外に無く、内に有ること。

美を感じること、自然に生きること。

色彩の極致へ。

2010-03-29 07:57:14 | 日記


今日は、ジョルジョーネの優秀な弟子「ティツィアーノ」。
ジョルジョーネの前には、ベリーニ兄弟に学んだようなので、ヴェネツィア派としては完璧です。

ティツィアーノは当時としては非常に長生きで90才くらいまで生きたと言われている。
初期はジョルジョーネ風の落ち着いた画風でしたが、後期にはバロック様式にまで踏み込んでいる。
これは同じようにしたミケランジェロにも言えることだろう。

ミケランジェロとティツィアーノはローマで会っている。
ヴァザーリにミケランジェロはこう言ったらしい、「ティツィアーノの色と筆法はなかなか気に入ったが、充分に素描を学んでいないのが残念なところだ。」と。

基本的にフィレンツェは素描に重きをおき、ヴェネツィアは色彩に重きをおく。
どちらが重要ということではなく、そのひとに深く染みこんだ資質が調整点を見いだすのだ。

ティツィアーノの最晩年に描かれた「ピエタ」はその時代をはるかに超えている。
色彩が抑えられているかに見えて、かえって色彩が奥底から浮かび上がるという、極致に到達している。

解説の辻茂いわく、

「燃える色彩の錬金術師」。


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