2013年7月23日13時17分
「おかわり、進んで手上げた娘」 女児両親がメッセ―ジ
子供を失った親の悲しみははかりしれない。
「おかわり、進んで手上げた娘」 女児両親がメッセ―ジ
23日午前、亡くなった女児の両親が寄せたメッセージを、検討会委員らの前で調布市教育委員会の職員が泣きながら代読した。「報告書の完成にあたって」と題したメッセージの全文は次の通り。
◇
先頃、娘の新盆を迎えました。
送り火に乗って娘の精霊がまた天に戻って行くのを感じ、耐え難い寂しさをひしひしと感じるとともに、失われた命に対する悲しみを新たにする日々です。
お盆に戻ってきた娘に会いに、クラスメートたちが自宅に訪れてくれました。
ひとしきり思い出話をした後、ひとりの女の子が、娘の死因となった「おかわり」の理由について教えてくれました。
とりわけおいしくないと子どもたちに不人気だったその日の献立に、おかわりを勧める呼びかけに手を挙げる子はほとんどなかった中、滅多におかわりを希望しない娘が進んで手を上げたのだそうです。
給食後、不思議に思ったその女の子が、「どうしておかわりをしたの?」と尋ねると、娘は「給食の完食記録に貢献したかったから」と答えたそうです。
女の子は、泣きながらそう私たちに教えてくれました。
クラスでは、給食の残菜をゼロにする「給食完食」を日々の目標にしていました。みんなと同じ物が食べられない日も多い中、何かできることがあれば周囲の役に立ちたい――家族が常日頃目にしていた、娘の物事すべてに対する前向きな姿勢、いつも誰かの役に立つ人でいたいという思いが、このような結果を引き起こす事になろうとは。
残念でなりませんが、今は娘の強い遺志がこの報告書に反映されていると信じたく思います。今後はこれが関係各位によって十分認識され、万全に現場の施策に活かされ、さらに継続して改善されて行くであろうことを、引き続き娘と共に見守りたいと考えます。
委員の方々には、ご努力に対し御礼を申し上げます。
子供を失った親の悲しみははかりしれない。