SIDEWALK TALK

住する所なきをまず花と知るべし

KiyotsuneNHKに「100分 de 名著」という番組があり、
先日、4週にわたって、
世阿弥の『風姿花伝』を特集していた。
大学時代、僕は酔狂なことに
能楽サークルに所属していた。
金春流に師事していて、
素人芸ながらお謡とお仕舞を少しかじった。
だから、この『風姿花伝』編は興味深かった。


学習院能楽研究会(能研)には
宝生流と金春流の芸を学ぶと同時に、
流派を超えた「ゼミナール」というカテゴリーもあって、
能の歴史や系譜、思想、美術論などにも触れる機会があった。


もちろん僕は劣等生で、大した知識を得ることはなかった。
それだけに目から鱗が落ちるような発見がたくさんあって、
番組を通して、能の黎明期に現れた
世阿弥という天才の「凄味」を再認識した。


能研ゼミで教わった世阿弥の言葉で、一番好きなのは
「住する所なきをまず花と知るべし」
というフレーズ。
殊更に現在の言葉で英訳すれば、
「I'm rolling」「Let's rock'n'roll」
というニュアンスなのかもしれない。
世阿弥時代、能楽はアヴァンギャルドな存在だったのだ。


風姿花伝論は他の素晴らしい研究者にゆずるとして、
ちょっと前、その能研の見知らぬ大先輩からメールをいただいた。
能研は今年50周年の節目を迎えるらしく、
その記念誌に何か思い出話を寄稿してほしいという。
メンドくさくもあり、面映ゆくもあるのだけど、
僕の青春の酸いも甘いも大部分を占めている
お世話になった大好きなサークルの依頼を断る理由はなく、
快諾した。


さて、問題は内容である。
クソマジメなことを書いたところで、誰も読まないだろう。
とはいえ、関係者だけわかる(ウケる)内輪話もいかがなものか?
締め切りまで1ヶ月ほどになり、
そろそろペンを取らなきゃと焦りはじめた。
とりあえず、寄稿文のタイトルだけ決めた。

「御学友なれなかった俺はしぶしぶ入部を決意しました。」

わかるやつだけわかればいい!

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