強制収用し高値転売、土地汚職に怒り…中国農村
中国の農村部では、地方当局による汚職が絶えず、農民の抗議デモを誘発、「腐敗撲滅」を掲げる習近平シージンピン指導部への不信感が渦巻いている。
背景には、当局が強制収用した土地の使用権を開発業者に高値で転売できる「土地がカネを生む構造」があった。
福建省晋江市中心部から約5キロ・メートルの王●村は、再開発の真っ最中だった。村トップの洪美恋・村共産党支部委員会書記を中心に、約3年前から再開発が本格化。田畑が広がっていた村には今、瀟洒しょうしゃな別荘風の建物が立ち並ぶ。(●は、がんだれに昔)
「村幹部は農民から土地を奪って私腹を肥やしているばかりか、抗議した村民を次々と捕まえている。こんな横暴があるか」
村の女性の案内で、表通りの監視カメラを避けながら小さな寺院にたどり着くと、約30人の住民が口々にまくしたてた。
約30分後、男女2人の当局者が来て、取材を止めようとした。住民らは2人を寺院から追い出すや、門に内側からかんぬきをかけた。たった2分ほどの出来事だったが、村内に渦巻く怒りと不信感をうかがわせるには十分だった。
住民の主張はこうだ。
村当局は3年前、約670平方メートルあたり12万5800元(約200万円)の補償金を振り込んだ銀行通帳を住民に一方的に配布し、農地を強制収用。それを同面積あたり400万~500万元(約6400万~8000万円)で不動産開発業者に転売し、差額を村幹部や同村を管轄する晋江市当局者らが着服した。
当局はさらに今春、農地を失った住民ら数百人が暮らす一角も再開発対象とした。街頭のスピーカーからは「立ち退き期限は11月18日」と大音量の音声が流れている。当局は開発業者が建設した高層マンションへ入居を勧めているという。
40代の男性は「補償金ではマンションは買えない。農地を奪われた上、今後は家からも追われる。補償金が底をついたらどうなるんだ」と憤った。
(2013年10月1日10時08分 読売新聞)
読売が、めずらしく、要約転載記事ではなく、取材している。なかなかいい記事だと思うが、しかし、中国語でもこうした情報を発信できないものか?
日本には移民も増えるし、すくなくとも、すばやく、英語にして情報発信できるシステムを構築すべきだ。