アシナガグモの巣にかかったユスリカ
朝露が残る時間帯に田んぼに行くと、あちこちにクモの糸が見える。糸に付いた朝露がキラキラと太陽の光を浴びて清々しい。そのほとんどはアシナガグモの巣のようだ。アシナガグモは、名前のとおり足が長い。秋に多いジョロウグモのように大きくはない。あぜ道を歩くと、知らない間にズボンにクモの糸がくっついていたりする。ジョロウグモは嫌いだが、アシナガグモは好きでも嫌いでもない。糸もそれほど強くなく、絡まってもそれほど困った事がなく、クモそのものが弱々しく見えるからかもしれない。
ところで、このアシナガグモを出揃った稲穂の下から空を向けて撮影してみた。朝ではなく夕方だ。巣にゴミみたいなものがかかっていると思ってはいたが、写真を拡大してみると、驚くことに蚊に見えるものがいっぱいクモの巣にかかっているのだ。
調べてみると、これは蚊ではなくユスリカ。夕方などに、いわゆる「蚊柱」をつくっている小さな昆虫だ。メスは一匹だけで、あとはオスばかりとか。驚く事に口はなく、消化器も退化しているため一切エサをとる事ができないまま寿命を終えるのだという。成虫の寿命は1日から数日のようだ。なんという儚さか・・・。後日、しっかり観察してみることにした。