「北の山・じろう」日記

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(最新版)アウデイーイウカ市街と郊外の戦いをチェック<ウクライナ紛争2024.2.16

2024-02-16 22:06:31 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.02.16
第3独立強襲旅団、アウディーイウカで対峙するロシア軍は正規軍の精鋭
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-3rd-independent-assault-brigade-the-russian-forces-facing-audiiivka-are-the-elite-of-the-regular-army/

Forbesの2月15日の記事によると・・・・
『だが、2000人規模だった第110旅団の生き残った将兵らは、ここ数日の間についに西へ退却し、ロシア軍がじわじわと進める包囲を逃れた。』
素直に市街を2年間防衛してきた部隊が無事に撤退したのだと理解していました。記事にもそう書いてあります。
しかし、ウクライナ万歳サイトの記事がそのままを書いているのだろうか❓と、やや疑問を持ちました。

と言うのは、アウデイーイウカ市街・北部のウクライナ軍は急速に進撃してきたロシア軍に撃破されて、戦闘らしい戦闘は出来ずに後退しているからです。ロシア軍の進撃スピードがそれを示しています。
違う言い方をすると敗走に近いと思います。


Forbesの記事には、更に疑問があり増援に来た「第3強襲旅団」の援護を受けて退却したような印象を持たせるような文章を書いています。
しかし記事にもはっきり書いてある通り、「第3強襲旅団」が到着後入ったのは、郊外北西に隣接するコークス工場です。コークス工場は、市街北部とは切り離されています。
「第3強襲旅団」が到着したと思われる12日~13日ごろは、まだ辛うじて主要補給路のインダストリアル・プロスペクト通りは、通行可能だったと思われます。だからこの時点では、市街を守る部隊の一部が交代して撤退することは可能だったと思います。

ところが14日には、急速に進撃してきたロシア軍がインダストリアル・プロスペクト通りを制圧したらしき状況が生まれます。
だからこの時点で「第3強襲旅団」と第110旅団が交代するのは不可能です。
そしてその後のロシア軍の進撃の速さを見ると、ほぼ市街北の防衛部隊は敗走しています。兵士だけなら畑を横切れば、西に逃げることは可能です。実際そうしたのであろうと思います。西に逃げられなかった兵士は、市街南方向に退却したと思います。

14日以降は、部隊として秩序だった退却は無理なように見えます。それでなくても数が少ない市街の守備部隊が半数でも撤退すれば、市街の防衛は不可能になります。

増援に来た「第3強襲旅団」が市内に入った形跡は記事からは読み取れません。市街のコークス工場でロシア軍と戦っています。

これらから推測できる状況は、市街北部を守っていた第110旅団の兵士は、一部は交代したのかもしれませんが残りは敗走に近い形で市街北部から駆逐されました。
その後ロシア軍は、ほぼ無抵抗状態の郊外西をそこから見て南西方向にあるジェベルネ(Sjeverne)方向に通じる脇道(=代替の補給路)目指して進撃します。(無抵抗状態なのは、この付近を守る守備部隊がいないからだと思います)
2月15日の段階で脇道に近いところまで戦闘地域に入ります。この段階でこの脇道を通ってウクライナ軍が退却するのは、かなり危険な状況です。
そして南の飛び地の陣地の「ゼニト」(旧防空基地)は北側を包囲される寸前です。

そして「航空万能論」の2月16日の2番目の記事では・・・
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-southern-defense-line-of-audiiuka-collapses-and-the-russian-flag-is-raised-at-the-entrance-to-the-city/
市街南側と東側の郊外からロシア軍が急速に進撃し始め市街の端まで到達します。

どう考えても市街南部と東部にいた守備部隊が退却できる時間がありません。退却したとすると市内の守備隊はいないはずです。

Forbesの記事の内容とは違い、確かに守備兵の一部は交代できたのかもしれませんが、北部にいた守備部隊はロシア軍に駆逐され、南部と東部にいる守備部隊はまだロシア軍に抗戦を続けているのが実情のようです。

つまり市街には、まだかなりの守備部隊が残っており戦闘を継続しているようです。しかし市街西中央付近から西の郊外のジェベルネ(Sjeverne)方向に行く脇道(未舗装の農道のような道)は、北から進撃してきたロシア軍との交戦地域に入りつつあります。
やがて、この脇道も通行困難になると思います。

もし市街に残っているであろう守備部隊が撤退するのなら、今すぐ!的な速度で撤退しなければ、退路と補給路を失うと思います。

応援部隊である第3強襲旅団は確かに強力に戦っているようですが、市街北西・外のコークス工場でロシア軍と戦っています。市内で戦っているのは、これまでと同じ第110旅団の退却できなかった兵士たちのようです。そしてロシア側軍事ブロガーによると市内の防衛をしているのは、第110旅団以外にも複数の部隊がいるようです。

※追記

ロシア側軍事ブロガーによると、市内にいるウクライナ兵は、3000~5000

市内から撤退しているのかどうかは不明

タブリア作戦軍司令官のタルナフスキー准将

「旧防空基地からアウディーイウカ南東郊外に撤退することを決定した」

※ロシア、激戦地の補給路遮断 「ウクライナ軍撤退」報道も
2024年02月16日14時33分配信
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024021600270&g=int

引用

『米紙ワシントン・ポスト(電子版)は15日、ウクライナ軍の兵員の一部がアウディイウカから撤退を開始したと報じた。同国軍当局者は「(陥落は)時間の問題」と認めているという。』



関連記事
「航空万能論GF」
アウディーイウカ南部の防衛ラインが崩壊、街の入口にもロシア国旗が掲げられる
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-southern-defense-line-of-audiiuka-collapses-and-the-russian-flag-is-raised-at-the-entrance-to-the-city/

ロシア軍、ゼレンスキー大統領が自撮りを行ったモニュメントに軍旗を掲げる
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-military-raises-military-flag-at-monument-where-president-zelenskiy-took-selfie/

※Forbesの記事は相当、内容が脚色して書かれており「航空万能論GF」の例示した2本の記事が現在の市街及び周辺の状況を一番正確に伝えていると思います。

これ以前に書いた記事は、市内で防衛にあたっていた第110旅団の退却についてかなり不正確に書いてしまいました。この記事が最新版です。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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