「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

クレデイスイスに見るスイス銀行業界の問題、<2023・3・25

2023-04-10 17:50:47 | 世界経済と産業
 

ビジネス
2023年3月23日1:02 午後Updated 2日前
アングル:クレディ問題、金融大国スイスの信頼に深刻な打撃か
https://jp.reuters.com/article/analysis-credit-suisse-idJPKBN2VP057?il=0

記事のまとめ
2023-03-25
2023・3・25>クレディ・スイス関連記事
https://kitanoyamajirou.hatenablog.com/entry/2023/03/25/181724

アメリカのシリコンバレー銀行の倒産が飛び火して、クレデイスイスが経営危機に陥り、スイス国内第1位のUBSが吸収合併することで、一応は(スイス政府が無理やり)納めました。

しかし、シリコンバレー銀行は急激な取り付け騒ぎの末に倒産したのであり、銀行自体に問題があったわけではありません。また、全米第16位の地方銀行にすぎません。それでも、あれだけの金融不安が発生しました。

ところが、クレデイスイスの場合は問題の性質が全く違っていてスイスの銀行業界全体の問題と言えます。去年から、不祥事などを理由に預金の流出が続いていて、リスクの高い状態が続いていたところに、シリコンバレー銀行の倒産がトリガーになり、一気に事実上の倒産に追い込まれました。スイス第2位の銀行の倒産です。

その背景には、スイスの銀行業界の長い歴史とその中で育まれてきたスイス銀行業界特有の業界文化ともいうべき性質があります。

しばらく前から、マネーロンダリングとかコンプライアンスが、銀行業界の対応するべき問題として各国政府から業界に求められています。

それと正反対のことを長年続けて世界中の金持ちから預金を集めてきたのが、スイスの銀行業界です。スイスの銀行は、世界一安全です。大昔からの伝統です。

それは、秘匿性の高さでありあらゆる性質の金を受け入れることです。昔は、それでも良かったんです。

しかし、世の中は変化してダーテイなマネーの追放が銀行業界に求められるようになり、それは年々厳しくなってきています。それが、マネーロンダリングの防止と排除であり、コンプライアンスの厳格な順守です。

あらゆる性質の金を受け入れることにより利益を上げてきたのが、スイスの銀行業界です。表面的には、それに従っているように見えますが、実際には昔からの流れは残っているようです。

クレデイスイスの場合は、その「昔からの流れ」が表面化して預金の大量引き出しなどを招きました。「昔からの流れ」が表面化していないスイスの銀行は、他にもあると考える方が自然でしょう。

だから、よりまともなシンガポールやルクセンブルクの銀行に預金が流出するリスクを、ロイターの記事は指摘しています。

長年、指摘され続けてきた汚れた金を受け入れるスイスの銀行業界の悪習が問題視されているのです。あるいは、白い金は全部流出して、灰色や黒の金しか残らないかもしれません。そんなリスクが、見えてきたということです。

長い目で見れば、世界のルールに従わない国や業界は、徐々に排除されていくと言うことなのかもしれません。スイスの銀行が特段、安全なわけではなく秘匿性が極端に高くいろいろな種類のお金を受け入れると言うだけのことです。

安全性の高さを言うなら、アメリカの大銀行や日本の大銀行の方が、余程安全でしょう。しかし、白いお金しか預けられません。

汚れたお金をアルプスの雪で洗ってきれいにする・・
スイスの銀行業界が大昔からやってきたのは、簡単に言うとこのような事です。犯罪者や独裁者や汚職や税金逃れの目的には、便利だと言うことです。

今、それに代わる手段が出来て・
暗号資産です。汚れた金にぴったりの手段でしょう?
やがては、規制や禁止になるように思います。



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