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SIDEWALK TALK

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迂闊な火曜日

2011-08-16 14:06:00 | 佐野元春
Motoharu_sano5佐野元春が好きだから、そのことを書く。

このひとが、1980年代、
説得力に富んだ美学的ロジックでもって、
日本語ロックというジャンルを一変させた人であることは
いうまでもない。
当時の年齢は、まだ20代半ばでしかなかった。
しかも、デビューして数年は鳴かず飛ばずだった。

といって、佐野さんに悲壮感はなかったように思う。
不遇時代のリリックもメロディもじつにあかるく、
世間(シーン)を呪うということもなかった。
それどころかその当時の楽曲は「元春クラシックス」として、
今では絶大なる支持を得ている。

どうも、こんな境地は努力して得られたものじゃなく、
単に佐野さんの性分にちがいない。
このことも、ロックグレイツになった現在からみれば、
ファンである僕たちには悲しみをともなうほど爽やかである。
だから僕は、佐野元春が好きなんだ。


デビューして最初の3~4年で、
佐野元春は佐野元春そのものを確立し、
日本語ロックの基礎的な部分に徹底的な変革をあたえた。
このことは佐野さんらしい陽性の使命感からでていて、
私欲(商業的成功)という夾雑物は微塵もみられない。

欲望というのは、
サブカルチャーやカウンターカルチャーへの好奇心だけだった。
並外れた好奇心の量の多さが、
自らの表現のフェイズを奇跡のように更新しつづけた。


僕は、若いころ、
ヒップホップやポエトリー・リーディングというのがよくわからず、
佐野元春といえばその初期の16ビートだけを愛した。

物や事を、えぐりとった肉塊や目方を量るようにしてつかみつつ、
その表現には虚飾や冗漫がない。
措辞や音律に生きている人間そのままの体温と膚質の湿りを感じさせるという音楽は、
べつの見方でいえば、渋谷揚一のロック評論とともに
日本語ロックの第一期の完成をなしたともいえる。


佐野さんは、大マジメな人だと思う。
が、どこか可笑しい。
知性とユーモアの案配のよさが、
僕たちを佐野元春に惹きつけているのかもしれない。

Christmas Time In Darkness

2010-10-06 13:02:09 | 佐野元春
佐野元春30周年アニバーサリー・ツアー
「3つの違うバンドと、3つの異なる表現」

  part 1. スポークンワーズ・セッション 『 in motion 2010 僕が旅にでる理由 』
  part 2. 全国クラブ・サーキット・ツアー 『 ソウルボーイへの伝言 』
  part 3. 全国大都市ツアー 『 ALL FLOWERS IN TIME 』


めちゃ楽しみにしてたんだけど、
大人の事情で、結局、どのツアーにも参加することができなくなった。
I'm in blue.


But don't worry, Baby!
捨てる神あれば拾う神あり!
ガッカリしてたところに、ビッグニュース。


ブルース・スプリングスティーン
闇に吠える街 ~ The Promise: The Darkness On The Edge Of Town Story

  DARKNESS のすべて!
  1978年発表、名盤『闇に吠える街』が32年の月日を経て、
  初デジタルリマスター ! + 未発表曲 2CD !! + 未発表映像 3DVD !!!
  という想像を超えた一大絵巻でリリース!


闇に吠える街~The Promise: The Darkness On The Edge Of Town Story(DVD付) The Promise: The Darkness On The Edge Of Town Story

 Bruce Springsteen
 価格:¥ 14,700(税込)
 発売日:2010-12-08


『 Darkness On The Edge Of Town 』は、ボス作品の中で、僕のフェイバリット・アルバムだ。
その後のライヴで重要な位置を占める楽曲たちが、夜空の星のように散りばめられている。
数年前、『 Born To Run 』発売30周年のリマスター盤がリリースされたとき、
『 Darkness 』のリマスターも、と渇望してたんだけど、ついに実現した。


『 Born To Run 』の大成功の後、
ボスは契約上のトラブルから、3年以上新作がリリースできなかった。
3年の時を経て世に送りだしたのが、この『 Darkness 』だ。


実は、この間に発表されるべきアルバムが存在していたという。
それが、今回パッケージされた『 The Promise 』という作品だという。
加えて、The E Street Band の当時のライヴ映像や、
1976年から1978年までの未発表映像(自宅でのリハーサル、スタジオ・セッションなど)の
DVD もパッケージされている。


自分への Xmas プレゼントとして、ソッコーで予約した。
今から興奮を抑えきれない。
Christmas Time In Darkness


New Age

2010-09-29 18:07:00 | 佐野元春
佐野元春デビュー30周年を記念して、
80's、90's、00's の作品を網羅したベスト盤が発売された。


佐野さんほどのロックグレイツのワークスを、
そもそも CD 1枚分、16曲にセレクトすること自体に無理がある。
あの曲もこの曲も収録されてない
という、コアなファンからの不満の声が聞こえてきそうだ。
けど、これを言いだしたらキリがない。


それでも僕は、敢えて1曲だけリクエストしたい。
それは、「 New Age 」だ。


ソウルボーイへの伝言 The Very Best Of Motoharu Sano A Message to Soul Boyソウルボーイへの伝言 The Very Best Of Motoharu Sano A Message to Soul Boy

佐野 元春 価格:¥ 2,600(税込)
発売日:2010-09-29


この楽曲のテーマ(or モチーフ)は、いったい何なのだろう?
当てずっぽうだが、1980年代の米国で制作されたことから察すると、
New Age Movement(ニューエイジ運動)の影響があるんじゃないだろうか?


この運動がいうところの「ニューエイジ」には、「新しい時代」の他に、
「新しい世界」「新しい思想」が含意されている。
「ヨハネの黙示録」にこの表現があり、
キリスト教徒の一部の宗派が採用している「千年思想」が背景にあると言われている。


教科書(神学)ふうにいうと、
神と悪魔の戦いが千年続き、最後に神が勝利して、ニューエイジ(新しい世界)がやってくる
というものだ。
基本的には、伝統的な教えの中から、古くて役に立たない教えを廃し、
真の意味での教えを明らかにしようという運動である。


New Age Movement について述べるとキリがないんだけど、
以下のように、功罪が相半ばしている。
ニューエイジは、ラディカルな社会運動と結びつきやすく、
環境運動やフェミニズムの進化に好影響を及ぼしたが、
反面、カルト宗教を生み出す素地になりやすいといったマイナス面がある。


僕は、佐野さんが New Age Movement についてコメントをしているのを聞いたことはない。
けど「 New Age 」は、この運動の影響を受けてつくられたような気がしてならない。
New Age Movement は、60年代のカウンターカルチャーをその直接の起源とする。
当時のカウンターカルチャーだったヒップホップ・カルチャーの渦の中で、
佐野さんがこの運動を表現しても違和感はない。


クドクドと屁理屈を並べ立てたけど、
以上は、「 New Age 」が収録されてないことへの僕の愚痴、ポケットの中の戦争。
『 Visitors 』の収録曲は、この種のコンピレーション・アルバムにはそぐわない
という判断なのかもしれない。
だったら、「 Christmas Time In Blue 」はどうなんだろう?

THE SONGWRITERS

2010-09-06 17:54:00 | 佐野元春
The_songwritersNHK 佐野元春の「ザ・ソングライターズ」は、
佐野さん自身も認めているように、
「 Inside the Actors Studio 」のスタイルを摸している。
現在 2nd シーズンが放送されているのは知っていたけど、
ミスチルの桜井和寿の回をみただけで、
ずっとご無沙汰していた。


昨夜、暇にまかせて HDD レコーダーをいじくっていたら、
なんと 2nd シーズンがもれなく録画されていた。
レコーダーの便利機能なのか? 嫁が気を利かせたのか?
そこいらは不明だけど、お陰で数回分をまとめて見ることができた。


こんなことをいうと巨人に対して失礼なのだが、
佐野元春というミュージシャンは、風変わりな人なんだろう。
自らも表現者でありながら、
平衡感覚に優れたジャーナルな視点を持ち合わせている。
あわせてクソマジメで、ロックグレイツになった今も、
若い詩人に対して奢るところが微塵も感じられない。


1st シーズンの 小田和正 編、松本隆 編、きのう見た 鈴木啓一 編。
ともすれば達人同士の「禅問答」になりがちな対談を、
ジャーナルな視点とアカデミックな態度で補完する
佐野さんのアティテュードには、いつも感服させられる。
佐野元春は、研究者(学者)でもあるようだ。


「ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリー」

この番組は、このコンセプトの普遍性を精緻に検証する番組で、
決してディレッタントのためのサブカルチャー・プログラムじゃない。
佐野元春ファン云々は脇に置いてもおいても、
不定期でいいから、ずっと続けてほしい番組だ。

都市のハックルベリー

2010-08-22 23:53:00 | 佐野元春
好きな FM プログラムのひとつに、「 Melodious Library 」という番組がある。
作家の小川洋子さんが未来に残したい文学遺産を毎週1作品ずつ紹介する番組で、
番組では、小川さんがその作品からインスパイアされた楽曲がオンエアされている。


普段、この ML にはゲストはこないんだけど、
今朝の放送では、なんと!佐野元春が特別にゲスト出演していた。
今週フィーチャーされた作品は J.D. サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』で、
なるほど、小川さんが佐野さんに特に出演をオファーしたんだろう。


The Catcher in the Rye The Catcher in the Rye

 J.D. Salinger
 価格:¥ 670(税込)
 発売日:1991-05-01



僕などの稚拙な鑑賞力では、主人公ホールデン・コールフィールドは、
大人の世界のインチキを見抜く反抗的で混乱した精神の持ち主にしかみえないんだけど、
佐野さんや小川さんには、むしろ優しすぎる繊細な少年というイメージのようだ。


番組中、佐野さんが絶妙な表現でホールデンのことを解説していた。

「ホールデンは、都市に住むトム・ソーヤやハックルベリー・フィンだ」


目から鱗が落ちる思いがした。
トムやハックの舞台が大自然だったのに対して、
ホールデンのそれは猥雑な都市だっただけだ
というのだ。


ティーンの男の子特有の冒険心というものが双方ともにあり、
不思議なものを不思議に感じて行動を起こすという部分も共通している。
この視点で、もう1度『ライ麦…』を読みたくなった。


来週の ML にも佐野さんがゲスト出演するらしい。
来週は、どの作品が紹介されるのだろう?
ベタなところでは、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』あたりだろうか?
もしくは、アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックなどのビートニクの特集かもしれない。


デビュー曲

2010-03-30 21:51:00 | 佐野元春
Angel毎週火曜の朝、仕事で、車を走らせている。
カーラジオで、「元春レイディオショー」(再放送)をきいている。
きょうの MRS は、佐野さんのデビュー30周年にちなんで、
ロック・グレイツたちのデビュー曲特集だった。


1曲目、いきなり「アンジェリーナ」が流れた。
10代のころから何千回、何万回もきいた30年前のこの曲に、思わず聞き耳を立てた。
佐野元春のデビュー曲が「アンジェリーナ」でよかった
と、素直に感じた。


1980年3月、ひとりの若者の叫び声が、
ぬるま湯のなかで惰眠を貪っていたニューミュージック・シーンの静寂を切り裂いた。
ボブ・ディランの歌唱法をフルスロットルで加速化したようなヴォーカル・スタイル、
ラディカルなパンク・ロックよりもさらに性急なビート、
若い都市生活者のライフ・スタイルをモチーフにした歌詞、ユニークな言語感覚など、
さまざまな表現のフィールドにおける彼の斬新なアプローチは
奇妙な鎖国状態に陥っていた「日本語の ROCK 」にリアルなロックンロールのダイナミズムを持ちこんだ。


その人が佐野元春であり、その楽曲が「アンジェリーナ」であることはいうまでもない。
とは言え、デビューして数年は鳴かず飛ばずだった。


といって、佐野さんに悲壮感はなかったように思う。
不遇時代のリリックもメロディもじつにあかるく、世間(シーン)を呪うということもなかった。
それどころかその当時の楽曲は、「元春クラシックス」として、今では絶大なる支持を得ている。


どうも、こんな境地は努力して得られたものじゃなく、単に佐野さんの性分にちがいない。
このことも、ロック・グレイツになった現在からみれば、
ファンである僕たちには悲しみをともなうほど爽やかである。  
だから、僕たちは佐野元春が好きなのだ。


佐野さんは、自身の作品について解説することをことさらに避けていたきらいがある。
けど、最近はキャリアが成熟してきたらからなのか?時たま語ることがある。
けさの MRS でも、含羞を含みつつコメントしていた。


いうまでもなく、「アンジェリーナ」はジェームス・ディーンを意識した、
社会(大人)への反抗をロックンロールのフォーマットで表現(スケッチ)した楽曲だ。
それにくわえて、それ以前のロックンロール音楽へのレヴォリューションでもあった。


この曲のリリックは、「シャンデリアの街で眠れずに」ではじまる。
1音符に「シャンデリア」という単語をいきなり割り振っている。
レヴォリューションとしか、言いようがない。


ラリー・コクランを意識したヴォーカル・スタイルもさることながら、
時代を更新するんだ!
という、佐野さんの覚悟が感じられる楽曲だ。


再放送

2010-03-24 11:27:13 | 佐野元春
Onjdelta僕は、佐野元春フリークを自称しているくせに、
「元春レイディオショー」をリアルタイムで聴いたことがない。
早寝が染みついていて、
夜11時スタートという時間がネックになってるんだよな。


幸いなことに、翌火曜日の朝10時から再放送がある。
火曜の朝、たいがい仕事で車を走らせている。
だから僕は、もっぱら再放送で MRS を楽しんでいる。
といっても仕事中で頻繁に乗り降りしてるから、実際は50%くらいかな?


いいことなのか?悪いことなのか?微妙だけど、
再放送だとあらかじめプレイリストがわかっていて、心の準備ができている。
だから、興味がない曲のときに車を降りて、社用を済ませたりしている。


きのうの(再)放送は、佐野さんがデビューした1980年をフィーチャーした内容だった。
1980年といえば、僕はまだ中学生だったけど、
きのうエアプレイされた楽曲はすべて知っていた。
当時は、日本の歌謡曲同様、洋楽も多様化されてなかったんだろうか?


意外だったのは、Olivia Newton-John & E.L.O. の「 Xanadu 」が流れたことだ。
さらに、佐野さんが「いいですね!」と陽気にコメントしていたのも意外だった。
佐野さんとオリヴィア・ニュートン・ジョン、うぅむ…結びつかないな。


僕のオリヴィアにたいする印象は、まさに Miss America なんだけど、
実際は UK 生まれで、オージー育ち、とのこと。
これまた意外だった。


当然ながら、来週の再放送でエアプレイされる曲は公開されてる。
僕的には、The Who 、Todd Rundgren あたりが気になっている。

アボカドベーコンサンド

2010-03-13 10:06:40 | 佐野元春
Abl_sand彼は、Harpo Marx の孫であり、
Buddy Holly の息子であり、
Woody Allen の甥であり、
Bruce Springsteen の弟である。
彼の右ポケットには William Blake が、
左ポケットには Jack Kerouac が入っている。

上記のレヴューは、まだ無名時代の佐野元春についてのものだが、
佐野元春というアーティストの核心をもっとも的確に評している。


きょう、3月13日は佐野さんの誕生日とのこと。
昨夜、元春ファンのツイートでこのことを知った(思いだした)。


僕は、ひねくれてるのか?
好きなものに手放しでのめり込むという、
好ましい意味での執着心が薄い。
お気に入りのアイドル、アスリート、ミュージシャン、画家、作家...
彼らの誕生日などには無頓着だし、
部屋にポスターを貼ったこともなければ、
ましてやグッズを集めたりしたこともない。
要するに、シラけた野郎なのだ。


佐野元春というミュージシャンは、好きというより、
僕の人生に(というと大袈裟だけど)もっとも影響を与えてくれた存在だ。


「奪われたものは 取り返さなければ」
「つまらない大人になりたくない」
「本当の真実がつかめるまで Carry on」
「すべてをスタートラインにもどして ギアを入れ直している君」
「I'll keep walking on this complication shakedown」
「みせかけの輝きはいつかさびていく」
「今までの君はまちがいじゃない」
...and more

とくにティーンのころ、これらのラインにSoulがシェイクされた。


先に触れたように、
大好きな佐野さんの誕生日だからといって、特別な感慨はない。
ただアラフォーになった今もSoulをシェイクしてくれる佐野さんに
感謝の意を最上級のリスペクトを添えて贈りたい。


3月13日は、どういう理由だろうか?
サンドウィッチの日でもあるらしい。
アルバム『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』のレコーディングため、
ロンドンに滞在中、佐野さんがアパートでよくつくって食べたという
アボカドベーコンサンドをつくってみた。

Happy Birthday, Dr. Moto!

See Far Miles Tour

2009-12-21 16:21:00 | 佐野元春
9091oarきのう、休日出勤して、家に帰ると届いてました。
ご褒美かな?

『 佐野元春 1990-1999 ORIGINAL ALBUM REMASTERED BOX 』

1万5千円もするんだけど、
ボーナス・トラックが収録されているわけじゃないし、
特典映像も付いてない。
リアル・ファンじゃないと買わない商品ということだろう。
僕も一瞬逡巡したが、結局、ネット予約してしまった。


僕の90年代の佐野元春の印象は、
See Far Miles をさまよっていたという感じだ。


90年代は、クロニクル的には、
The Heartland の解散、H.K.B の結成などのトピックがあげられるが、
80年代のワークスのような爆発力はない。


確かに90年代のアルバムはバラエティに富んでいる。
言いかえれば、佐野さんのマインドは、
ときにはタオイズムにしびれ、ときには空よりも高く舞い上がって、
やぶいたり、壊したり、ひっくり返したりして、
世界中にジャンプしていたんだろう。


あらためて90年代の作品を聴いてみると、
アーティストとしての精神の成熟や
ミュージシャンとしてのプレイヤービリティの充実に驚かされる。
また、オルタナティヴな領域にも果敢にチャレンジしていて、
メジャーとマイナー、当事者とアウトサイダーの間を自由自在に泳いでいる。
こんなミュージシャンは、佐野元春しかいないだろう。


そして2000年代、
See Far Miles Tour から帰還した佐野さんは、
『 The Sun 』『 Coyote 』という究極といっていいほどの
ハイクオリティのアルバムをリリースして、
その輝かしいキャリアの中で何度目かのピークを迎える。


90年代の See Far Miles Tour は、佐野元春にとっては必然だったのだろう。

だいじょうぶ、と彼女は言った

2009-08-22 14:33:00 | 佐野元春
Letterここ10年ほど、些末なことに心を捕らわれている。
もっとも語学(英語)力のある人にきけば、
あっという間に解決するのだけど...


いまから10年ほど前、
佐野元春がレコーディング・アーティストとして
キャリア20周年を迎えるにあたり、
自身のビートニク音楽 -あるいは言語表現- を総括する
アルバム『Stones and Eggs』をリリースした。
そのアルバムに「だいじょうぶ、と彼女は言った」という楽曲が収録されていて、
リリックにこんな英文のフレーズがある。

  Don't think twice it's over

僕の些末な悩みとは、この英文の意味だ。


素直に訳して、
「もう終わってしまったなんて、2度と思わないでくれ」
と、すべきなのか?


それともカンマを入れて、「Don't think twice, it's over」として、
「くよくよするなよ。もう過ぎたことだろ」
と、訳すべきなのか?


このラインが、もしボブ・ディランの60年代の楽曲
「Don't Think Twice, It's All Right」からのインスパイアだとすれば、
後者の方が正しいということになるのだけど...
それとも、まったく別の解釈があるのだろうか?