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ANA、今期一転最終赤字1000億円 25年度9000人減へ

2021-11-02 19:00:00 | 日経ニュース

ANA、今期一転最終赤字1000億円 25年度9000人減へ


ANAホールディングス(HD)は29日、2022年3月期の連結最終損益が1000億円の赤字(前期は4046億円の赤字)になりそうだと発表した。35億円の黒字としていた従来予想から一転して2期連続の赤字となる。新型コロナウイルスの影響が長引き旅客需要の回復が遅れている。25年度末に航空事業(ANAブランド)の人員を、20年度末比で約9千人減らす計画も明らかにした。

「想定していた以上に緊急事態宣言(の範囲)が拡大した」。ANAHDの片野坂真哉社長は同日の記者会見で、業績下振れの理由を語った。今期の連結売上高の予想は前期比45%増の1兆600億円と、従来予想から3200億円下振れする。営業損益は1250億円の赤字(前期は4647億円の赤字)と1530億円下方修正した。売上高は20年3月期比で46%減となる。



同社はこれまで、7~9月の国内線旅客数が19年比で15%減、国際線が80%減の水準まで回復すると想定していた。だが実績は国内線が同7割減、国際線が9割減。今期末には国内線旅客数が19年並み、国際線は19年比5割の水準まで戻るとしていた従来予想は、国内線が15%減、国際線が70%減に下方修正した。

政府の緊急事態宣言の解除などで10月以降は需要が戻りつつあり、10~11月には国内線で200便を超える臨時便を設定するなど収益回復の兆しも見えている。22年1~3月期に営業黒字に転換し、21年10月~22年3月期の最終赤字は約10億円に縮小する見通しだ。



上期の下振れは大きく、必達目標としてきた今期の黒字転換は見込めなくなった。営業キャッシュフロー(CF)と投資CF(3カ月超の定期・譲渡性預金を除く)をあわせた「実質フリーキャッシュフロー」は4~9月期で1258億円の赤字。ただ、国内線の旅客数の回復などを支えに赤字幅は前年同期から半減している。

9月末時点の手元資金は8208億円で1カ月あたりの営業費用(7~9月期決算ベース)の8.7カ月分ある。ただ資金を確保した結果、有利子負債は約1兆6千億円と2年前の2倍に膨らんでいる。収益認識基準の変更も影響し、9月末時点の自己資本比率は26%と2年で15ポイント低下した。

同社は前期に公募増資などで約3000億円を調達し資本も増強している。片野坂社長は「手元流動性は十分な水準」とした上で、格付け上は資本性のある劣後ローンによる借り入れも行っていることなどから「ただちに資本増強する必要はない」と話した。

一方、コロナ後も見据えて体質の強化を急ぐ。20年度末に約3万8千人だった「ANA」ブランドの航空事業の従業員数を25年度末に約2万9千人に減らす計画を新たに明らかにした。定年退職や採用の抑制による自然減で人員規模をスリム化し、デジタル技術の活用などによる生産性向上で補う考えだ。

足元でも賃金のカットや社員の外部出向、前期に実施した機材の早期退役などでコストは抑えており、4~9月期は19年の同期間と比べ3400億円のコストを削減した。7~9月期の連結売上高は2322億円と、20年1~3月期や「Go To トラベル」期間の20年10~12月期より小さいものの、四半期ベースの最終赤字は20年以降で最小の476億円となった。

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JAL、今期最終赤字1460億円 23年3月期までに2500人減





日本航空(JAL)は2日、2022年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が1460億円の赤字(前期は2866億円の赤字)になるとの見通しを発表した。これまでは未定としていた。最終赤字は2期連続。新型コロナウイルス禍で運航停止が長期化している国際線を中心に回復が遅れる。同日、採用抑制や定年退職などを通じて連結従業員数を23年3月期末までに前期末比較で2500人減らし、3万3500人にすると明らかにした。

22年3月期の連結売上高は前期比59%増の7660億円。本業のもうけを示すEBIT(利払い・税引き前損益)は1980億円の赤字(前期は3983億円の赤字)を見込む。4~9月期の大半が緊急事態宣言の発令期間となり、旅行や出張の自粛が旅客数低迷につながった。機材や人件費などのコスト削減で補えなかった。

菊山英樹最高財務責任者(CFO)は2期連続の最終赤字見通しとなったことについて「きわめて大きな経営責任を感じている。7月に需要回復の兆しが見えたが、その後、緊急事態宣言の適用地域が拡大し、厳しい状況だった。一刻も早く業績を回復させる責任がある」と話した。

22年1~3月期に国内線の旅客需要がコロナ前比で9割まで回復すると見込み、資金流入に転じるとの見通しも示した。22年1~3月期に月次EBITで黒字化を目指し、23年3月期に年間で最終黒字への転換を目指す。

同日発表した21年4~9月期の連結決算は、売上高が49%増の2906億円、最終損益が1049億円の赤字(前期は1612億円の赤字)だった。航空業界ではANAホールディングスも22年3月期は2期連続の連結最終赤字となる見通し。コロナ禍からの回復が遅れる中で航空大手の苦境が一段と鮮明になっている。





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