今回の森友学園問題は大きく2つに分けて考えなければならない。森友学園に大幅値引きで土地を売った問題と、公文書書き換え問題。この2つはごっちゃにしてはいけない。
近畿財務局が大幅値引きして森友学園に土地を売却した手続きはボロボロに杜撰。会計検査院の報告書に基づいて、まずはここを財務省や安倍政権にしっかりと認めさせる。まだ財務省は「適正な取引だった」と言い張っているようだからね。
そして安倍政権は外形的公正性の確保に弱い。
加計学園問題でも、安倍政権に違法不正があったとの立証はない。しかし、実質的な事業者選定のプロセスに入った段階で、その事業者とゴルフや会食をやることは違法不正がなくても外形的な公正性を害する。スーパー・スペシャルな契約の相手学園の名誉校長に首相夫人が就任するということも同様である。違法不正がなくても強く公正性を疑われるような状況は避けなければならないし、それを避けることができずに疑われた場合には、素直に謝って改めるべきである。
安倍政権の痛恨のミスは、昨年2月に野党から大幅値引きの根拠である土中ゴミの不存在を指摘されたときに、すぐに敷地を掘り返してゴミの有無を確認すべきだった。校舎が建っていないグラウンド一部の土中にもゴミが存在しているとされて値引き計算されていたので、そこはすぐにでも掘り返すことができたのである。
疑惑を受けて証拠を廃棄した側が、身の潔白を主張しても普通は通らない。その際、疑惑を追及する相手側に疑惑を裏付ける証拠を出せ! と迫るのも通らない。だって疑惑の追及を受ける側がその証拠を廃棄しちゃったんだから。
疑惑を受けている側が、自分に不利益になる(=疑惑を裏付けることに繋がる)証拠を廃棄した場合には、その疑惑の存在を推定するのが証拠ルールだ
笑っちゃうのは与党の提灯持ち議員たちが、書き換え前の公文書の記載をもって、この記載からは安倍さんや、昭恵さんが関与した形跡がないことは明らかだ! と言っていること。でも大量の証拠を財務省が廃棄した事実には知らん顔。大量に廃棄された証拠の中に、もしかすると安倍さん、昭恵さんの関与の事実が記載されているものがあったかもしれない。しかし、それらは全て廃棄されてしまったのだから藪の中だ。証拠を出す、出さない、それに今残っている証拠からすればどうなのか、という議論は、証拠が廃棄されてしまった今の状況では無意味な議論だ。
会計検査院の報告内容を見ると驚愕だ。よくこんな契約をやったなと驚くと同時に、ここまでの契約をやるとはよほどの事情があったんだな、と率直に感じる。報告書には、今回の土地取引が異常であり例外的なものであり、確認すべきことがほとんど確認されてない杜撰なものであることが指摘されている。大幅値引きとなったゴミ処分費の積算なんて、いい加減極まりない。
麻生さんの一連の対応は、残念だが危機管理のやり方としては最悪である。麻生さんは森友学園問題が発覚した後も、財務省の言い分を鵜呑みにして自ら強力な調査の陣頭指揮をとらなかった。
スジ通っているやないけ。
橋下くんは、あの短気に蓋をして、政界復帰したらどうかな。