蛍の森
2014-01-15 | 本
今日も冷え込みましたが、昼間は晴れて、グラウンドでクロカンスキーの練習をすると、汗だくになっていました。図書館で借りて、石井光太の「蛍の森」を読みました。なかなか重苦しい話でした。2012年と1952年の話が交互に描かれます。2012年に起きた事件で、父親が逮捕されたと知った主人公が、父親の過去を調べるために、父親の出身地へ向かいます。一方、1952年には、父親が幼かった頃の山奥の村での暮らしが語られます。
その山奥での暮らしが、あまりにもひどい。ハンセン病の患者たちが、差別を受け、迫害され、人里離れた密林の奥で遍路をつづけていた。その迫害の悲惨さ、寺でのひどい暮らし、次々に起きる救いようのない出来事に、心が痛くなります。それほど昔の出来事でもないのに、こんなことがあったかとぞっとします。しかし、本当の地獄はその後に待っていた、ということが、現代の事件を追う中で明らかになっていきます。まるでノンフィクションのようです。重苦しい気分になりながらも、話が面白いので、どんどん引きこまれて読み進みました。