社説:女性の地位向上 変化もたらす制度を
毎日新聞 2013年12月15日 02時30分
これも一つ大きな問題提起ですね。
ただ、
「女性活用すれば業績アップ」は本当か 育休3年とキャリア断絶の矛盾 (3/7ページ)
2013.12.14 17:30
という意見もある。
いずれにせよ、
育児サービスへの公的支出、フルタイムとパートタイムに相互転換できる仕組み、こういうのを政治家、マスコミが常日頃を声をあげていくべき。
毎日新聞 2013年12月15日 02時30分
06年には上場企業に取締役の4割以上を女性とするよう法律で義務付けた。違反が続く企業は、最悪の場合、清算が命じられる。制度自体には反対の経済団体も、加盟企業向けに女性の幹部養成講座を作るなど、積極的に対応した。目標はたちまち達成された。
このクオータ(割り当て)と両輪の働きをしたもう一つのクオータも忘れてはならない。男性の育児休業だ。給与の100%が原則保証される約1年のうち、10週は父親専用。取らないと、夫婦合計で取得できる有給休業日数がその分減ってしまう。お陰で男性の育児や家事が当たり前となった。
これも一つ大きな問題提起ですね。
ただ、
「女性活用すれば業績アップ」は本当か 育休3年とキャリア断絶の矛盾 (3/7ページ)
2013.12.14 17:30
割当制の内容が公表されたとき、対象企業の株価は大幅に下落し、その後数年間で企業価値の指標である「トービンのq(時価総額÷資本再取得価額)」は10%の女性役員比率増加で12.4%低下しました。
さらに企業が制度の対象となるのを避けた結果、09年の上場企業数は01年の7割弱となる一方、割当制の要件を満たさない非上場企業の数は30%増えました。ノルウェーは国際的に男女間格差が小さい国として知られていますが、それでも女性役員比率を40%に高めることは企業にとって相当な重荷だったのです。
なぜ、この政策はうまくいかなかったのか。米ノースウエスタン大学のデービッド・マーツァ准教授と米バージニア大学のアマリア・ミラー准教授は割当制の影響を受けた企業と受けなかった企業を比較し、女性役員比率が高い企業は雇用削減を避ける傾向があり、相対的に労働コストや雇用水準は高まり短期的な利益が低下したと指摘しています。こうした効果は以前に女性役員がいなかった企業ほど顕著であった、とも。
という意見もある。
いずれにせよ、
女性役員比率を高めるには女性のキャリア断絶を防ぐこと、すなわちフルタイムの労働参加率を高めていくことが極めて重要です。
そこで必要になるのが保育への支援です。OECD(経済協力開発機構)の調査でも育児サービスへの公的支出は、女性のフルタイム労働参加率にプラスに寄与するとの結果が出ています。
また、育休については約2年を超えない限り女性の労働参加率に正の影響を与えるとの研究結果があります。ただし、それ以上になると負の影響が出てきます。「育休3年」は、女性のキャリア断絶回避という視点からは矛盾をはらむ政策といえるでしょう。
もう1つ、女性のキャリア断絶を防ぐうえで検討に値するのがオランダ型の雇用形態相互転換の仕組みです。オランダでは従業員の希望により、企業のなかでライフサイクルに合わせ働き方をフルタイムとパートタイムに相互転換できる仕組みが導入されています。
この制度が導入されると、子供が小さいうちは保育園のお迎えに間に合うかどうかで悩まないようパートタイムで働き、大きくなったら再びフルタイムで頑張るといった働き方が可能になるでしょう。
育児サービスへの公的支出、フルタイムとパートタイムに相互転換できる仕組み、こういうのを政治家、マスコミが常日頃を声をあげていくべき。