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「北の山・じろう」時事日記

内容は主に海外時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ポクロウシクPokrovsk戦線が、ほぼ防衛不能な理由<ウクライナ紛争2024/08/26

2024-08-26 19:39:51 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

去年の過去日記からザポリージャ戦線トクマク付近のロシア軍の防衛網を見てみます。
記事
BBCによる現在の戦況解説<ウクライナ紛争2023年10月4日
https://smcb.jp/diaries/9144251
ウクライナ軍が南部・ザポリージャ戦線でロシア軍の防御ラインを一部突破の模様、そして冬の戦い<ウクライナ紛争2023年9月
https://smcb.jp/diaries/9137391
BBC制作略図
ザポリージャ戦線のロシアの防衛網
https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/18621/production/_129837899_russiansatellite3.jpg

ロシア軍が建設したトクマクを中心とする防衛網は、深さ約30km、トクマクの外側の防衛ラインまで含めると、4重構造の巨大で強力な防衛ラインではなく、防衛網と言うべき、飛んでもない代物です。
<概略>
一番上の白の破線部分⇒1番北の最初の防衛ライン(ロボテイネ村付近)
トクマクから北に30km位の位置
第1防衛線⇒北から2番目の防衛ライン
第2防衛ライン⇒北から3番目の防衛ライン
トクマクから北に5km強の位置

一方、ポクロウシクPokrovsk付近の略図を見てみます。
2024.08.25
ドネツク州西部の状況は悪化の一途、ロシア軍はクラホヴェ方面でも前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/situation-in-western-donetsk-region-continues-to-deteriorate-russian-forces-advance-towards-krahove/

ロシア軍は、デイミトロフМирноградまで目見当で3km程度まで接近しています。
ポクロウシクPokrovskまで10km程度。

仮にトクマクと同じ程度の防衛網をウクライナが建設するつもりなら、アウデイーイウカ市街の西10km程度の位置に一番外側の防衛ラインが必要です。
大きな2つの貯水池の北側に線を上に引いたあたりが第2次防衛ラインでしょう。(あれば、です)
今、ロシア軍はポクロウシクPokrovskまで10km程度の地点にいます。

BBC制作のトクマク付近のロシア軍の防衛網なら第2次防衛ランを突破された内側です。
それでもロシア軍は、更に最後の防衛ラインとトクマク自体を取り巻く最後の防衛ラインがあります。

ポクロウシクPokrovskは、これと比較すると外側の第1次・第2次防衛ラインを突破されて、最後の3番目の防衛ラインで防衛しなければ、ならない位置までロシア軍に接近されています。

ザポリージャ戦線でウクライナ軍が第1次防衛ラインを突破するのに要した期間は、約3か月です。

ポクロウシクPokrovskでは、ウクライナ軍は後退しながら約6か月防衛を続けてきました。
しかしとうとう、最後の防衛ラインも突破されて市街地の周囲を囲む防衛ラインだけになりました。
しかし、その周囲にどの程度の防衛ラインが建設されてるのかが不明です。

これまでの所では、きちんと建設された防衛ラインらしき防衛施設はありませんでした。
あれば、ロシア軍は貯水池の西側には来ていないと思います。

ザポリージャ戦線でのロシア側のトクマクや今回のポクロウシクPokrovskのような地形的要害のない平野の拠点を防衛するなら、トクマクのような防衛ラインが必要だと言うことです。
それが、そもそも建設されておらずロシア軍がポクロウシクPokrovskまで10km地点まで進出して、しかもポクロウシクPokrovskまで防衛ラインらしき防御施設が見当たりません。

こんな場所を兵力と火力に劣るウクライナ軍が防衛することは、不可能です。

ロシア軍が、まだ攻撃しないのは進撃が急でしたので補給ラインの整備とか防衛用の設備の建設とか、周辺の制圧などをしているのであろうと思います。
デイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskの住民避難もまだ続いています。
住民避難が終わればロシア軍は、滑空爆弾を撃ち込み砲撃を開始するでしょう。

今は地域住民を戦闘の巻き添えにしないために待機している状態です。

まるで防衛ラインらしき設備が見当たらない以上、滑空爆弾を撃ち込み砲撃して軍事施設を破壊すれば、すぐに市街戦が始まると思います。

もし防衛ラインがあるのなら・・・
◎フロデイフカHrodivka
ムイコラフカMykolaivka
クラスヌイ・ヤルKrasnyi Yar
クルテイ・ヤルKrutyi Yar
◎ノヴォホロデイフカNovohrodivka
このラインにあるはずです。
ほぼ全部の地域で市街戦が行われていますから、防衛ラインはありません。
ここを突破すると後は、剝き出しの市街地(デイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovsk)があるだけです。

つまり、もうほぼ防衛不能です。
ほぼ終わっているというわけが分かりましたか❓
<ザポリージャ戦線のロシアの防衛網>
https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/18621/production/_129837899_russiansatellite3.jpg
※ウクライナ軍は、図では「第1次防衛ライン」の外側で進撃を阻止され反撃作戦は、失敗に終わりました。

この略図と見比べると、あるべきものが何もないでしょう❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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