今日は晴れ。少し暖かくなりました。図書館で借りて、矢口史康の「サバイバルファミリー」を読みました。映画の原作本です。映画を見たいなあとちょっと思っていましたが、見ない気がしたので、本を読んでみました。映画を見ているような気分で、映像を思い浮かべながら、すいすい読み進みました。映画の予告通り、ある日突然、電気が使えなくなった家族が、生き残りをかけて旅に出る物語です。
電気だけでなく、電池もダメ。電気っぽいものは全部ダメという設定です。懐中電灯もダメ。車もダメ。水道もダメ。ガスもダメ。電子機器に支配されている息子と娘。プライドが高いのに、実は何もできない、わがままなダメ親父。東京に住む親子4人が、母親の実家の鹿児島を目指して、知識も根性もなしに旅立ちます。自転車を調達し、高速道路を西へ向かいますが、食料も水も、そして体力も尽きてきます。わがままで危機感のない家族にイライラしながらも、次々起こるハプニングに一緒にハラハラさせられます。さて、家族はどうなるのか。
田舎の環境と、昔の人の知恵があれば、生きていける。きれいな川の水があり、薪で火を起こし、風呂を沸かし、野菜や肉や魚は干したり燻製にしたり塩漬けにしたりして保存する。汲み取り式のトイレは堆肥になり、絹糸で織物を織り、物々交換で助け合う。昔は当たり前だったことが、サバイバル術なんだなあと思うと面白かったです。蒸気機関車が走ったのはちょっと驚きました。ドタバタしつつ、最後は家族が一つにまとまり、たくましくなっていくという、安心の結末です。深く考えず、エンターテイメントとして、楽しく読み終わりました。