新しい英語教育へのチャレンジ―小学生から英語を教えるためにくもん出版このアイテムの詳細を見る |
小学生に英語を教える先生(小学校でも英語教室でも個人レッスンでも!)に
とって、どっちを向いて、何を目標に教えるのか?のガイドラインになる
本です。
たくさんの共感部分がありましたが、かいつまむと・・・
◆「金魚鉢モデル」=外の海では生きていく力(英語力)のない軟弱な金魚を、
テスト・受験の動機で勉強させる従来の英語教育ではなく
「大海モデル」=正しさの追求が第一でない。大海(多様な価値、多様な英語)
の中でも使える英語力の育成を目指す。
◆ 「大海」に出る準備としての小学生の英語が具体的に目指したたいこと
1.言語要素(発音重視、英語の型=語順の提示)
2.コミュニケーション要素(正確さより通じる喜び)
3.技能
a 聞き取り重視
b 簡単な会話
c コミュニケーションに必要となる読み(看板を読む、製品名を読むなど)
d cと同様の書き
◆ 英語が楽しい!と思わせるには、外の動機(テストがあるから~など)で
なく、内的な欲求に答える授業をする。
もっと知りたい=知的欲求
外国人と話してみたい=冒険を求める欲求
英語の話せるタレントにあこがれる=刺激を求める欲求
英語を言ったら、相手が予想どおりに反応してくれた=操作欲
ほめてもらいたい=自尊心への欲求
◆ 小学校の総合的な学習(国際理解)は焦点がぼけやすい。
年に数回ならいいが、長期にわたり異文化の「体験」だけで終わって
いいのか?
◆ 昨今のいじめ問題とも密接にかかわるのデータ例
・いじめを注意したことがあるか
・けんかをやめさせたことがあるか
・困っている友達の相談にのったことがあるか
の項目で、日本が最低の率(英、米、独、韓、日の5カ国。対象11~14歳)。
他人に無関心な様子が伺える。まずは日本語でのコミュニケーション力育成が
重要。日本語を基盤に英語でのコミュニケーション力も高めていく。
◎いっぱい線を引いて読んだのですが、特にそうそうと共感したのは・・・
小学校のうちに重視したい力のトップは聞き取り。
子どもにとって必要な表現、言いたいことを英語にする。
英語は語順が命。語順提示をしっかりやるということ。
この3点でしょうか。語順というのは文型といってもいいでしょう。
最低限の通じるための文法です。文法学習とは違いますが
単語を並べただけで通じる日本語と語順が変わると意味が変わる
英語の違いは大切。
このラインにそって教えていくことに迷わなくていいという
意を強くしました。
追記*
私が大学時代に1年交換留学してさらに教職過程をとって
教育実習をこなし、留年せずにすんだのは、吉田先生のお計らい
だったのです。
通常はムリなカリキュラムになっていました。
なのでめちゃくちゃ恩師!
なのにほとんど卒業以来ご無沙汰です。
ヨシケン先生!会いに行っていいですかぁ・・・とつぶやいてみる(笑)
オーソリティーが提示してくれたこんな本があると助かります。すぐに読んでみたいです。
(文部科学大臣があんな発言をしながら、小学校英語の必修化がいい加減に進められていく日本ですもの。。。せめてできることからしなくてはと思っています。)
2003年の本ですが、「機は熟してきている」と先生はおっしゃっています。
長いスパンで見ると、日本の英語教育はよくなって
いるし、意識改革をさらに進めようと。
ただ、やり方を間違うとやっぱり小学校にはいらなかった・・
という結論になってしまう。
導入自体は問題ない、ただそのやり方をしっかり討議して
方向を間違えないことだと私も思います。