きときと日記

「きときと」とは富山の方言で「ぴちぴち(新鮮な)」という意味。きときとな日々の記録を更新中。

サヨナライツカ

2009-12-10 | 
友達に借りて、辻仁成の「サヨナライツカ」を読みました。今度、映画化されるので、ちょっと気になってましたが、辻仁成にあまり興味ないので、あまり期待せず、読み始めました(笑)。

理想的な相手との結婚を控えた男が、バンコクで情熱的で自由奔放な女性と恋に落ちる。これが第一部です。婚約者がいるのに、そんなにハマってどうなるの?とハラハラしますが、あっさり(?)別れて出世を約束された女性と結婚します。そして、予定通りに理想的な家族と出世を手に入れた男が、25年ぶりにバンコクで彼女と再会するのが第二部、という二部構成です。

男性を立てて清楚で奥ゆかしい奥さんと、愛をつらぬき情熱的に男を愛し続ける彼女。そんな2人の女性から愛されて、うれしいけど困るぅ、という優柔不断で都合のいい男。これは、男にとっての理想的な人生を描いた、男のロマンですね(笑)。ラストも都合よく美化されてます。まあそれでも、文章は読みやすく、続きが気になる展開で、スラスラと読み進みました。

「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと、愛したことを思い出すヒトにわかれる」という詩を登場させ、女性2人に「私は愛したことを思い出す」と言わせてますが、この男性はきっと、「愛されたことを思い出す」んでしょうね。幸せな男だ(笑)。

映画では、この情熱的な彼女役を、中山美穂が演じるらしい。中山美穂といえば、そう、原作者、辻仁成の奥さんです。これを奥さんに演らせる辻仁成って、いったい...。まあ、元々、ミポリンが原作のモデルなのかもしれないけど。なんだかツッコミどころ満載ですが、でも読んで良かったです。貸してくれて、ありがとう!

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