「北の山・じろう」日記

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楽観的なウクライナ軍の大本営発表⇒危機的なポクロウシク戦線<ウクライナ紛争2024/08/02

2024-08-02 19:37:15 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

露軍、東部ドネツク州に戦力集中 ウクライナは欧米諸国に武器支援訴え
2024/8/2 09:00
https://www.sankei.com/article/20240802-AJ55PEGK6RP7VECIYH3IAZD274/

『ウクライナ軍のシルスキー総司令官は、東部前線を3日間にわたって視察したと交流サイト(SNS)に投稿した。ロシア軍は一部の地域で「大きな損害を被っているが、わずかな成功を収めている」と指摘した。』

国内向けや支援国向けには、到底現在の戦況をそのまま発表することは不可能だと思います。
ウクライナ国内でもウクライナ軍が健闘しており、ロシア軍が大損害を出していて、やがて西側の兵器が到着すればウクライナ軍が反撃に出ると信じている国民も半分くらいは、いるようです。

ウクライナ政府のプロパガンダとフェイクニュースが行き渡っていて、戦争の本当の実情を知るウクライナ国民は、せいぜい半分くらいなのかと思います。

太平洋戦争の後期に旧日本軍が敗勢を強めていたころの大本営発表と酷似しています。
日本のメデイアの報道がこうであれば、日本人もウクライナやや苦戦程度の認識の人が多いのかもしれません。

『実際は、どうなのか❓⇒危機的なポクロウシク戦線』
2024.08.2
侵攻890日目、ロシア軍はポクロウシク方面で前進してセルヒウカを占領
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-890th-day-of-the-invasion-russian-troops-advance-towards-pokrovsk-and-occupy-serhivka/

アウデイーウカ西にあるプロレスProhresをロシア軍が突破してからは、ウクライナ軍は総崩れ状態にあります。
各拠点が、全く防衛拠点として機能していません。
当たり前のようにロシア軍が、各拠点を制圧しつつ進撃しています。その距離1日1km前後。
塹壕戦では有り得ない進撃速度でウクライナ軍は崩壊しているとしか、言いようがありません。
どこでロシア軍の進撃を食い止めるのか、分からなくなりました。

一番北では、ロズヴァツケLozuvats'keを制圧後、更にテイモフィウカTymofiivkaを制圧して、その南部に進撃中です。

一番西に突出しているのがヴェセレVesele方面です。これも攻撃が始まったと思ったら、あっと言う間に突破されました。

線路沿いも進撃が続き、拠点となるはずのゼランヌZhelanneの地図で見ると左(西)側を突き抜けています。
ゼランヌZhelanのウクライナ軍の守備部隊は、市街地の防衛が精一杯でその側面は、防衛を放棄しているように見えます。
そのゼランヌZhelanneにはノボセレフカ・ペルシャNovoselivka Pershaを制圧したロシア軍が、川を渡りルートO-0542を西に進撃し始めました。
やがては線路沿いを進撃しているロシア軍と東から進撃してくるロシア軍に挟撃され、長くは持ちこたえられないと思います。

ヴェセレVeseleの北にあるウクライナ軍の拠点のイワニフカIvanivkaには、今のところロシア軍は接近していませんが、周囲を守るような拠点はありませんからロシア軍が攻撃するのは時間の問題です。

略図を見る限りデイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskの外郭の防衛ラインを構成するであろう、やや市街地の広いフロデイフカHrodivkaまで数km地点までロシア軍が進撃しました。
イワニフカIvanivka攻撃とフロデイフカHrodivka攻撃の、どちらが早いかの問題に見えます。

線路沿いでゼランヌZhelanne付近をロシア軍が突破してしまえば、次の拠点はノヴォエコノミクネNovoekonomichneです。ここもデイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskの外郭の防衛ラインを構成するであろう市街地の広い拠点です。

現在ロシア軍は、フロデイフカとノヴォエコノミクネの両方の拠点を目指して進撃中です。
これまでのところウクライナ軍は、ロシア軍の進撃を全く阻止できていません。
それほど期間を置かずにフロデイフカとノヴォエコノミクネで激戦が始まるのは必至の情勢です。

ここでウクライナ軍がロシア軍の進撃を阻止できなければ、ウクライナ軍のドネツク州西部の最大拠点であるデイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskでドネツク州の支配を賭けた大激戦が始まるでしょう。

それまでに残された期間は、せいぜい1~2か月程度だと思います。
1か月前は、年末ごろかと思っていましたが大幅に日程が早まりました。

つまりポクロウシク戦線では危惧されていたウクライナ軍の崩壊が始まっているという状況が現れていると思います。

ウクライナ軍に出来ることは、パラパラと各地に点在する拠点を放棄して、北はコンスタンチノフカКостянтинівкаに、西はデイミトロフМирноградとポクロウシクPokrovskに緊急に残存兵力を集結して防衛戦を戦うしか方法がないと思います。
拠点での防衛が出来なければ、そうするしかないと思います。

何とかなる式にズルズルと問題への対応を一日伸ばしに先延ばししてきた弊害が、ここに来て一気に出始めたように思います。

これを、シルスキー総司令官は何と言ったか❓
『ロシア軍は一部の地域で「大きな損害を被っているが、わずかな成功を収めている」と指摘した。』

ドネツク州を放棄することを決めているのなら、こうも言えるかもしれません。
ゼレンスキーも同じですが、シルスキー総司令官が戦況に対して責任感があるとは、到底思えません。
政府と軍の責任者が、こんな調子ではロシア軍がドネツク州中央部を西に突破するのは、防ぎようがないと思います。それが現在のロシア軍の最優先目標のように見えます。

と言うわけでドネツク州中央部の戦場は、危機的でありロシア軍がドネツク州中央部を西に突破するのを防ぐことは、段々困難になりつつあるように見えます。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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