今日は、昨日のマンテーニャの義兄弟「ベリーニ」。
ジョバンニ・ベリーニは、父のヤコポ、兄のジェンティーレが画家である、ヴェネツィア絵画の基礎を築く画家一家に生まれている。
ベリーニの妹がマンテーニャに嫁いだために義兄弟になるわけですが、同じ時代に生まれて、同じような画題を描きながら、二人はハッキリとした画風の違いがある。
マンテーニャにはあまり空気感が感じられないのに、ベリーニはそよ風が吹いているような感じだ。
3Dソフトをレンダリングするとき、全体にピントがあったクリアな画面が普通だ。
高度なソフトでは被写界深度を設定することができるので、空気感を感じることができる。
マンテーニャのクリアな感じに対して、ベリーニは被写界深度を微かにかけた感じの空気感だ。
その違いは何処から来るのか、と考えると、育った内陸のパドヴァと海側のヴェネツィアの湿度の違いではないだろうか?
育った地方の気候は画家の視覚に強く影響があるはずだ。
かなり以前20年ほどか、テレビでアメリカの個人コレクションのなかに、ベリーニの「十字架を背負うキリスト」が写っていたが、それが光り輝いて見えて感動した記憶がある。
その後ベリーニの画集を見てみるが、それらしい構図のものはあるのだが、あの感動は感じられないのだ。
それだけが特別な絵だったのか、その時の自分の心が特別だったのか?
解説の辻茂いわく、
「敬虚と愛の画家」