霧ヶ峰自然保護センター 自然情報ブログ

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オニゼンマイとヤマドリゼンマイ

2020年06月11日 | Weblog
次々と開花する植物に目が行きがちですが、意外と存在感があるのが、シダ植物です。
霧ヶ峰では、オニゼンマイやヤマドリゼンマイがよく目に付きます。


〈オニゼンマイ〉

オニゼンマイの葉が開く前は、先のほうが濃い緑色、両端がとがったような姿をしていて、
何か生き物のような不思議な形をしています。


ヤマドリゼンマイは中心部分が薄茶色をしています。
名前の「ヤマドリ」は、キジ科のヤマドリの長い尾に似ていることから「ヤマドリゼンマイ」と
名付けられたようです。


また、オニゼンマイの濃い緑色の部分とヤマドリゼンマイの薄茶色の部分は
胞子葉といって、中に胞子が含まれています。

〈オニゼンマイ〉


〈ヤマドリゼンマイ〉

この部分をよく見ると「粒粒していて面白いな」と思い、手で取ってみたのですが・・・。
「わ!」とびっくり。花粉のようなものがふわっと飛び出してきました。
これが胞子なんですね!
シダ植物は胞子で増える、と学校で習ったのですが、実際に見たのは初めてです。
みなさんは見たことがあるでしょうか?

このほかに、シダ植物は、ゼンマイやワラビ、クサソテツなどがありますが、
クサソテツは別名のコゴミと聞いたほうがなじみがあると思います。

〈クサソテツ〉

霧ヶ峰には山菜が生えているのですが、国定公園内であること、地権者の所有する土地
がほとんどですので、そのままにしておいてくださいね。

今年は山菜採りをする人が多いため、草原内に立ち入らないよう声かけをする機会が増えています。
実際に、山菜採りで立ち入る場所に外来種が増えているのが現状です。
山菜を味わうのも自然を楽しむ方法のひとつですが、霧ヶ峰の貴重な自然を未来へ残して
いくためにも、皆さんのご協力をお願いします。