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藍色の手紙

2018-03-09 09:36:22 | 日記・エッセイ・コラム
Coastline不意に手紙が届いた。
宛先の文字は見たことがあるような筆跡なのだけど、
差出人は見知らぬ女性の名前が書かれていた。
いぶかしみながら封を開けると、
知己の老婦人の逝去の報がしたためられていた。
差出人は、旅立たれたご婦人の娘さんだった。


僕は、23年の間、毎年4月20日に、
このご婦人に花を贈りつづけてきた。
いつも懇切丁寧なお礼状をいただいていたのだけど、
ここ一両年は便りが途絶えていたから、ご体調を危惧していた。


「人間は二度死ぬ」という。
肉体が滅びたときと、みんなに忘れ去られたとき。
このご婦人と僕は、ある人の二度目の死がこないように、
その人のことを忘れないようにずっと過ごしてきた。


手紙のどこか懐かしい藍色の文字は、
その人のお姉さまだったから筆蹟が似ていたんだろう。
鬼籍に入られたこのご婦人も、これから僕の中で生き続ける。


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2 コメント

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Unknown (まみろん)
2018-03-23 23:16:50
私もその一人です
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ありがとう! (mf)
2018-03-25 14:27:03
思いがけず、まみろんさんからのコメント。
九州で何か甚大な災害が発生したのかと思いました
返信する

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