

結婚式場はJR浜松駅から南側の数キロの所にあった。

私にとってはブラジル人同士の結婚式参列は始めてで、どのような結婚式になるのか、胸がワクワクしていた。


式場の飾りや椅子やテーブルが、白と赤を用いて明るい雰囲気をかもし出している。

最前にはテントのような形をして、白でおおわれた祭殿がある。

この祭殿は神父より結婚の契りのセレモニーが行なわれる場所である。
予定時間を少し過ぎてから結婚式が始まった。


結婚式の時間まで車の中で待機している花嫁

明るい雰囲気の式場

華やかな花に囲まれた結婚式用のウエデイングケーキ

飾り付けられた花と果物・ケーキ・お菓子

結婚式用の料理やケーキ・果物

この神父夫婦は、花婿の両親でもある。

神父夫妻がお互いに腕を組みながら床に張られている、赤いジュウタンの上をゆっくりと歩いて祭殿の方へ登場していく。
次に花嫁の両親も、腕を組みながらゆっくりと登場する。
厳かな雰囲気である。
次に、また夫婦が同じように、腕を組みながら次から次へと登場していく。
全員の登場が終わると、下記の写真の愛らしい少女が、きれいに着飾った指輪の入った籠を持って登場していく。

雰囲気も一層厳かに盛り上がってきている。

結婚指輪の入った着飾った籠を厳かな雰囲気の中で持参する少女

真剣な表情で登場する花婿
色の白い花婿がスーツ姿で登場する、友達もたくさん来ているようだ。
歓声がわいてくる。

それに笑顔を振り向けて応える花婿。

今、行なわれている結婚の慶びの表情が伝わってくる。


満面の笑顔で登場してきた花嫁


2年前にブラジルから日本に来た時に合って以来であるが、見違えるように成長し、美しい女性になっているのに驚かされる。
まるで、女優さんのような美しさである。



新郎から出された腕を笑顔で応える花嫁



やはりブラジルは、西洋文明社会の一員である、このような動作が自然と出てくる。
日本の社会では、なかなかこのような自然な形にはならない。
新郎新婦は、ここから祭殿の前まで行って、結婚という洗礼の儀式に臨んでいく。

やがて、マイクを片手に持った、神父からの結婚の儀式が始まった。

私にはポルトガル語が分からないので、何を言っているのか理解できないが、横の妻の話によると、
「このカトリック系を母体とした宗教は、結婚した以上は永遠であり、離婚することも、離婚を考えることも、神は許さない」
と言っているとのことであった。

神父さんセレモニーの話しは、波のように、時には激しく、時には静かに、流暢よく話されていたが、一時間近くも話されたのには驚かされる。


用意された祭殿で始まった結婚のセレモニー

神父からの言葉に厳粛な表情の新郎新婦

晴れて夫婦になって新郎の両親と焚き合う新郎新婦


家族愛を深く感じる光景である。


慶びにわく花嫁の両親と記念の撮影

新郎新婦を囲んで記念の写真
今回の結婚式ではお酒類は一切出なかった。

宗教の関係でお酒を禁じているらしい。
私も数多くの結婚式に参列しているが、お酒を飲まなかった結婚式は始めてであった。

会場の雰囲気は、お酒があるないに関わらず大変盛り上がっていた。

ブラジルの人独特の明るさがあり、さすがサンバの国のイメージが伝わってくる。

このブラジルの結婚式も、決して日本のような豪勢な結婚式ではない。
むしろ質素であると思われる。

日本のように出席する時のお祝い金や、一人一人に出される豪勢なお膳、引き出物などのお返しもあるわけではなかった。

新郎新婦の考えも、式にお金をかけるよりも、これからの生活を重視する考えに徹しているようだ。

これからの人生を、誰にも頼ることなく、自分たちの力で切り開いていこうとする二人の姿勢が感じられる。



二人が前向きで輝いた、幸せな人生であってほしいと思う。



