「北の山・じろう」日記

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アウデイーイウカ戦線でロシア軍が進撃中<ウクライナ紛争2024.06.06

2024-06-06 19:48:16 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.06.6
侵攻833日目、アウディーイウカ方面におけるロシア軍の前進が顕著
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-833rd-day-of-the-invasion-russian-forces-make-notable-progress-in-the-audiivka-area/

航空万能論の管理人は、ここ数日アウデイーイウカ戦線でのロシア軍の進撃を報告しています。
基本的に塹壕戦ですから1日の前進スピードは、10メートルの単位からせいぜい100メートル程度です。
それが数日でキロメートル単位で進撃すると、その方面は防御が崩壊していることを示しています。

アウデイーイウカ戦線ではキロメートル単位の前進が良く見られます。ロシア軍が、それほど大兵力を投入して攻めている様子はありませんから、戦闘を継続するうちに弱体化したウクライナ軍が後退を続けている状況が見えます。
しばらく同じ場所で戦闘が続くことはあってもウクライナ軍がロシア軍を押し返すケースはありません。

南に位置するネタラブNetailove~ウマンスキーUmans'ke方面でロシア軍が支配地を広げたのは、しばらく前です。
現在ウマンスキーUmans'keを完全に制圧し北にあるノボセレフカ・ペルシャNovoselivka Pershaに向かって支配地を拡大中です。ノボセレフカ・ペルシャNovoselivka Pershaまでロシア軍が制圧してしまうと市街郊外の西にある二つの湖の東側は、ロシア軍が占領することになると思います。
それに呼応して北側では、ソロヴィオーヴェSolovioveからその西のソキルSokilに向かって進撃しています。
その間の地域は、自然に包囲されてやがて撤退するしかありません。
略図で見ても元はアウデイーウカ市街はウクライナ軍が支配していましたから市街の西と北に大きくロシア軍の支配地が拡大しています。
これが2月の中頃から3か月半ぐらいで進捗していますので塹壕戦では、あり得ないスピードです。
大きな主要な防衛ラインを完全に突破されると守りようがないことを示しています。

かなり西と北に後退して場所を選んで強固な防衛ラインを形成しないとロシア軍の進撃を止めるのは難しいと思います。

ロシア軍が進撃に力を入れているのは、オチェレティネOcheretyneの北側のように見えます。
①アルハンヘルヅケArkhanhel's'keの北のカリノヴェKalynove方向。
②オチェレティネOcheretyneの北西のノヴォオレクサンドリウカNovooleksandrivka方向。

特にノヴォオレクサンドリウカでは東の郊外にロシア軍が足場を築いたようです。
ノヴォオレクサンドリウカを道路沿いに北西に進むと次の拠点がヴォズドヴィジェンカVozdvyzhenkaです。
その先すぐに幹線道路のT-0504があります。

幹線道路のT-0504はドネツク州の大きな拠点のポクロウシクPokrovsk(西)とコンスタンチノフカКостянтинівкаを結んでいます。
まずこの動脈を遮断するのがロシア軍の狙いではないかと思います。ここを遮断するとどうなるか❓

現在ウクライナが支配しているゴルロフカГорлівкаの西のウクライナ軍の要塞群の補給が半減します。
Druzhba、ジェルジンスク:Торецьк、アルテーモヴェ:Залізне、Niu-York付近です。
ルートH-20を通ってクラマトルスクКраматорськ~コンスタンチノフカКостянтинівка経由の補給しか出来ません。

現在、チャシブ・ヤールをロシア軍がジワジワと攻撃中です。そのすぐ西がコンスタンチノフカКостянтинівкаです。
コンスタンチノフカКостянтинівкаまでロシア軍の射撃管制下に入れば、このルートからの補給も細ります。

アウデイーイウカの強力な要塞が陥落したために、今このようにドネツク州でロシア軍が進撃できなかったエリアの補給が脅かされようとしています。

地図上で示すとコンスタンチノフカКостянтинівкаからルートH-20をアウデイーイウカまで下った東側がロシア軍の占領下に入ると思います。
そうした上でロシア軍は面的に西に進撃すると思います。

このような状況になればドネツク州の北半分は、西はポクロウシクPokrovskのエリアで防衛ラインを築いて支え、北はスラビャンスクСлов'янськ、クラマトルスクКраматорськの要塞都市で防衛するしか防衛のしようがないと思います。

毎日ロシア軍が削る土地は、地図上では微々たるものです。しかしロシア軍は、中期的には上記の進撃を狙っていると思います。
それが実現すれば、地図上で見てはっきり分かる広さになります。

しかし、兵力不足のウクライナ軍にはこれを防ぐ手立てはありません。
大きく前線を後方に下げて新たな防衛ラインを建設して、そこで防衛線を戦うしか方法はありません。

そうしなければ毎日ロシア軍に少しづつ削られて弱体化していきます。
消耗費率1:1はロシア軍に圧倒的に有利なのがウクライナ軍の泣き所です。
数が双方同じように減って行けば、動員力で大きく上回るロシア軍が圧倒的に数が多くなります。
こうなってしまえば、ウクライナ軍は戦うことが出来ません。
ロシア軍は長期的には、この状況を作り出すつもりなのだろうと思います。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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