「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ウクライナ紛争は、ロシアには自立を促しヨーロッパには衰退をもたらす<ウクライナ紛争2024.2.22

2024-02-22 19:20:22 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

(1)ウクライナ紛争は、ヨーロッパには衰退をもたらす
ウクライナ紛争は、ヨーロッパVSロシアの戦いになりました。アメリカも参加しています。しかしアメリカは大統領選挙の結果によっては、関与を弱めるかもしれません。
ヨーロッパ側は、EU政府が巨額の援助を決定しましたしイギリス・ドイツ・フランスのヨーロッパの3大国が、ウクライナに対する2国間援助協定を結びました。アメリカ抜きでもヨーロッパはウクライナを支える姿勢がはっきりしました。

そうなるとヨーロッパとロシアの総力戦になります。
ヨーロッパ側については、日記に書きました。
『アメリカの一人勝ちになりつつあるウクライナ紛争<2024.2.21』

https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/03ce672c76b1f938889e1ac0d52fbce8


戦争が長くなるほどヨーロッパ経済に戦争が及ぼす影響のマイナス部分が大きくなると推測しています。
戦争前ですら世界経済に占めるヨーロッパ経済の比率は縮小傾向にありました。その流れが加速して続くと思います。
政治的な妥当性もなく経済的な合理性にも欠ける不当ともいえる他国への戦争の関与は、ヨーロッパ社会を色々な意味で蝕み続けると思います。
経済不振または不況から犯罪や社会不安が増加し、それが極右勢力の台頭を招くのは歴史の示す通りです。
ヨーロッパは右傾化し、右傾化した社会は外部に紛争や戦争を起こしやすい傾向が見られます。
国内の不満を国外に向けるという古典的な大衆迎合主義の政治の手口です。
今のようにロシア・パッシングを続ければ、簡単にロシアとの戦争に発展すると思います。

(2)ウクライナ紛争は、ロシアには自立を促す
一方でロシアは、旧ソ連崩壊後の政治的・社会的混乱はひどいものがありました。ロシア経済は崩壊しました。
それを立て直すためにロシアは、西側の援助を受け資本を導入して様々な支援を受けて経済再建に取り組みました。
やっとそれが軌道に乗り始めたのは、それほど前の話ではありません。ロシアの経済再建は、西側の資本と進んだ製品や技術に依存する部分は、かなり大きかったと言えます。

ウクライナ紛争の結果、ヨーロッパとアメリカはロシアに対して過去に類を見ない強烈な経済制裁を発動しました。20年前ならロシアは、これで西側に屈服するしかなかったと思います。

しかし現在は、中国やインド第三世界の経済成長が著しいです。その欧米以外の国々の経済成長が、際どくロシアを救いました。

ロシアの方も西側との完全手切れを決意し、西が以外に取引や技術支援の相手を探しました。

その結果、ロシアの主要輸出品である石油と天然ガスに関してはヨーロッパに輸出していた分を、丸ごと中国とインドに売ることに成功しました。ロシアの収入減を断つEUの目論見は、空振りに終わりました。
結果としてそれはEUの首を絞めることになりEUは割高なロシア以外のエネルギーを買う羽目になりました。

ドル決済からの締め出しは、人民元決済に振り替えることで何とか代用しました。ロシア貿易分はドル決済から人民元決済に変わっただけでした。

西側の技術や進んだ製品については、全部は補いきれません。しかし民生品などについては、多くを中国製に切り替えることで、それほどの混乱はありませんでした。先端技術の分野では、ロシアの自助努力や欧米以外との国々との共同開発になりますが、将来的には民需部門では中国との協力関係を得られると思いますので、それほど見通しは暗くないと思います。

更には欧米のロシア排斥の反作用として、第三世界や欧米の敵性国家とロシアの結びつきを強めることになりました。ロシアも積極的に第三世界との外交を展開しています。特にガザ紛争を契機にアラブ圏との関係は強化されました。
その代償としてロシアは、イスラエルとの友好関係を捨ててイスラエル批判に回りました。イスラエル1国を捨ててその他沢山のアラブ諸国との友好関係を深めたのですから、これはロシア外交にとって大きな得点になりました。

はっきりアメリカの敵性国家であるイランと北朝鮮とは、軍事部門で関係が深まりました。北朝鮮とは準軍事同盟関係にあると言えます。
その結果、イランと北朝鮮は武器供給(砲弾やドローン、ミサイル)をしています。特に北朝鮮からの砲弾の売却はロシアの砲弾不足を大いに助けたと思います。

ロシア国内の政治状況は、ワグネル問題などを経て結束が強まったと言えます。ロシア政府の主張するNATOとの闘い説が、アメリカとEUが完全にウクライナ支援に回ることで、証明されてしまいました。確かに現在の状況は、NATOとロシアの戦争です。
それが第三世界に対しては、ロシアの戦争目的を正当化するのに役に立ちます。

ロシアは政治的にも経済的にも完全に西側から離脱して自立したと言えます。

結果としてNATOの行き過ぎたウクライナ支援は、再びヨーロッパとロシアの冷戦構造を作ってしまいました。
話し合いや政治や外交を持って問題解決を図らず、武力を持ってロシアを叩き潰しにかかった強者の論理は、破綻したと言えます。
ロシアは、欧米が叩き潰せるほど弱くはありませんでした。

(3)この流れは、今後長く続きます。
欧米の稚拙すぎる武力解決法は、欧米にとって取り返しのつかない世界政治の中での地盤沈下を引き起こしつつあるように見えます。
力で叩き潰そうとして、遣り損なえば❓
「何だ、そんな程度か❓」
と、軽く見られます。

特にヨーロッパにとっては、ウクライナ紛争のツケは高いものになりそうです。
ロシアは、自立の道を確固たるものにすると思います。
差し引き、どうなっているか❓

※参考記事
2024/2/21 16:14
欧州の本気、遅すぎたか ウクライナ砲弾支援「北朝鮮に負けるのか」 トランプ氏再来焦り
ウクライナ侵略2年
https://www.sankei.com/article/20240221-TDJFNXGRYVKKTBYGGF3ZI77O6Y/
2024/2/21 11:00
自由と民主主義守るため 露を勝利させてはならない
https://www.sankei.com/article/20240221-PPH5BFS6ENLYFJZ7H4EH2ORMK4/

西側のメデイアで盛んに言われる「自由と民主主義を守るため」とは、言葉の意味とは違い、「欧米の世界支配の構造を守るため」と言う意味です。半分、軍事独裁国家のウクライナが言っているのが笑えます。
ウクライナのどこに❓自由や民主主義があるのか❓
戒厳令を理由に選挙すら中止のままです。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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