソアイナメ。
    

どんこ汁と、タタキ。タタキは、肝と刻みネギが入っています。
脂があるけれど上品。風味も抜群~。
どんこ汁は、このへんの漁家では1月の恵比寿様の日に必ず食べる風習だそうです。

同じ建物の1階端、「らいむらいと」のラーメンも美味かったです。

その8:万石浦のカキ

2012-03-03 22:10:19 | 浜あるき
万石浦を再訪。漁協青年部の若いカキ漁師さんに会いました。
幸い津波被害は小さく、11月からカキを出荷。宮城で出荷しているのは、東松島と万石浦だけです。
しかし、仲買人への売り込みが遅れたことや風評被害で、価格は現在、むき身10キロで1万円。
しかも、毎日入札が行われる変動相場ではなく、1か月半ほどの間の据え置き価格。
「値段が決まっているし、安いから、仕事に燃えるものがない」と、漁師さん。

    

さらに1月末、検査でノロウィルスが検出されたことで、生食用出荷ができなくなりました。
そこで、仙台のカキ通販業者と一緒に、2月18日にカキ小屋をオープンしたそうです。
これまで東北にはなかった1粒ずつの焼きカキです。
じつは育て方も変えました。これは簡単なようで、発想の大転換。他産地を知る通販業者の発想です。
むき身で出荷するサイズのカキを、写真のカゴに移してもう少し太らせるのです。
二度手間かけて育てた、大粒カキを焼きカキのお店に出荷します。

       

さっそくお店に行ってみました。
宮城産の種カキを仕入れている縁から、ひと粒焼きのカキ小屋を経営している福岡・唐泊の漁協に行って、
ノウハウをすべて伝授してもらったそうです。焼き台、ベンチ、箸入れに至るまで道具も福岡で調達。
ここで焼くカキは、10粒で1千円です。
なるほどな~。むき身10キロ1万円とは、何たる違い。

かれらの夢は、ここをカキ小屋街道にすること。
「禍転じと福となす」挑戦です。