なぜ記者はこうも間違うのか!? 消費増税見送り解散&総選挙には大義がある
今回は、消費増税先送りで解散総選挙への流れについてあたったのかもしれないが、政局については、一寸先は闇だから、次回はわかならい。
もっとも記者たちのポチぶり、問題意識の欠如、経済政治社会への洞察の浅さ、官僚による政治家・記者の支配の仕方 メディアの ”先にスタンスありき”の姿勢については、たぶん、その通りであろう、と思う。
彼らはどうして、こうも見事に間違えるのか、あるいは政局の流れを読めないのか。
その理由を突き詰めて考えると結局、政治記者も経済記者も同じ「ポチ取材」ばかりしているからだ、と思うようになった。取材相手に取り入ることばかりに熱心で、自分の頭で経済の実態やあるべき政策の姿、あるいは政治の正統性といった問題について考えていない。だから間違えるし、政局の本質が読めないのである。
繰り返す。まず出発点は景気が悪い。だからこそ日銀が追加の金融緩和に踏み切った。そうであれば、ますます増税はできない。景気が悪ければ、金融は緩和し財政は減税または歳出増で景気刺激という政策は、大学1年生が習う「経済政策のポリシーミックス」である。
このイロハのイが分かっていれば、今回は経済政策として増税先送り以外にありえない、というのは自動的に分かる。
なぜ正しい経済政策を実行できないのか。それは、正しい経済政策を実行しようとすると、必ず既得権益を握った官僚機構と衝突して抵抗に遭うからだ。言い換えると、政治家と官僚のバトルになる。これが日本政治の深層構造である。
予算編成権は国会議員へのアメ玉だ。財務省に「地元に予算を付けてあげます」と言われて、喜ばない議員はいない。徴税権は逆でムチだ。「先生の政治資金がちょっと」と言われたら震え上がるだろう。記者は財務官僚から「これは貴方だけだけど」と囁かれて政策ペーパーをもらったら、だれでもポチになる。これが情報力である。財務省に議員とマスコミを抑えられたら、勝ち目はない。
だから解散なのだ。3党合意で決めた増税を安倍政権がチャラにするために、あらためて国民の声を聞く。それは先々週のコラムで書いたように、政治的にまったく正統である。
ちなみに東京は増税反対、朝日は増税賛成だ。正反対の立場であるはずの両紙がそろって「解散に大義はない」と唱えるのは、いま解散になると安倍政権が信認されて野党が負けると思っているからだろう。つまり安倍政権そのものに反対なのだ。そうだとすれば「お里が知れる」という話である。
両紙は政権に反対する立場から解散を批判していて、そもそも経済政策と政治の正統性がしっかり確保されているかどうか、という問題は2の次、3の次になっている。そんな「先にスタンスありき」の姿勢でいて、政局の行方がしっかり見極められるはずもない。だから間違うのだ。これは一連の朝日誤報問題と共通している
今回は、消費増税先送りで解散総選挙への流れについてあたったのかもしれないが、政局については、一寸先は闇だから、次回はわかならい。
もっとも記者たちのポチぶり、問題意識の欠如、経済政治社会への洞察の浅さ、官僚による政治家・記者の支配の仕方 メディアの ”先にスタンスありき”の姿勢については、たぶん、その通りであろう、と思う。